ジャイアンツが阿部新監督下で新体制になり、首脳陣が大幅に若返りました。当然、原監督の体制で重宝されていた選手たちも、立場をなくす場合が出てきます。長年ジャイアンツの代打陣を支えていた中島宏之選手は、すでに他球団での現役生活を模索しているようです。もう一人話題になっているのは、ファイターズからジャイアンツに無償トレードされた中田翔選手でしょう。
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FA期間前の観測気球
中田選手はFAの権利を行使するかどうかを、ジャイアンツ球場で報道陣に迷っていると吐露しています。中田選手は来年のジャイアンツの内野の布陣を考えた時に、自分がファーストで常時出場できる状況にはないと、判断していることの現れでしょう。
中田選手は、不祥事によりファイターズで謹慎処分となり、それを救ったのが栗山監督と原監督の人間的なつながりで助けられたこと、ジャイアンツが火中の栗を拾ったことに、恩義を十分に感じているはずです。大本営であるスポーツ報知で報道がされ、その後ジャイアンツ球場で取材に応じているということは、ジャイアンツに十分に相談の上、コメントを発表していると推測できます。その点では球団に不満があるわけではなく、活躍の場を求めて新天地を探しているという状況でしょう。また、こういった報道を大きくスポーツ報知が出しているということは、FAをすることによる他球団の動きを促進しているということになると思います。十分に前もって情報を出すことによって、他球団の準備期間を設けて、情報を集めるための観測気球を上げたということだと思います。
退路を断たないための報道
一度FA宣言をしてしまえば、ジャイアンツに残ることは難しいので、FA期間に入る前にコメントを発表したのではないでしょうか。子供の学校のことを引き合いに出したようですが、本当のところは良くわかりません。色々と踏ん切りがつかないための観測気球と考えれば、FAせずにジャイアンツに残る可能性も残したいのかもしれません。
他球団で欲しい球団
中田選手の実力は証明済みですが、故障の多さと年俸の高さはネックになるでしょう。自由契約であれば他球団への移籍は簡単だと思いますが、FAとなると年俸の高さがネックになることは間違いないでしょう。3億円と推定されている年俸に見合う数字は今年も出せておらず、他球団が二の足を踏むのは間違いないでしょう。更にファイターズからジャイアンツに移籍した経緯も、イメージを大切にする球団からは敬遠される可能性を否定できません。守備位置が限られて怪我がち、数字も年俸に見合わないとなると、なかなか獲得を希望する球団がでてこない場合もあり、難しいことになると思います。
落合博満選手との違い
清原和博選手がジャイアンツに移籍するにあたって、静かにファイターズに移籍していった落合選手と似たような状況ですが、中身はかなり違うと思います。落合選手の場合はファイターズに移籍するときは40歳中盤で、現在35歳の中田選手とは大きく違います。落合選手は現役生活の最終盤で、2年だけのファイターズの在籍期間でしたが、中田選手はまだまだ長い現役が予想されます。
落合選手は3冠王の姿を勉強するための獲得と考えることも出来ますが、中田選手にはそこまでの実績も信頼もないのが現状でしょう。
また、落合選手の様にすべてが好影響と考えられる状況に、中田選手の場合はないので、そのことも移籍を難しくしていると思います。
落合選手は移籍時に全く揉めることもなく、騒がすこともなく清原選手に気を使っていたのが印象的でした。
村田修一選手の場合
構想から外れた村田選手は、移籍しやすいように自由契約となりましたが、ついに他球団から声がかかりませんでした。37歳での引退は早すぎる印象もありました。最終年は100安打14本塁打で、67安打15本塁打の中田選手より衰えは感じられず、サードとファーストをこなせた村田選手でも声がかからなかった事実は、中田選手にも大きく影響していると思います。その後独立リーグなどを経験して、現在までコーチ行を続けている村田さんは、ある意味去り際を間違えなかったということだと思います。
中田翔選手の今後
色々とあった中田選手だけに、去り際は間違えないでほしいと思います。もちろん短い現役生活ですので、悔いのない選択をしてほしいと思います。しかしながら、現役引退後の人生に悪い影響を与えないような考え方も、重要な考え方ではないかと思います。
家族に相談することも大切ですが、色々と経験している信頼の置ける先輩がいるのであれば、十分に相談する時間はまだまだあると思います。決して自分の狭い視野と少ない経験の中だけで決めないほうが、後々悔いが残ることはないと思います。特に家族の事を考えるのであれば、先輩に相談すると良い意見が得られると思うのです。
その上で自身で悔いのない選択を、してほしいと思います。
子供の意見を聞くこともとても大切ですが、中田選手の現役生活を子供の存在が縮めるようなことがあれば、後々成人したお子さんの重荷になる可能性も考えられるので、心配してしまいます。中田選手のご家庭には他人にはわからない状況があるかもしれないので、大きなお世話には間違いないのですが・・・
