筋書き有のNFL 演出されたドラマ性が人気沸騰の秘密 NPBは?

2023-2024のNFLレギュラーシーズンが終わりました。今年も最終週まで大変な盛り上がりで、NFLの人気の凄まじさを目の当たりにしました。サンデーナイトに選ばれたビルズとドルフィンズの1戦は、全米の注目カードとなり、最後の最後まで大変な盛り上がりでした。これからポストシーズンとなり、更に盛り上がっていくこととなりますが、NFLは野球と違って素晴らしい演出がされており、人気の理由の一つを見た気がします。

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NFLは毎年が近鉄の10.19と巨人の10.8

日本の野球ファンであれば語りぐさとなっている1戦の代表的なものが、上の2つでしょう。何れも最終戦にシーズンの優勝がかかる1戦となり、球史に残る1戦としてファンに記憶されています。野球は筋書きのないドラマと言いますが、その偶然性にファンは熱狂し、めぐり合わせの奇跡に興奮したものでした。

しかし、NFLは毎年の最終戦がこの様なドラマ性を帯びる1戦となります。そもそも一番盛り上がる1戦を全米が注目するサンデーナイトのカードにするのですから、当然盛り上がります。最終週のサンデーナイトゲームは、その他のゲームが全て終了しているので、NFLが一番盛り上がるゲームを選ぶことができます。

今年のビルズVSドルフィンズも、ポストシーズンを大きく左右するホームフィールドアドバンテージを争うゲームで、ともにプレーオフ出場が確定しているチームが、全力で闘うゲームでした。結局負けたドルフィンズが強豪のチーフスと敵地で戦うことになり、非常に厳しい条件となってしまいました。特にマイアミを本拠地とするドルフィンズは、寒冷地のアウトドアのスタジアムで戦うことが苦手で、得意のパス攻撃の難易度が増すこととなります。ポストシーズンを勝ち上がるためには、ラン攻撃が鍵となるのはこのためで、ドルフィンズは大変なハンデを背負うことになりました。勝っていれば、ホームのマイアミでプレーオフに滑り込んできたスティーラーズと戦うことになっていたので、その差は凄まじいものがあると思います。

NFLの対戦の仕組みは、盛り上がりが最後まで続くように綿密に計算されており、公平性などといったものよりも、盛り上がる方を大切にしていると思います。この辺りはプロスポーツをエンターテイメントとして見ており、変な生真面目さが無いところが良いところと言っていいでしょう。ファンもNFLの書いた筋書きを楽しんでいるといったところでしょう。この辺りは野球には難しいところで、特に公平を重んじる日本のプロ野球では、考えにくい演出ではないでしょうか。ゲームが盛り上がるよりも、他のものを大切にしているようなところがあり、残念な事が日本のプロ野球には多々あると思います。

WBC最終戦に興奮したアメリカ

大学のバスケットボールに押されて盛り上がりが今一つと言われたWBCですが、最終戦でアメリカと日本が対戦し、最後の対戦が大谷翔平選手とマイク・トラウト選手だったところで、「今夜は野球の勝利だ!」と実況されたところが大変に印象的でした。これは野球というゲームで、筋書きを書くことが難しい事を表していたと思います。最後の最後に「The best against the best. 」と叫べた瞬間は、野球という筋書きを書けないゲームでは、本当に奇跡のようなめぐり合わせだったと思います。

いつも”The best against the best”のNFL

日本のプロ野球では下剋上などと揶揄されるように、プレーオフ制度が当てはまり難く、最終戦が盛り上がらない事が常に懸念されています。しかしNFLのプレーオフシステムは、間違いなく最終戦が”The best against the best”と言えるもので、全米が注目します。常にそれを求めているファンに対して、リーグの改革を常に厭わない姿勢は素晴らしいもので、カレッジフットボールもNFLも常にシステムを変更しています。NFLは昨年からシステムを変えていますし、カレッジフットボールも来年システムを変える予定のようです。

変革を恐れる日本の社会

アメリカのスポーツ界は変幻自在の印象が強く、一度決めると変えることに対してアレルギーが強い日本とは対照的で、これは経済界や政治の世界でも同様の状態だと思います。

日本は一度決めたものを金科玉条のごとく守る傾向が強く、その事を理解できずに、伝統を守ることと混同している感があります。

これは守るべきものと変えるべきものの区別がつかないことと、既得権益に群がる者たちの権力が強すぎることが問題だと思います。本当は民主主義が機能すれば、変えるべきものを変えられるはずなのですが、今の投票率では折角の権利を無駄にしていると言っていいでしょう。今の政治家や官僚にとっては、投票率が上がって、社会が変革を求めることが一番望まないことで、なんとかこのシステムを維持したいと思っているというのが、真実ではないでしょうか。

セ・リーグがDH制を取るかどうかを、ファンにサウンドせずに監督会議で決めてしまう辺り、何をか言わんやだと思います。

日本のプロ野球もNFLを手本に

何でもアメリカを真似する必要はありませんが、ことエンターテイメントに関してはアメリカを手本とするべきでしょう。プロスポーツも間違いなくエンターテイメントであり、公平を求めるよりも、盛り上がりを追求するべきでしょう。監督のやりがいよりも、ファンの希望を優先しなければならないことが、理解できていないところに、日本の未熟さがあると思います。ピッチクロック導入において、選手たちの”間”が云々と言っている時点で、かなり意識が遅れているのではと思ってしまいます。

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