WBCの問題 源田選手は負傷後帯同 栗林選手は離脱 基準は気持?

日本代表が4連勝で予選突破をして歓喜に湧く日本の野球ファンですが、一方では大きな問題が持ち上がっていると思います。日本の守護神として期待された栗林良吏投手が腰のハリでチームからの離脱が決定しましたが、それとは対照的に源田壮亮選手が右手小指を骨折したにも関わらず、チームに帯同することを決めました。それぞれのケースで本人を含めた関係者の中で決定されたと思いますが、その決定のプロセスは発表されていません。

関係者の内々の決定で、ファンには納得ができない部分があり、ファンの間で議論をよんでいます。

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決定までのルールが決められていない不備

日本の悪い部分が出てしまっている、典型的な例だと思います。もともと選手を派遣するにあたって、細かい部分を決めていない日本球界の悪い部分が影響してしまっていると思います。MLBは選手を派遣するにあたってどの様な起用をするかなど、細かい部分を書面に残している筈です。ましてや故障があったときなどは、どの様に意思決定がされるか事細かに決まっているはずです。

先日あるテレビ番組を見ていたら、司会者が選手の起用法等に注文をつけるMLB球団に対して、”いちいち煩いのでどうにかならんのか”レベルのコメントをしていましたが、とんでもない時代錯誤の発言であったと思います。

数十億も投資をしている選手に対してその管理を一任するにあたって、細かい取り決めをするのは当然のことで、何かあったときの紛争を予防するために行っており、そういった前例が将来の物事の決定をスピードアップさせ、余計な問題を引き起こさないという事につながっているということが理解できていないと言えると思います。

日本社会の悪い癖ですが、間違った意味での”阿吽の呼吸”みたいなことが重宝されて、問題を先送りにし続けることで、将来の停滞につながるということが解っていない典型と言えるでしょう。

”関係者でもめないようによしなに・・・”はもはや通用しないことを、もっと日本人社会は認識するべきで、日本の経済が発展しないひとつの大きな原因だと思います。

源田選手に対する不安

今回源田選手は故障をおして、チームに帯同することになりました。この事は本人の意志や日本代表チーム、西武ライオンズ球団が話し合って決められたことだと思いますが、果たして正しい手続きでしょうか。ドクターストップがかからない限り、選手の意思が第一である事は当然と言えるでしょう。しかし選手は、本当に自分の気持ちを発することができる状況でしょうか。今の日本代表を見ていると、遊撃手としての源田選手の力は大きく抜け出ており、代わりが効かない選手の筆頭になっていると思います。NPBで源田選手の代わりを務められる未選出の選手は、現時点でも殆どいないと言っても良いのではないでしょうか。そういった状況下で源田選手は、本当に無理をしていないのでしょうか。国民の期待を背負ってしまっている状況下で、本当の気持ちを発することができるのか疑問が残ります。

そして今の怪我の状況がプレーできる状況であっても、何らかのアクシデントが重なり、怪我を悪化させてしまうリスクをどの様に評価しているのでしょうか。

ショートであれば、ランナーとの交錯や、イレギュラーバウンドで怪我をする事は少なくありません。これからグラウンド整備が行き届かない状況下で、プレーしなければならないケースも考えられ、リスクは減ることはないでしょう。

また源田選手は左打ちの選手で、右手の小指はデッドボールを受けやすい場所だと思います。これから負けられない戦いが続く中で、怪我を忘れて踏み込んでいくことは十分に考えられます。

ファンのために頑張る姿は尊いものですが、選手は個人事業主で、選手を守ってくれる代理人や球団は、日本の選手の周りには少ないと思います。

西武球団のリスク管理

今回貴重な戦力をWBCに派遣している西武球団ですが、高額のサラリーを払っている球団としては選手を守らなくてはいけません。

仮に源田選手が怪我を悪化させてしまった場合、西武ファンに対してはどのような説明ができるのでしょうか。このあたりは”選手が希望したから”では、済む問題ではないと思います。西武ライオンズは西武鉄道の100%子会社で、西武鉄道は西武ホールディングスの100%子会社です。西武ホールディングスは上場企業ですので、不特定多数の株主が存在します。仮に今回のケースで優勝を逃したなど大きな損害が発生した時に、源田選手の怪我と優勝の逸失に深い因果関係が認められれば、株主代表訴訟にまで発展する可能性がないわけではありません。そういった状況下にある事を過去の経緯から、西武ホールディングスは十分に理解している企業ではあるので、西武のライオンズの場合は安心できます。しかしその他の球団は大丈夫なのでしょうか。少なくとも親会社が上場企業である場合は、そのあたりのリスク管理については明確にするべきだと思います。

マスコミの意識の低さ

旧態依然とした経営が続いているプロ野球球団が多い中で、今回のケースは様々な面を見直す必要があると投げかけている事案だと思います。少なくとも将来禍根を残さないため、選手を守るために細則を決めているMLBを非難するような発言は、視野の広さに疑問が残ると思います。マスコミは一方だけの意見を取り上げるのではなく、他方の意見も取り上げなければ放送法に違反するはずであり、不用意な一方的なコメントを戒め自浄してほしいものです。

また、旧態依然とした古い考え方をもっともらしく発言する事が、テレビ離れや新聞離れの原因になっていることをメディアは自覚するべきで、少なくとも両論を等しく取り扱う姿勢を崩してはならないと思います。

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