ミスタープロ野球長嶋茂雄の威光 ジャイアンツ中田翔を復活させた

巨人の中田翔選手がキャンプイン前にロングインタビューに応じて、長嶋終身名誉監督との関係性に言及しました。自身の不祥事からどん底を味わった中田選手が、長嶋終身名誉監督との短いながらも濃密な時間の中で復活していったことについて淡々と答えていました。

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見事な復活を遂げ人間的に成長した中田翔選手

昨シーズン調子が上がらず、2軍落ちを経験した中田選手が、ジャイアンツ球場での長嶋修身名誉監督との短い練習で、復活できたことを話してくれました。

長嶋さんの存在を「神です・・・」と短く答えた中田選手の表情は、とても幸せそうに見えたことが、素晴らしく印象的なインタビューでした。

球団の事後処理の失敗

若くして日本ハムの4番になり、実績も積んでいた中田選手が、不祥事の中で強烈なバッシングを受けることになりました。とりわけ事案処理後に短い時間の中で、ジャイアンツにトレードされ1軍復帰を果たしたことに、野球ファンの拒否反応は強く、中田選手にとってはかえって苦しい状況を増幅したと思います。

早期の復帰は中田選手が画策したはずもなく、中田選手を思う周りの人間の判断ミスによって、ファンの拒否反応を大きくしてしまったと思います。中田選手にとっては事件後にさらし者になったような気持ちさえ、あったのではないでしょうか。

そんな状況下で日本ハム在籍時より不調であった打撃は、本来の持っている力を発揮できる状況ではありませんでした。中田選手の暗く曇った表情は、本当に気の毒な状況を物語っていました。事案の詳細は明らかにはされていませんが、程度の差はあれ暴力が絡んだ事案の中で中田選手が明るい表情をできるはずもありません。とりわけ人気球団であるジャイアンツに移籍した中田選手を、”特をした”というような角度で捉える人も少なくなかったと思います。

当時から日本ハムと読売ジャイアンツの事案の処理のやり方に、個人的に疑問を持っていましたが、その後の中田選手には大きな影響があったと思います。

2022年シーズン序盤の不調

心機一転で望んだ2022年シーズンですが、いっこうに打撃は改善しませんでした。2軍では圧倒的な成績を残すものの、1軍では全く打てず、苦悩の毎日だったようです。本人が話すとおり、気持ちが腐りかかった時に降臨したのが”神”である長嶋修身名誉監督だったようです。

技術的な指導の説得力

ファンであれば良く知っていると思いますが、中田選手は長嶋終身名誉監督の指導後に指一本バットを短く持ちました。今までずっとトップクラスを走り続けていた中田選手には、全く無かった選択肢だったようです。長嶋終身名誉監督の威光と追い込まれた中田選手の精神状態の中で、新しい選択肢が素直に受け入れられるようになったのかもしれません。

その後の中田選手の打撃は、本来の豪快さを失うこと無く、しぶとい打撃も見せるようになり、ファンのみなさんが歓喜する場面をつくれる選手に戻ってきたといえます。不調になった岡本和真選手の代わりに、シーズン終盤は4番を務めることになりました。

巨人の中田翔選手の精神的な成長

日本ハム時代の中田選手はヤンチャなイメージが強かったのですが、苦しかった時を乗り越えて、本当に大人になった雰囲気が出てきました。

インタビューの中でも岡本選手を気遣うコメントなどがあり、すっかり落ち着いた雰囲気です。例えが適切ではないかもしれませんが、罪を犯したことがある人間が僧侶となって落ち着くことが外国では良くありますが、中田選手に僧侶のような落ち着きが出てきたように見えたというのは、言い過ぎでしょうか。

長嶋終身名誉監督の御威光

中田選手を短い時間の中で変えることの出来た長嶋終身名誉監督の存在は、唯一無二であることが今回の出来事で証明されたのではないかと思います。

中田選手の「神です」とコメントした幸せそうな表情の中に、長嶋さんの力の偉大さを感じてしまいました。「神です」といえる存在と過ごした時間は、これからも中田選手を支え続けるのだと思います。

2023年2月の長嶋終身名誉監督は体調の不安を抱えていらっしゃいますが、その存在は現在もとても大きく、野球ファンのみならず長嶋終身名誉監督の健康を、願っている方が多いのではないかと思います。

「神です」と言える数少ない存在は、他の言葉では言い表すことが難しいと思います。

これからの中田翔選手

”もっと純粋に野球を楽しみなさい”と教えられた中田選手は、長嶋終身名誉監督によって精神的に解き放たれ、その経験を経て大きくなり、後進の成長にも貢献しているようです。

篠塚和典さんや松井秀喜さんなど、長嶋終身名誉監督と特別な関係があった選手は、とても幸せな経験をされ、長嶋終身名誉監督との関係についての質問に特別な感情を持って答える様なシーンをよく目にします。

中田翔選手はもしかしたら特別な関係を持った最後の選手になる可能性があり、その経験はこれからの長い中田選手の野球人生を、厚みのあるものにしてくれるのではないでしょうか。

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