出遅れていた戸郷投手が7回1失点にヤクルトを抑えて、今季初勝利を飾りました。開幕間際に2軍落ちを経験しましたが、ストレートで押す強気の投球を取り戻して復活を期待させてくれました。
戸郷投手の投球内容
防御率 | 投球回 | 打者 | 被安打 | 本塁打 | 奪三振 | 与四球 | 与死球 | 失点 | 自責点 | 投球数 |
2.57 | 7 | 28 | 6 | 0 | 10 | 2 | 0 | 2 | 1 | 114 |
昨年後半失速してしまった戸郷投手ですが、球威と強気の投球を取り戻したようです。あまり慎重になりすぎず、村上宗隆選手に3球勝負を挑むなど、強気の投球が目立ちました。コントロールは相変わらずアバウトで勝負球のストレートが高目に行ってしまうことも有りましたが、ヤクルトの打者が空振りや打ち損じをしてくれました。春先ということでストレートの威力やスタミナが十分だったこともあるでしょうが、本来の投球スタイルを取り戻したようです。ストレートの割合は半分強で昨年とあまり変化はありませんが、あまりコーナーを丹念につくのではなく、ストレートの球威で押し込む本来の投球ができました。昨年は体力不足などからか、試合中にギアチェンジなどを試みて長いイニングを投げようとしましたが、かえって球数が増えたり、痛打を浴びたりしてしまいました。シーズンが変わって球威が戻ってきたのであれば、これが何時まで続くかが課題となるでしょう。まだまだ技巧派になる年齢ではないので、暫くは試行錯誤をしながら投球の引き出しが増やしていくと良いのかもしれません。
大勢投手の投球内容
防御率 | 投球回 | 打者 | 被安打 | 本塁打 | 奪三振 | 四球 | 死球 | 失点 | 自責点 | 投球数 | |
25日 | 0 | 1 | 6 | 2 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 27 |
26日 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 |
29日 | 0 | 1 | 4 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 |
ストレート | スライダー | フォーク | |
25日 | 21 | 1 | 5 |
26日 | 6 | 0 | 4 |
29日 | 12 | 3 | 5 |
今日も安定した投球ができました。殆どストレートやスライダーが高目に浮くことがなく、本塁打をまだ打たれていません。今日は右打者に対してスライダーを3球投げており、投球の幅も徐々に広がってきているかもしれません。左打者に対してはストレートと外角に流れて落ちるフォークの単調なコンビネーションになってしまいますが、内角にストレートを投げ込むことができれば、1イニングなら押し切ることができるのではないでしょうか。大勢投手の場合は新人ですので、疲労による球威の衰えが最大の問題点かもしれません。こればかりはいつかは乗り越えなければならない壁なので、桑田コーチがどの様に導いていくのかが興味深いところです。
やはり鍵を握りそうな桑田投手コーチの手腕
ここまでの投手起用は桑田コーチの方針とはズレたところがなく、原監督の桑田コーチに対する信頼度の高さが窺われます。シーズンが深まるにつれて疲労や故障のマネジメントが必要となります。また、調子を落としてしまっている投手達の再生も2軍のコーチと桑田コーチとの連携が重要になるでしょう。2軍には桑田コーチとは少し投球術の違う杉内俊哉コーチがいるので、違った角度で投手を見ることもでき、心強いところです。
杉内コーチの手腕にも期待
ストレートをストライクゾーンに投げることを怖がる投手は、コーナーを突く制球力がなければ通用しないのではないでしょうか。鍬原拓也投手もストレートで押し込むことができているようで、畠世周投手と対照的な結果になってしまいました。高橋優貴投手も昨年の春先はストレートの威力があったのですが、今年はまだあの頃のストレートを取り戻せていないようです。ここは杉内コーチの手腕が問われるところではないでしょうか。