アマチュア時代に類まれな成績を残した人は、ドラフト1位という称号をもらって、プロの世界に飛び込んできます。1年目からプロ入り前の評価そのままに、一気にスターダムにのし上がる選手がいる一方で、プロの壁に跳ね返されてしまうドラフト1位も存在します。そのプロの壁にぶち当たったドラフト1位でも、その壁を打ち破って活躍できる選手と、そのまま迷走して早期に引退してしまう選手にわかれてしまいます。素質は誰もが認めるところでもあり、ある意味努力の天才だった選手たちですが、どこで行末が大きく変わってしまうのでしょうか?
安定の定額制のインドアゴルフスクール ステップゴルフ自己分析ができない選手たち
一番の問題は客観的に自分のいる位置が、把握できない選手がいることだと思います。そういう選手は活躍が難しいと思います。自分の素養や技術、体力などを分析して、自分の行く道が判断できない選手は、無駄な努力を続けることになります。高校時代はホームランを量産して、プロに入団したドラフト1位でも、プロに入団して練習を先輩方とした時に、”長打力では勝負できない。”と判断したかつてのドラフト1位の選手の経験談は少なくありません。高校や大学では同学年の中での競争ですが、プロでは何世代にもわたってのサバイバルで、世代間格差を実感する選手も少なくないでしょう。一般社会でもある特定の年代は優秀な人材が集中し、ある特定の年代は人材が不足して競争が産まれないので、社内で〇〇年入社は出世すると言うことが現実に起こり得ます。つまり同じドラフト1位でも格差があるということで、同じ年代に強烈な怪物が現れれば、その世代の全体のレベルが上がるということになります。
ドラフト1位で入団しても、その年に本当の意味でのドラフト1位が何人いるかは、結果を見なければわからないでしょう。
ドラフト1位でも実力が伴わない選手
ドラフト1位の投手が、必ず本格派のローテーション投手になれる素材とはいえません。ドラフト1位の野手が必ずクリーンナップを打てるわけでもありません。こういった選手たちは、冷静な自己分析によって、適切な判断をしないと、いつまでも無駄な努力を続けてしまうことになります。”努力が過大評価され、判断が過小評価される。”という事実にたどり着くまでに、プロ野球選手はあまりにも寿命が短すぎます。
いつまでも速球派でいたい投手たち
アマチュアで最速150kmを計測して、速球派で鳴らした投手は、その称号を捨てることが難しいようです。そういった投手たちが、”僕の武器はストレートですから。”というコメントをするのを聞いていると、まだそんな事をいっているのかと感じてしまいます。高校生で150kmを投げて空振りを取れていたものが、プロに入って痛打される現実を受け止められず、更にトレーニングをして球速アップを目指すという記事を見るたびに、選手寿命が短いのに間に合うのかと疑問が生じます。まずは長くても2年先を見つめて、結果を出す方向性を見出さなければいけないのに、球速アップで課題が解決できるという判断に疑問が生じないのかと思います。ドラフト1位まで勝ち取ったかつての成功体験が捨てられず、そのまま引退していった投手や、判断を間違っていたことに気がつくのが遅れて、戦力外になってしまった投手は、決して少なくないと推測します。
コーチの重要性
かつてのようにコーチの言うことは、絶対ではなくなりました。コーチングが難しいのはプロ野球も一般社会も同じでしょう。むしろ一般社会のほうが、コーチングに関する難しさは上かもしれません。そんな環境下では自らを正しく相対評価で自己分析できる選手と、自分を信じて疑わない絶対評価の選手では、大きく違いが出てきてしまうでしょう。アニメやドラマを見ていると、スポーツ選手もサラリーマンも自分を信じて努力して報われるパターンが多いですが、実社会では自分を冷静に分析して方向転換できる要領の良い人が成功します。高校や大学では基本的な努力を愚直に続けることで同世代では報われるとが多いと思いますが、実社会では成功者たちの集まりの中で競争が行われます。スポーツ選手でもサラリーマンでも基本に忠実で地道な努力で報われるのは、一部のフィジカルモンスターと天才だけだと思います。サラリーマンの場合は成功と失敗を繰り返しながら、自己分析を繰り返す時間がありますが、スポーツ選手はそれほどの時間的余裕がありません。だからコーチの存在がより重要になると思うのです。明らかに方向性が間違っている選手に対して、正しい方向に導くのは易しいことではないでしょう。しかし、現代にあったコーチングは必ずあるはずです。最近は動作解析なども進んで、客観的なデータも豊富に出ています。コーチ個人の意見ではなく、複数のコーチによるデータ分析で選手を組織的に説得するなどしなくては、選手の育成は難しいのではないでしょうか?特に今は情報が溢れています。玉石混交の情報の取捨選択を正しくできる選手は、本当に少ないと思います。コーチと選手の1対1の関係は、これからは難しいのではないでしょうか?
やりたいことよりも、やらなければならないこと
人間は得意なことをやりたくなり、不得意なことを避けたくなります。スポーツ選手は自分の長所を伸ばしたくなり、サラリーマンは得意な仕事のみを行いがちです。営業が得意な人は事務仕事を軽く見る。事務能力に長けて人付き合いが苦手な人は、接待を馬鹿にするといったところでしょうか。投手もスピードを上げることに努力する人はコントロールを疎かにしがちです。スピードを上げるためのトレーニングは爽快感がありますが、コントロールを良くするための地道な作業は、方向性の判断が必要で、一種の頭脳労働です。アマチュアで成功したときには、フィジカル強化が手っ取り早かったので、そういった選手はどうしてもプロでもフィジカルを求めるでしょう。
スピードよりもコントロール
今ではレジェンドとなった江川卓さんや佐々木主浩さんは、三振の取れる速球派で有名ですが、コントロールが抜群に良かったことはあまり知られてはいません。ジャイアンツの桑田二軍監督が投手はコントロールが大切と何度も言っているのに、コントロールを磨きますとコメントする投手はほとんど聞きません。150kmを投げるよりも抜群のコントロールを身につける方が、遥かに難易度が高いので、そうなるのでしょう。コントロールを身につけるための方法論はまだ確立されていないので、自分で考えなくてはならず、ある意味頭脳が必要なのではないでしょうか。
坂本勇人選手の一言
プロでも考えていない選手が多いとコメントした坂本勇人選手の一言は、とても重いと思います。なぜならば一般社会でも、どう努力したら良いか分からず、足元を見つめて今までの努力を続ける人がほとんどだからです。考えることは本当に大切ですね。