いよいよNFLが開幕します。チーフスのダイナスティが続く中で、レイダースにはせめてプレイオフには出場してもらいたいものです。しかし、それほど簡単なものではなく、贔屓目に見ても今年は昨年より成績を落としそうな予感がします。あまりネガティブな見方をしたくはありませんが、暫定がとれたHCアントニオ・ピアースはどれだけチームをまとめ上げることができたのでしょうか？
HCアントニオ・ピアースの実力
選手たちの圧倒的な支持を得て、正式なHCに就任したアントニオ・ピアースですが、HCとしての能力は未知数です。昨年はHCマクダニエルの解雇という逆境の中で、モチベーターとしての能力を発揮して、チームを大いに盛り上げ、選手たちの信頼度が大きく上がりました。どちらかというとモチベーターとしての能力が欠如していた疑いのあるHCマクダニエルからシーズン途中でチームを引き継いだHCアントニオ・ピアースは、逆境の中で盛り上がった選手たちを気分よくプレーさせることで、チームを活性化させたと思います。
”チャッキー”が突然辞任した時も、レイダースはチームとして盛り上がり、プレーオフにまで到達しましたが、当時の暫定HCだったビサッチアはHCとして翌年は採用されませんでした。代わりに正式なHCとして就任したマクダニエルが全く振るわなかったので、今回は選手の信頼の厚いアントニオ・ピアースを採用するしか選択肢がなく、事実チームの中心選手たちが、ピアースが就任できないなら移籍を希望する旨を表明するなど、チョットしたゴタゴタの末の就任だったと思います。
これは全くの推測ですが、オーナーのデイビスは、もう少し実績のあるHCを採用したかったのだと思います。しかし相変わらずレイダースは実績のあるHCには不人気で、選手を納得させる事ができる人材が獲得できなかったのだと思います。
LBコーチとしてレイダースにいたHCピアースは、オフェンスについて全く哲学が有るようにはみえません。ディフェンスについても全体の戦略的な考え方はDCのパトリック・グラハムが支えているように私には見え、チーム外からもパトリック・グラハムは評価が高く、今年実績が積めれば、来年はHCのオファーが有るのかもしれません。
オフェンスはOCルーク・ゲッツィ次第
OCゲッツィは昨年ベアーズのOCでしたが、全く振るいませんでした。ベアーズのQBフィールズの能力が足りないという理由が考えられますが、今年のレイダースの先発QBはQBフィールズより能力が上かどうか疑わしく、ゲームを上手くコントロールできるかどうか疑問が残ります。ゲッツィが実績を残したパッカーズにはQBアーロン・ロジャースがいたので、今のレイダースの状況とは全く違います。
スキルポジションに良い選手が多いレイダースですが、４Qのラストドライブで逆転できるかどうかは、ほとんどがQBの能力に関わっているということができます。AFC西にはQBパトリック・マホームズとQBジャスティン・ハーバートがいることを考えると、接戦は分が悪く、苦戦必死でしょう。
2025年のドラフト
少し気が早いですが、今年プレーオフにも出られず、5勝ぐらいで終わってしまうと、来年のドラフトはQBを指名しなければなりません。レイダースは1位で指名したQBがとんでもないバストで終わった事が複数回有るので、なかなか勝負に行きづらくなっています。
今まで当たりと言えるのは他チームからの移籍選手と、2位指名という歴史から考えると、1位指名は躊躇してしまうところがあると思いますが、近年のNFLではQBの能力によるところが非常に大きくなっており、そこを避けては通れないと思います。
GMテレスコはQBハーバートを見出しており、そこは信頼できると考えると、2024年ドラフトでQB指名の見送りと、2025年の見極めが非常に重要になってくると思います。
2025年は2024年ほどQBは豊作ではないと言われていますが、ライジングスターの出現も期待されるので、カレッジをフォローするのも今年は、非常に楽しみです。
第1戦チャージャース戦の見どころ
これはランニングゲームが出るかどうかだと思います。ディフェンスで勝ち抜いていくためには、ゲームコントロールによるディフェンスの消耗を防ぐことが、兎に角重要です。特に圧倒的なパスオフェンスを展開できる状況には無いので、ランニングゲームが出なければ、ディフェンスに負担がかかり、シーズンが深まれば怪我人が続出することにもなりかねません。オフェンスラインもパスプロテクションよりはランニングゲームの方が負担が少ないと考えます。
QBフィールズの能力によってベアーズはランニングゲームを出しましたが、果たしてOCゲッツィにそこまでの能力が有るのかが、最大の焦点だと思っています。
いずれにしても、いよいよ始まりますね。
弱くてもそれなりに見どころがあるのが、NFLですね。
