日本ハムの球団方針と選手の気持ち ドラフトとFA制度の改革が必要

日本ハムが開幕から5連敗をしています。開幕前に日本ハムは新庄監督の知名度とパフォーマンスにより、マスコミを賑わせていました。プロ野球なので目立つことは必要で、新庄監督の姿勢は称賛されています。しかしスポーツは勝負事ですので、ここからが肝心です。

日本ハムを引き受けた新庄剛志監督の目論見

新庄監督は優勝を狙わないと就任時に宣言しました。日本ハムの戦略を見ていると、できるだけ球団の収支を重視して、高年俸の選手を若手に早目に切り替える戦略は明らかです。今年ノーテンダーと称して、主力の西川・大田・秋吉の3選手を自由契約にしました。ノーテンダーと言ったからには、再契約の道が残されているのかと思いましたが、秋吉選手はNPBの球団からはオファーがなく、独立リーグでのプレーを余儀なくされています。この日本ハムの戦略は以前から、主力の高年俸選手を早めにトレードに出したり、FAでの流出を積極的には引き止めなかったりしています。これは球団としての方針で、非難されるようなことでは有りません。サッカーのクラブチームなどでは、優勝を狙わずに若手を育てて、優勝を狙えるクラブに輩出することを目指すチームも存在します。新庄監督も今年の戦力を見てとても優勝を狙えるチームではなく、再建が必要なチームであるとの見解からの発言だと思います。ある意味、就任時点での新庄監督の正直な思いが、あの発言にはあったと思います。少し斜に構えたようなコメントに聞こえましたが、実は真摯な嘘のない発言だったと言えるのではないでしょうか。

選手のモチベーションを新庄監督は上げることができるのか

監督の一番の仕事は、選手や首脳陣のモチベーションを上げることだと思います。やる気のないプレーで、入場料や視聴料を払って見てくれているファンを裏切ってはいけません。いくら球団の目標が優勝には無いとしても、無気力なプレーや手抜きのプレーを選手がすることは許されないと思います。スポーツ選手であれば、負け続けることはメンタルに響きます。いくら球団の方針だからと言っても、あまりに負けが続けば選手たちには辛いはずです。サッカーチームであれば優勝を狙うチームに入れるのは、実力を認められた選手か、極めて有望な若手選手だけである程度は理解できます。新庄監督は選手たちのモチベーションを、保つことができるのでしょうか?

選手たちの選択ができない制度

現状では日本のプロ野球はドラフト制度のため、アマチュア選手は球団を選ぶことができません。FAの制度も権利発生までの期間が長く、選手には使いづらい制度です。10年近くも優勝を目指さないというチームで負け続けることは、アマチュア選手にとっては積極的に選びたい選択肢とは思えません。

今後これだけ球団によって戦略に違いが出るのであれば、FAまでの年数を短くし、MLBの様に時期が来ればすべての選手がFAになるという制度にするべきではないでしょうか。今の日本のドラフトとFA制度は球団に有利すぎると思います。

球団方針を正面から受け止める立浪和義監督

中日ドラゴンズも新聞社を親会社に持っているためか、強化費用が潤沢ではないようです。今年は課題の長打力の不足の対策として、外国人打者の獲得が必要と思われましたが、断念しています。立浪監督も十分に球団の財政状況を理解した上での監督就任と思われますので、あえてコメントはしていませんが、巨人やソフトバンクなどと比べれば、難しい舵取りになると思います。しかし立浪監督は泣き言を言うようなコメントは発していません。ドラゴンズファン待望の新監督なので、今はファンも立浪監督を見守っている状態でしょう。個人的には立浪監督の姿勢は好感が持てるので、なんとか球団の努力で収支を改善して、親会社に頼らない十分な強化が可能になるようにしてほしいと思います。

ファンです
ファンです

ミスタードラゴンズには、泥を被ってほしくないです。特に立浪監督は他球団を羨むようなコメントは発していないようなので、ファンや球団のいっそうのサポートが必要なのかもしれません。

タイトルとURLをコピーしました