坂本勇人選手の後継者が現れない巨人 チームリーダーの資質の重要性

坂本勇人選手が右膝靭帯の損傷から復帰し、チームの連敗を止めました。ショートというチームの要の守備と打線の核となる存在の復帰で、チームは明らかに活気づき、改めて坂本選手の存在感の大きさをファンは認識しました。

守備での貢献

坂本選手が離脱中に代役を務めていた中山礼都選手は、1失策を犯しましたが十分にショートの重責を守備面では果たしていたと思います。また、積極的に投手に声をかけるなど、高卒2年目とは思えない視野の広さと精神面の強さを見せてくれたと思います。ただ中山選手は高卒2年目で、存在感は坂本選手には遠く及びません。ピンチで投手に声をかける時の存在感は、較べるべくもないでしょう。特に今日の先発の赤星優志投手のように経験の浅い投手の場合、坂本選手の声がけは非常に有効な精神安定剤だと思います。また、坂本選手の復帰により、内野手全体の安定感が出てくるので、赤星投手のようにゴロを打たせて取る投手は、とても投げやすくなると思います。同じ様に坂本選手の離脱中に勝ち星を伸ばせなかった山﨑伊織投手もシュートでゴロを打たせる投手なので、次の投球がとても楽しみになってきました。

打線での存在感

坂本選手は打線の中でどこでも力を発揮できる、稀有な選手です。勝負強く脚力もあるので打順を選びませんが、復帰戦は5番に座り、4番を支えるポジションとなりました。坂本選手の前後を打つ3~6番の選手がすべてマルチヒットを打ち、坂本選手の復帰に応えたと思います。特に5回の4連打は久々の集中打で、勝負を決めました。低迷するチームを復帰戦で活気づけ、自らも猛打賞で成績を残すことが出来る精神力は素晴らしく、チームの誰もがキャプテンの存在感の大きさを改めて感じたと思います。

精神的支柱こそが後継者不在

坂本選手は33歳でベテランの域に差し掛かっており、その全盛期が長くないことはファンの誰もが認知しています。だからこそ坂本選手の後継者探しに、ファンの懸念が集中します。今回の離脱で中山礼都選手が代役として登場し、そのポテンシャルは十分に見せることができました。守りが大切なショートというポジションで、十分な守備力を見せた事。まだまだパワー不足ではありますが、そのミート力は証明され、1軍の投手相手でも、無様な三振が無かった事。中山選手が次代のショートを担うことが出来る選手だということは、証明されたのではないでしょうか。しかし、以前にも触れましたが、チームの精神的支柱という部分は中山選手にはまだまだ成れません。本来であれば他の中堅選手が担わなければならない部分で、明確な後継者が現れなかったことが、とても残念でなりません。

吉川尚輝選手の存在

内野で二遊間を坂本選手と組む吉川選手は、今年やっとセカンドのレギュラーを掴んだと言えるかもしれません。その潜在能力からは、遅すぎたと言えるかもしれませんが、怪我をしがちな体質がその時期を遅らせてきたといえます。吉川選手の指導経験がある井端弘和さんは、吉川選手は運動能力が高すぎて、体をコントロールしきれていないとコメントしています。漸く安定した守備力を今年は発揮していますので、チームリーダーとなって欲しい存在ですが、まだ時間がかかるかもしれません。

本当はリーダーになって欲しい岡本和真選手

4番をずっと張り続けている岡本選手ですが、チーム内からは岡本選手をかばう発言が多く出ます。ファンから見ればもう主力となってから坂本選手の次にキャリアが有り、年齢も25歳と中堅選手になっていることから、チームリーダーにふさわしい実績があります。しかし、精神的支柱になるような気配はあまり見えません。投手に対する声がけも余り目立つようなことはなく、かえって中山選手が目立つ様になっています。ライバルのヤクルト村上選手の精神的成熟度に、遅れを取っているようにみえるのはジャイアンツファンとしては残念なところです。今年25歳になった岡本選手ですが、坂本選手が戦後最年少の26歳でキャプテンに就任していることから、今オフにはキャプテンへの就任が要請されるかもしれません。

出てきてほしい精神的支柱

以前小久保裕紀選手がキャプテンを務めたことがありますが、小久保選手以外はすべて生え抜きの選手、しかも常時出場できる野手が選ばれることが慣例になっています。順調に行けば吉川選手か岡本選手への引き継ぎが、今季オフに行われると思います。もし引き継ぎが行われないとするならば、候補の選手の精神的成熟度が追いつかなかったと言わざるを得ず、それはチーム力に大きく響くと言えるでしょう。

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