巨人とジャイアンツファンの乖離その② 中5日特攻ローテ 弱い原因

巨人が連敗を脱出した。丸佳浩選手の21号ソロホームランが7回に飛び出し、連敗を10で止めた。原監督は「この勝利を良薬としてそれぞれが受け止めてほしいね。」とコメントした。このコメントに違和感を覚えているファンも多いようで、ネットでは荒れたコメントが数多くされているようだ。

育成を尊ぶ若いファンの間と、育成を蔑ろにしたように見える巨人の球団の考え方に乖離が見られるのではないかと、前回に推察させてもらったが、今回は別の角度の乖離を考察してみたいと思う。

巨人とジャイアンツファンの乖離について 何故弱い?でも応援する?

中5日、4日の特攻ローテーション

首脳陣が考える投手ローテーションと、ファンが考える中6日のローテーションの間の乖離について考えてみたい。

原監督は以前より中5日のローテーションを、良とする考え方を提唱してきている。異論を唱えるコーチが今の巨人軍にいるはずもなく、後半戦の早い時期から中5日ローテーションを導入してきた。しかしその導入と相関するようにチームは失速。他チームが中6日ローテーションを遵守する中、敢えて中5日を貫いた。中5日のローテーションと後半戦の失速の直接の因果関係はファンには証明できないが、因果関係の否定を証明することも首脳陣にはできていない。

マスコミと球団の問題

球団の情報を球団の協力なしには得ることが出来ないマスコミは、ファンの中や一部の解説陣に生じている、中5日と失速の因果関係について、原監督やコーチ陣に取材を十分にしていない。時折否定するコメントは出てくるが、それでは何が本当の失速の原因なのか、2ヶ月に渡って不調が続いているのに、明らかにされていない。

中5日のローテーションを直接の原因ではないと否定するならば、首脳陣なりの見解を明らかにし、対策を打たなければ、首脳陣の職務怠慢と取られても仕方がないのではないだろうか。ファンあってのプロ野球と事あるごとに発言するが、情報操作についてはファン無視である現状は否定しようがない。

「つながりが・・・」「もう一本が・・・」などという抽象的な原因分析をしていたら、一般社会では許されない。

ファンは一般社会の人たちであり、本当にファンを大切にしようと思うならば、ファン目線で物事を考えてもらいたい。本当の意味でのファン目線が意識できなければ、ファンのジャイアンツ離れは加速するだろう。

社会の変化と球団の乖離

一般社会は個人が情報発信をできる社会になっている。会社の不正やブラックな体質につて、一般社会に所属する人たちは、厳しい目を持つようになった。特に若い世代の人たちは組織の不正を許さない。

以前は過労死が見過ごされ、パワハラやセクハラなども隠蔽されることが多かった。しかし最近は企業の努力により状況は改善されている。改善されていない組織は遅かれ早かれ摘発され、様々な形で一般社会の中で情報が共有される。

一度ブラック企業と認定されれば、そのイメージを払拭するためには莫大な努力が必要となる。

ブラックな職場のジャイアンツ?

今の巨人はブラックな職場ではないかと、若い世代から疑われているというのが現状では無いだろうか。特に野球界は球数制限や、佐々木朗希投手の登板回避など話題を提供してきている。今年はヤクルト高津監督が中6日のローテーションを最終盤まで守り、2年目の奥川恭伸投手には原則中10日以上の間隔を開けて育成したことに、スポットライトがあたっている。

この様な状況下で中5日を根拠なく続け、その他の要因と失速の因果関係を明らかにしないで継続したことに、若い世代を中心に批判が集まるのは当然だろう。マシンガン継投などは、明らかに中継ぎ投手たちを疲弊させた。中継ぎ投手たちに首脳陣が批判的なコメントをするたびに、選手に同情的なコメントが集まるのも同様だ。

マシンガン継投は危険がいっぱい

現状の巨人の投手陣の姿に、サービス残業を恒常的にやらされていた、以前の自分たちの姿を重ねてしまうのかもしれない。

そして選手達の中にも、スポーツの社会で生きているとはいえ、同世代の一般社会の人たちと、常識をともにしているはずだ。若い選手達は尚更だろう。

「以前の選手は・・・」とか言って、根拠のない理論を押し付ける古い世代は、若い世代から受け入れられず選手と気持ちが離れてしまうのは当然ではないだろうか。

その場の空気を読めるコーチはいるようだが、長い時間を掛けて変容してきた社会の空気を読めるコーチは、今の巨人には存在しないように見えるのは、私だけでは無いだろう。

ブラックな企業はその殆どが、無自覚にその行為を繰り返しています。

外部の意見を聞く制度が無いと、その傾向は強まります。

社外取締役をもたない巨人軍は・・・

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