ドルフィンズに13対20で敗れたレイダース。ディフェンスの頑張りで接戦まで持ち込めましたが、力の差は点差以上にあったと思います。ファンブルによるターンオーバーがドルフィンズに2つ出たところで接戦になったのですが、こういう時にしっかり勝ちきれないのは、大きな力の証左だったと思います。
1 | 2 | 3 | 4 | OT | ||
Raiders | 10 | 3 | 0 | 0 | 0 | 13 |
Dolphins | 7 | 7 | 6 | 0 | 0 | 20 |
QBエイダン・オコネルは時間がかかる
先発3試合目となったQBオコネルですが、残りのシーズンでフランチャイズQBになれる素材かどうかが試されている大切なチャンスであることは、誰もが認めるところでしょう。しかしQBオコネルが先発QBとして成長するためには、まだまだ時間がかかりそうです。このままバックアップとして研鑽を続けていけば、数年後に開花する可能性があるとは思いますが、来年先発QBとしてシーズンを託すことは、かなり無理があると思います。
Player | CP/ATT | YDS | TD | INT | SACKS | QBR |
A. O`Conell | 24/41 | 271 | 1 | 3 | 2-11 | 18.1 |
T. Tagovailoa | 28/39 | 325 | 2 | 1 | 1-2 | 38.7 |
QBオコネルは肩は強いのですが、モーションが大きすぎると思います。これはミドルレンジへのパスにも言えており、今のままではゾーンカバーに対応できず、インターセプトを量産してしまいかねません。もっとクイックリリースでなければ、現代のフットボールではかなり難しいと思います。対照的にドルフィンズのQBトゥア・タゴバイロアは、かつての名QBダン・マリーノを思わせるようなクイックリリースで、レイダースのラッシュはほとんど届きませんでした。QBタゴバイロアは昨年から脳震盪に悩まされていることもあり、HCが早いパスしかコールしません。それでも快速WRを揃えて、ランアフターキャッチで相手のディフェンスを切り裂く戦術を、レイダースは止めきれませんでした。レイダースも同じ様な戦術を取りたいのですが、残念ながらQBオコネルの技量が今は足りていないようです。
さらに言えば、機動力が殆どないQBオコネルは熟成するのに時間がかかると予想されます。ここは数年後の先発QBを目指して、投げ方の改善から始めるべきではないかと思います。
来年のドラフトではQBの指名を
最近のプレーオフに出てくるチームを見ていると、どこのチームもエリートQBを擁しています。HCビル・ベリチックや前HCのジョシュ・マクダニエルはドラフト1巡でQBを指名することを避ける傾向がありましたが、二人目のQBトム・ブレイディは養成できないようです。かねてよりレイダースの1巡指名のQBはバストばかりという評価もあり、2巡指名が比較的に吉でしたが、もうそういう場合ではないでしょう。カレッジの戦術がプロ仕様に近いものになってきているので、直ぐに活躍できるQBが毎年のように現れており、ここはリスクを恐れずに1巡でQBを取りに行くべきでしょう。そして当たりを引き当てるまでは、めくり続けなければいけないのだと思います。
今年はQBの当たり年と言われています。確かにカレッジのQBたちはレベルが高いようです。米国では既にレイダースがUSCのウイリアムズと取りに行くという噂が出ているようですが、なりふり構わず行くべきだと個人的には思っています。仮に失敗でも、まためくり続ける必要があるポジションが、QBだと思います。
最重要課題はHC選び
もう一つ大切なポジションは、HCです。レイダースは最重要課題のHCをめくり続けていますが、全く解決していません。どうしてここまで見る目が無いのか、全くわかりません。アル・デイビスが存命の頃は、干渉がきついので実力者のHCから敬遠されていたと思いますが、代替わりして状況は変わっています。ミシガンの現HCのジム・ハーボーが今年も噂に上がっていますが、既に裏で交渉は始まっているのでしょうか?
HCだけは延々とめくり続けているレイダースですが、折角フランチャイズQB候補を指名しても、HCがポンコツならば壊しかねません。
レイダースは新進気鋭の若手を採用したがる傾向にありましたが、経験不足で失敗するパターンも多く、最近は経験者を据えて失敗するという、無限に陥ってしまっています。このあたりの採用だけはファンには見えづらいものであり、特に日本にいるファンはヤキモキするところでしょう。
補強が必要なポジションは目白押し
その他もタレントが揃わず、スーパーは遠いようです。ディフェンスは健闘していますが、CBは力不足がありありとしています。OTも心もとないので、補強が必要でしょう。特に今年1巡でQBを指名するのであれば、OTも補強しなければ、折角の素材を壊されてしまいます。どうもレイダースはスキルポジションのスターを取りたがりますが、まずは勝つことを優先するべきでしょう。確かに勝つためのディフェンス、客を呼ぶためのオフェンスです。興行を考えるべきとは思いますが、レイダースがかつての強力ディフェンスを取り戻せば、チームカラーと相まって客を呼べるチームに仕上がると思うのですが、如何でしょうか?