迷走する巨人は時代の変化に置いていかれる プロ野球の立ち位置

今も昔も日本で1番盛んなスポーツは野球です。Jリーグの発足と同時にサッカーが急速にファンを拡大しましたが、観客動員数などではまだプロ野球のほうが優勢で、プロスポーツNo.1の地位は揺らいでいません。しかし、その一方でプロ野球を取り巻く環境は、大きく変わってしまっています。

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野球はお金持ちのスポーツ

アメリカではメジャーリーガーの黒人選手の割合が、減ってきています。黒人の身体能力に優れた選手は、アメリカンフットボールやバスケットボールに流れて行ってしまっているようです。何故でしょうか?

用具が高く施設がない

ボール1つあればプレーが出来るサッカーやバスケットボールに比べて、野球は用具代がかかります。アメリカンフットボールもタッチフットボールといって、ボール1つ有れば気軽に安全に楽しめるやり方があります。また、ある程度広いグラウンドを確保できないとプレーできない野球と比べて、バスケットボールやタッチフットボールは少しのスペースでプレーできます。アメリカではちょっとしたスペースにバスケットのリングは設置されており、個人の家でも見かけることが出来ます。

つまり野球はゴルフと同じように、お金持ちのスポーツという位置づけになってしまっているのです。

人数が揃わずプレーが出来ない

野球は9人揃わないとプレーできないのに、バスケットは2on2ならば4人で出来ます。タッチフットボールも人数の融通は効きます。しかし野球の場合は最低でも10人いなければ、試合形式のプレーはできません。またある程度の広さがないと、打球が飛んでいってしまい危険です。

クラブチームでのプレーが早道

結局ある程度のプレーを求めるのであれば、野球の場合はクラブチームに所属する必要があります。日本では少年野球に入るためには、ある程度の費用や、親の協力が必要になってしまいます。こうなるとお金持ちのスポーツと言われていたゴルフよりも、練習環境を整えることは難しくなります。

プレーするスポーツから見るスポーツへ

昭和の時代は誰もが公園や神社で、野球をやったものでした。しかし今は殆どの施設で、野球は禁止されています。かつてはキャッチボールなどをする子どもたちが、道路などで見ることが出来ましたが、今は殆どみかけません。時折見かけるのは、リフティングをするサッカー少年のほうが多いようで、キャッチボールでさえ二人必要だということです。このように若い人たちには、野球をプレーした経験が極端に減っています。そうなると野球への応援の仕方も変わってきてしまいますし、見る角度も変わってきてしまうでしょう。ピッチャーの配球などがテレビの解説では主流ですが、果たして今の若い人たちには興味が湧くのでしょうか。個人的には外野で応援するよりも、できればネット裏で見ることを望みますし、TV中継のほうが外野の上の方よりも楽しめたりします。しかし、ファンの興味は世代によって、確実に違う角度になっているのではないでしょうか。

ボールパークという施設

各球団は入場者数を増やすために、野球場を“ボールパーク”に変えていきました。家族連れが野球以外でも楽しめるように、工夫がされています。寝そべって観戦できたり、グルメを意識した球場づくりをしたりするなど、各球団はかなり新たな取組をしています。本来の野球観戦と離れていってしまうようですが、新たなファンづくりのためには、かえって近道なのかもしれません。

ジャイアンツというチームの弱点

球界の盟主と言われて久しい巨人ですが、戦績を見ると、もうその座は維持できなくなってしまったようです。かつては人気も実力も日本一でしたが、ドラフト制度の導入とFA制度の機能不全によって、かつての強化戦略は全く通用しなくなってしまいました。その上資金力でもソフトバンクや楽天には勝てないようです。巨人の親会社は発行部数の減少に悩む新聞社と、視聴率の低下に襲われているテレビ局です。ソフトバンクや楽天と比べて、明るい未来が見えてきません。

激変している環境下で、巨人は自らを変えることが出来ません。成功体験が大きかったゆえのジレンマではないでしょうか。球団の親会社でさえ、新しい業態への転換ができないのに、子会社の球団が自ら変われることはないでしょう。本当はもう通用しなくなっている球団の強化戦略が、首脳陣選びが、この先も続くとしたら、巨人の立ち位置は大きく変わってしまうでしょう。

もう親会社の広告塔ではなく、球団自身が自らの強化戦略を立てるべく、自立した組織にならなければならない時期に来ているのではないでしょうか。

かつての巨人軍がドジャースに戦法を導入して球界の盟主についてように、かつて程の勢いのないNYヤンキースを尻目に、強豪で有り続けるLAドジャースの球団強化戦略をもう一度手本にするのも、一つの手かもしれません。

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