2023年シーズンが大詰めを迎えていますが、今年は大混戦と言っていいでしょう。本命視されていたチーフスやイーグルスが苦戦をしている中で、長年ドアマットだったライオンズが地区優勝を決めています。長く続いていたペイトリオッツの時代からチーフスの時代へと予想していたのですが、NFLはそれほど甘くはないようです。
だからNFLは面白い
NFLは戦力の均衡が本当にうまく行っています。どのチームも良くなったり悪くなったりとするなかで、多くのファンが今年こそはと思えるのがNFLの醍醐味でしょう。ベンガルズのように長年ドアマットだったチームが、あっという間にスーパーボウルにまでたどり着いたように、今年もライオンズが出場すれば、盛り上がることは間違いないでしょう。ライオンズのQBはラムズから放出されたQBジャレット・ゴフですが、ここで優勝すれば古巣のラムズを見返すことができるでしょう。
NFLで勝つための2大条件
フランチャイズQBを獲得する
これは誰もが分かっていることであり、上位に来るチームには必ず勝負強いフランチャイズQBがいます。長くダイナスティーを築いてきたペイトリオッツには、QBトム・ブレイディがいて、信じられないくらいの長さでNFLに君臨してきました。HCビル・ベリチックとのコンビで、最強のチームを長きにわたって築き上げたのですが、QBブレイディが移籍したのと同時にペイトリオッツの弱体化が始まり、今は見る影もない状態になってしまいました。QBをドラフト上位で指名しないことで有名だったHCベリチックですが、やはり才能の有るQBを獲得できなければ、勝てないことが証明されてしまい、今年の去就が注目されます。仮にチームに残ることになれば、ドラフト上位の指名権があるので、フランチャイズQBの指名に踏み切るのは、ほぼ確実だと思います。ドラフト上位でQBを指名しなくても勝てることを証明したかったHCベリチックですが、やはりQBトム・ブレイディの偉大さを認めざるを得ないでしょう。優勝するためには絶対に、才能あるフランチャイズQBが必要になるということです。
HCとGMの採用に成功する
これはドラフトとは関係なく、資金や人間関係で優秀な人材を獲得できるので、チームの底力が問われます。現在の強豪チームは長くチームを率いていたHCが多く、弱いチームほどHCの首がよく飛ぶのは、ある意味当然のことでしょう。今年もシーズン中に解雇されたHCが複数有り、優秀なHCを獲得することの難しさがわかります。
弱小チームは常にドラフト上位の指名権をもっているので、将来のフランチャイズQBを指名できる可能性は高いのですが、HCに恵まれなければ、潰されて行ってしまう事が良くあります。過去にもドラフト上位の若き才能が、あっと言う間に消えてしまったことが、当たり前のように有りました。その年一番の優秀なプロスペクトは、その年一番弱いチームに指名されることとなり、いきなりの試練に晒されるという構図は、ちょっとマゾいです・・・
どんなに才能があっても、良いHCに恵まれる運がなければならず、めぐり合わせは大切です。
2つの条件がほぼ同時に起こる事
フランチャイズQBと優秀なHCが巡り合うと、あっと言う間にチームは強くなります。今年のジャガーズはまさにこの例ではないでしょうか。他にもベンガルズがドアマットチームから抜け出しました。なかなか無いことですが、その奇跡をファンは長い間待ち望んでいるということでしょう。
それでも強さが長続きしないNFL
NFLは戦力均衡を狙っているので、ダイナスティーは長く続かないように仕向けられています。そもそもQBは怪我を負う可能性が強く、フランチャイズQBが離脱すれば、あっと言う間にチームも沈んでいくのが普通です。またFAが機能しているので、強豪チームからは主力選手がどんどん抜けます。今年のチーフスも流石に息切れがしてきたのは、FAによる流出が響いてきているのでしょう。
2024年のドラフトは低迷から抜け出すチャンス
来年のドラフトでは優秀なQBが目白押しです。年始のボウルゲームでは来年ドラフトされるであろう大学生のスターQBが複数出場します。日本で中継もされるようなので、是非見ていただきたいと思います。最近のNCAAは以前と違いプロと同じ様な戦術を持つチームが多いので、スターQBがプロで活躍できるかを見るためにも、ボウルゲームは非常に興味が持てます。
そしてフランチャイズQBがいないチームは、大きなリスクを取ってQBを指名しなければなりません。もしその指名した選手がバストであれば、当たりを引くまで指名し続けなければならないのが、今のNFLだと思います。
そういった意味ではNFLはファンの視線を一年中惹きつける、本当に見事なファン獲得戦略を実践しているリーグだと思います。
日本のプロリーグも見習いたいですね。
