巨人の若手が台頭する時 圧倒的なパフォーマンスが必要

キャンプインから20日足らずが過ぎようとしていますが、この時期各球団の新戦力に注目が集まります。昨秋にドラフトで指名された新人や、若手の成長株など立ち位置は様々ですが、実戦で結果を出せない選手は徐々に出番が少なくなってきます。この時期はまだ若手や新人がチャンスを与えられている時期で、主力が登場するようになれば、力のない若手は徐々に淘汰されていくことになります。

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巨人の若手はチャンスが少ないという声は間違い

巨人の場合、若手のチャンスが少ないと言われることが多くあります。確かにFAで補強を続ける球団の姿勢は、若手の出番を少なくしているように見えます。しかし、実際は他球団と大差がないのではないでしょうか。何処の球団でもポジションや一軍登録人数は同じです。ポジション数と試合数が同じであれば、実践を経験できる機会は各球団同数です。巨人は育成選手を多く抱えていますが、その分三軍制をとっており試合の機会は十分にあります。昨年はコロナの影響下で選手が足りなくなり、試合をキャンセルすることさえ有りました。優勝を狙うために戦力の強化に余念がないのは、当たり前の話です。だからといって若手にチャンスがなかったかと言えば、それは大きな間違いです。

伸び悩むジャイアンツの若手野手

現在の野手のレギュラーは、殆どが生え抜きの選手です。捕手は生え抜きしかいません。2塁手は長年レギュラーが決まらず、吉川尚輝選手、北村拓己選手、若林晃弘選手は必要以上のチャンスが与えられていますが、既に中堅選手となってしまいました。三塁手と遊撃手はチャンスをものにした生え抜きです。外野手も育成の松原聖弥選手が規定打席に到達しましたが、十分な成績ではなくポジションを確保したとは言えません。こうしてみると原監督の言う通り、坂本勇人選手と岡本和真選手以外は不動のレギュラーはいないのです。この状況でレギュラーを獲得できないのであれば、それは力不足としか言いようが有りません。

中5日にせざるを得なかった投手陣

昨年中5日のローテーションが、批判されました。結果は優勝を逃すことになりましたが、ローテーションの1枠を奪える若手がいなかったということが、浮き彫りになってしまいました。もし昨年菅野智之投手がMLB移籍して、山口俊投手がMLBから帰ってこなければ、3人しか実力あるローテーション投手がいなかったということになります。これは優勝を争うチームの状況とは、かけ離れていました。本来であれば7~8人ぐらいの候補者の中から、6人を選んでローテーションを組むのが最低限だとは思いますが、程遠い状況でした。昨年のドラフトで野手を1名しか補強しなかったところに、その実情が現れているのでしょう。

桜井俊貴投手や鍬原拓也投手、平内龍太投手のドラフト1位達が、昨年までどれだけのチャンスを逃してきたでしょうか。怪我などの影響もあるのかもしれませんが、昨年のような危機的状況でチャンスを物にできないとすれば、それは補強が原因で台頭できないということは言えないでしょう。

スカウティングと育成に原監督は力を入れていることが、最近のジャイアンツの動きでは読み取れますね。

この時期は圧倒的なパフォーマンスが必要

若手中心で練習試合やオープン戦が組まれている時期に、圧倒的な成績が残せないようでは、この先主力には通用しないでしょう。巨人の若手野手では秋広優人選手と中山礼都選手に、注目が集まっています。中山選手は高卒2年目にして、今は圧倒的なパフォーマンスを示しています。昨年オープン戦で失速した秋広選手は、今年は何処まで今のパフォーマンスが続けられるか楽しみです。高卒2年目であれば、成長の伸び代は未だ大きく、ファンの期待は膨らみます。本当の意味で不動のレギュラーを取れる選手は、ある一定の時期を圧倒的パフォーマンスでアピールして首脳陣の信頼を得ています。今年の若手野手の台頭は、この二人に限られた様相ですが、これから一ヶ月が楽しみです。

楽しみな投手が出てきたジャイアンツ投手陣

若手投手の中でこの時期圧倒的なパフォーマンスをしてほしかったのは、戸郷翔征投手と高橋優貴投手でした。調整段階とはいえストレートとスライダーぐらいで、格下の打者をねじ伏せるような投球を楽しみにしていたのですが、残念な結果でした。色々と試したい事はあるのかもしれませんが、格下の選手にストレートを簡単に弾き返されてしまうのでは、昨年からの上積みが有るのかどうか心配になります。

反対に堀田賢慎投手は格の違いを見せつけるような投球内容で、これからが大変楽しみな投手です。まだまだ伸び代も考えられる投球内容で、高橋投手や戸郷投手とは対象的な内容でした。実績のある二人の投手には余裕があると思いたいものですが、若手投手陣は堀田投手のような圧倒的なパフォーマンスを、この時期は見せてもらいたいものです。

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