育成と勝利の両立は難しいという巨人の首脳陣 見苦しい言い訳

プロ野球で育成と勝利の両立は、難しいと良く言われます。しかし、本当にそうでしょうか?ジャイアンツは世代交代の時期を迎えており、難しい時期だと言われることがあります。本当にそうでしょうか?組織を運営する中で、どんな組織でも、世代交代は必要です。一般社会でも数年後を見据えた中で、組織の新陳代謝を図っていきます。大きな組織になればなるほど、その辺りは徹底されていて、年に一度の人事異動では一定数の人員の入れ替えを行います。ある程度の規模の部署であれば、毎年数人の新入社員を戦力として使っていくことになります。持続可能な組織を作り、毎年株主や社員に利益という結果を出さなければいけない企業であれば、最低限のことだと思います。

巨人首脳陣とフロントの失敗

ジャイアンツはここ数年成績が低迷し、世代交代期であり再建が必要と言われることがあります。しかし、選手は急に歳を取るわけではなく、世代交代は常に考えていかなければなりません。世代交代は急に行うものではなく、緩やかに行うようにフロントは考えなければなりません。つまり今のジャイアンツの低迷は、原監督も含めたフロントの失敗と言わざるを得ません。

34歳35歳の主力達

坂本勇人選手、梶谷隆幸選手、菅野智之投手、丸佳浩選手、中田翔選手、小林誠司捕手。これだけの主力選手が34歳と35歳になっています。これは明らかに編成のミスです。しかも梶谷選手と丸選手はFAで、中田選手はトレードで他球団から獲得しており、わざわざピークを過ぎた同年代の選手を獲得しています。これらの選手が同じ様に劣化し、怪我がちになり、パフォーマンスを落としていくのは当然のことなのに、問題を先送りにしたツケが今になって来ていると言えるでしょう。

今年の若手の台頭は首脳陣の手柄ではない

今年秋広優人選手や門脇誠選手が台頭し、首脳陣が育てたように言われていますが、それは言葉半分で良いのではないでしょうか。何故ならばベテラン選手が怪我でフル出場できなくなり、成績も落としているからです。打率も丸選手は.239、中田選手は.258で打撃が優先されるポジションの選手としては、不十分でしょう。しかも、坂本選手、梶谷選手、丸選手、中田選手は下半身に不安を抱えており、ファーストまで常時の全力疾走ができない状態です。怪我や脚部不安で出場できないならば、若手にチャンスが回ってくるのは当たり前のことで、決して意図的に若手に世代交代したわけではありません。むしろ世代交代に対するリスク管理ができていないから、豊富な資金を抱えながら、4位に甘んじているというのが現状ではないかと思います。

高校野球を見習うべきプロ野球

高校野球の強豪校は、毎年強いチームを作ってきます。3年で生徒は卒業するので、世代交代は必ず必要です。つまり育成と勝利の両立を必須としているのが、高校野球の指導者です。こう考えると、プロ野球の指導者はかなり楽だと言えるでしょう。FAが機能していたときのジャイアンツのフロントや現場が、育成をしなくなるのも当然のことでしょう。アマチュア野球が必ず育成と勝利の両立を目指して指導をしているのに、ファーム組織を抱えているプロ野球球団が、育成で結果を出せないということは、育成能力がアマチュアよりも確立されていないことに他なりません。

再建期と常勝の旗

育成と勝利の両立が難しいなどというのは、言い訳に過ぎないと思います。

特に資金に余裕があるジャイアンツであれば、再建期などという言い訳はできないはずです。もし再建期などという言葉を使うならば、常勝を目指すなどという旗は降ろさなければなりません。

現場の監督は毎年優勝を目指さなければならないので、フロントは計画的な世代交代のために育成を推進しなければなりません。

育成をできない管理職

一般企業でも当年度の成績のために、人事ローテーションを嫌がり、働き盛りのベテランの放出を拒み、新入社員の育成を怠る組織の長が存在します。こういった身勝手な組織の長は、当年度の自分の成績だけを考えて、育成を怠ります。そしてその身勝手ではあるが、成績を残す組織長の後任は、ロートル社員だけを残されて、世代交代が進まず、酷い成績に落ち込むことが珍しくありません。

こういった悲劇を起こさないために、現場と離れた人事部(フロント組織)が人事ローテーションを行うことになります。今のジャイアンツはフロントが、その役割を果たしているのでしょうか?

現場の意見に流されて、長期的な展望が描けていないのではないでしょうか。

今年パ・リーグで圧倒的な力を発揮しているオリックスは、監督から転身した福良GMの功績が大きいのではないかと思います。福良GMが編成部長も兼任しており、若手の育成に成功しています。

親会社のオリックスは堅実に利益を出し続ける、極めて優良な東証に上場された一流企業です。その安定した業績と、着実に成長を遂げる手法は、12球団の親会社の中で、随一と言っても良いのではないでしょうか。

親会社の業績は、球団にも様々な形で影響します。親会社のガバナンスが甘ければ、フロントも甘くなるでしょう。

現状では楽天は業績不振、ソフトバンクも負債がきびしいと伝えられます。中日と巨人は新聞社で、部数の激減が事実です。西武も業績は芳しくありません。

もうプロ野球は一企業だけで運営できるものでは無くなってきているのではないでしょうか。日本のプロ野球も変わるべきときだと思います。

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