第58回スーパーボウルはチーフスが49ersを破って連覇で退屈

ディフェンスマッチの末にチーフスが連覇をしました。オーバータイムになる接戦で、激戦と言っていい試合だと思うのです。しかし個人的にはあまり興奮できない試合でした。どんなカードになっても今まではそれなりに楽しめていたのですが、今年は今ひとつ、のめりこめなかった気がします。

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攻撃が地味でつまらなかったのか?

最終的には25対22という得点で、純粋なディフェンスマッチというわけではなかったのですが、前半は10対3と地味な展開でした。両チームともに手堅いオフェンスで、大きなミスが起こらないように、保守的とも言っていい試合運びだったと思います。試合の最終盤で日本の解説陣が”今日のMVPはスペシャルチーム。”などというコメントが出るような試合展開でした。両チームのHCは経験も豊富で落ち着いた試合運びができ、お互いに横綱相撲という様なプレーコールが影響したのかもしれません。2Qの49ersのスペシャルプレーによるタッチダウンだけは、準備期間の長いスーパーボウル用のものでエキサイトできるものでした。

デフェンスも保守的でつまらなかった

49ersのディフェンスは常に4メンラッシュで、充分にプレッシャーがかかっており、ブリッツを入れる必要がなかったというのは判るのですが、後半勝負どころでブリッツが届かず、良いようにQBマホームズに裏を取られていたのは、49ersが前半保守的に成りすぎていた事の反動ではないかと思いました。フィールドポジションが良いところで、もう少しブリッツをいれて、反応を見ておくことが必要ではなかったかと思います。チーフスの両タックルが苦戦していただけに、そこを潰しておくことができれば、QBマホームズを消耗させることができたのではないでしょうか。

いつもQBパトリック・マホームズが決め手

HCアンディ・リードは最後にQBマホームズの手にボールがあれば、逆転できるということがチーフスの最大の武器であるということを十分理解しており、そのストロングポイントを活かすゲーム運びだったと思います。ワンポゼッション差でQBマホームズに2分あれば、かなりの確率で逆転できるので、そこから逆算したゲーム運びだったのではないでしょうか。前半あれだけオフェンスが進まなくても、ギャンブルにはでず、じっと我慢して10対3で折り返した時点で、HCリードの思った通りの試合運びだったと思います。

最終ドライブで既に消耗した49ersのディフェンスラインは、余力を残しているQBマホームズを何度やっても捕まえることはできなかったと思います。

言い方を変えれば、4Q残り10分を切ったところで、2ポゼッション差にできなかったところで、戦略的には49ersは負けていたと思います。観戦していても、明らかに余力を残しているQBマホームズは自信満々で、余程のアクシデントがない限りチーフスが勝つと思ってしまう既視感がありました。

チーフスの強さは規律

さらにチーフスが素晴らしいのは、あれだけ押し込まれていたオフェンスラインが無駄なペナルティーを大切なところで犯さないというところでしょう。特に終盤にフォルススタートやホールディングなどのペナルティが出ないところが、強さの秘密だと思います。このあたりはHCリードの素晴らしさだと改めて感じました。

TEトラビス・ケルシーとテイラー・スイフト

NFLを代表するTEではありますが、試合中にHCリードを突き飛ばしたのはとても残念な出来事でした。恋人がテイラー・スイフトであり余計な注目が集まったので興奮してしまったのかもしれませんが、ファンとしては見たくなかったと思います。

テイラー・スイフトさんがシーズン中から注目されていましたが、マスコミのライトの当て方に賛否両論あるようです。TEケルシーがキャッチしたりタッチダウンを決めたりするたびに、テイラー・スイフトさんが大写しになる放送は、すでに恒常化しており、スイフトさんのファンではない人や、相手チームのファンはあまり良い気がしないのではないでしょうか。スイフトさんの人気に便乗しなくても、スーパーボウルが世界一のスポーツコンテンツであることは間違いないので、一線を画して純粋なスポーツコンテンツとしての見せ方をしてほしかったと思います。オールドファンの時代遅れの感想かもしれませんが・・・

課題の残ったスーパーボウル

トム・ブレイディが引退してスーパースターがいなくなった中で、今回の見せ方にはやはり疑問が残ってしまいました。戦力均衡を望むNFLですが、今年のチーフスvs49ersは少し新鮮味にかけるマッチアップでした。おまけにベテランHC同士によるチェスマッチは、ライトなファンには退屈だったかもしれません。スーパーボウルは年に一度のお祭で、それに相応しい盛り上げを期待するのは当然ですが、フィールド外のテイラー・スイフトさんに注目が集まるのは、少し複雑な気分でした。(脇役として焦点を当てるのならまだ受け入れられますが・・・)

来年辺りにオフェンスが有利になるルール変更がないと、大切なゲームほどつまらない展開になり、最後は優秀なフッランチャイズQBを持っている方が勝つというお決まりの結末は、酷く興味を欠くものになりつつあります。これが最後のドライブがQBラマール・ジャクソンやQBC.J.ストラウドなら、ワクワクしてみることができたのかもしれません・・・

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