中日ドラゴンズが生まれ変わろうとしています。昨年までは貧打にあえぐドラゴンズのイメージが強くありましたが、今年は少しずつ変わろうとしているようです。
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厳しさが全面に出ている立浪監督
厳しく接することの許容範囲がどんどん狭くなっている一般社会ですが、プロ野球の世界でもその許容範囲は狭くなってきています。立浪監督が就任時に茶髪や髭を禁止しましたが、そんな事が話題になるほどプロ野球の世界も変わってきました。日本ではジャイアンツが髭を禁止するなど厳しいイメージがありますが、MLBではヤンキースが髭と長髪を禁止しています。球団別に方針がありドレスコードとしてヤンキースが決めているのであれば、それほど議論にもならず受け入れられています。ジャイアンツでも、日本では当たり前の決まりごととして受け入れられています。今回立浪監督が就任時にドレスコードに近いものを決めたことに賛否があったようですが、戦う集団としてドレスコードを決めることは何も問題はないでしょう。人によって受け取り方が違うと思いますが、ドレスコードのようなものが大きな話題になるほど、自由度を毀損することに敏感な人達が増えているようです。
学生や一般社会ではゆるくなる一方の自由度ですが、全ては自己責任の世の中で、従いたくなければ転校するなり、転職するなりすればいいだけの話です。多少の自由度が損なわれても、その組織に所属する価値があれば喜んで受け入れる人は多いでしょう。人によっては厳しいドレスコードや制服に、憧れる人もいるでしょう。プロ野球という世界は選ばれた人だけが入れる世界で、所属するだけで価値のある組織であるということは、プロ野球を目指しても入れなかった大多数の人から見ればわかることです。
立浪監督の優しさ
プロ野球の選手寿命は極端に短い事は周知されており、一般社会のサラリーマンとは比べ物になりません。サラリーマンであれば多少遠回りをしても、後になって良い経験となることもあります。しかしプロ野球選手の場合は、時間の余裕がありません。2020年の選手の引退・戦力外の平均年齢は28.1歳で、平均在籍年数は7.7年となってしまっています。これはレジェンド級の選手も含まれていますので、早ければ3～5年で戦力外になってしまいます。日本のサラリーマンであれば自ら退職を申し入れなければ、簡単にはクビにはなりません。しかし、プロ野球は毎年が勝負で時間的余裕がありません。それだけ厳しい世界で生存競争をしているのであれば、ある程度厳しく接しなければ選手のためにならないと思います。
MLBではコーチは聞かれたらアドヴァイスをするというスタンスで、すすんでコーチングをすることはないようです。日本のプロ野球でもそういった姿勢のコーチは多くなり、以前のような“教え魔”は少なくなっていると言われています。
一般社会ではパワハラ等が大きな問題となっていますので、上司や先輩の指導がゆるくなっているのは当然のことでしょう。その余波がプロ野球の世界にも押し寄せており、指導がやりにくくなっていることは理解できます。しかし最短3年でクビになってしまえば、後悔するのは選手本人です。
京田陽太選手が片岡二軍監督のもとへ
今回不振の京田陽太を2軍に落としました。二遊間を守っていた立浪監督とすれば、内野のリーダーは京田選手の他になく、人一倍京田選手に期待していた人だと思います。その立浪監督が京田選手を二軍に落とすということは、余程のことだと思います。
京田選手は立浪監督の盟友である、片岡二軍監督に預けられることとなります。片岡二軍監督も立浪監督と同様PL学園の出身で、立浪監督の指導方針を十分に理解しているはずです。特に京田選手ほどの主力選手を落とすのであれば、立浪監督と片岡二軍監督の間で十分に打ち合わせがされていることと思います。
立浪体制に足りないピース
今回のドラゴンズの体制では立浪監督を支える、内野を見ることが出来るヘッド格が欠けています。立浪監督はPLの後輩でもあり、野球感が近い宮本慎也さんの入閣が理想であったはずですが、宮本さんはヤクルトの宝であり、実現は難しかったのでしょう。タイミングの問題で井端弘和さんも入閣できなかったことが、立浪監督の負担を大きくしているようです。京田選手の2軍落ちも宮本さんか井端さんのどちらかがヘッド格で入閣していれば、未然に防げたかもしれません。来年も確実に立浪体制は続くと思われますので、来年の井端さんの入閣が楽しみです。
ブレない立浪監督
今年の采配は厳しく、ブレないところに好感が持てます。いろいろと批判もあるかもしれませんが、多くのドラゴンズファンは立浪新監督を支持しているのではないでしょうか。ドラゴンズファンでは無い私も、厳しさを全面に押し出した立浪監督の優しさあふれる采配を、好感をもってみています。強い中日ドラゴンズがもどってくるのは、来年とは言わず今年後半にも可能なのではないでしょうか。
