阪神に敗れてついに7連敗。優勝の可能性が数字上もなくなり、残り8試合は実質的に消化ゲームとなった。4位広島とは5ゲーム差となり、逆転の可能性が残されている。貯金はついに1となり、借金生活も見えてきた。
新聞紙上では他球団の監督の退任の報道がされているが、巨人の大本営の報知新聞からは原監督の辞任の発表はされていない。
原監督辞任の報道がない理由
ここまで成績が悪化し、退任を求める声がネット上などで上がっているのに、原監督の進退が発表されないのは何故なのだろうか。
原監督に続投の意志がある場合
3年契約の最終年で契約延長ならば、既に発表されているだろう。ここまでの功労者の原監督を解任という形で終わらせるわけにはいかないという、球団内の配慮もあるかもしれない。過去2年は日本シリーズで敗れたとはいえ、ペナントを制している。昨年歴代勝利数のセレモニーまで行ったのに、原監督の意思に反して解任することはありえない。続投の可能性は高い。
原監督に続投の意志がない場合 後任監督の問題
日本シリーズ制覇の可能性が残っている中で、解任の発表はあまり考えられない。優勝争いをしているヤクルトや阪神、パ・リーグの上位３球団も同じ理由だと考える。そのため、勇退という形での発表はあるかもしれないが、解任という雰囲気にはしたくないという球団の配慮もあるだろう。発表の場合は以前から行われているように、次の監督への禅譲という形で発表をしたいという球団の思惑が見えるような気がする。
そして一番の問題は、後任監督が決まらないということではないだろうか。
決して誰も引受け手がいないと言うわけではない。依頼すれば引き受ける人材はいくらでもいると思う。しかし巨人の場合は、付帯条件がかなり厳しい。今までの歴代の監督をみていると、生え抜きであること、メジャーリーグも含めて他球団への移籍歴が無いこと。投手であればエース級、野手であればクリーナップを長く務めた経験があることが条件となる。ここまでで、かなり人材が絞られてしまう。現状では高橋由伸前監督と、阿部慎之助前二軍監督が最有力となるのは、周知の事実だろう。
ボロボロの状況での禅譲
前回原監督が辞任した際に引き継いだ高橋由伸前監督は、若手の台頭もない中で現役引退を受け入れ、スタッフの人選も出来ない中で就任した。今回原監督が辞任した場合、前回同様若手の台頭が松原聖弥選手以外は見られない状況で、批判が起こるのは必至だ。原監督は球団幹部として残る可能性が有り、無責任な引き継ぎをしたくない気持ちがあることは間違いなくあるだろう。原監督が次期監督を思いやって続投の理由とすることは、十分に考えられる。
侍ジャパンの監督
正式報道が有るわけではないが、次期侍ジャパンの監督候補に原監督と高橋由伸監督は上っている。侍ジャパンの稲葉監督の勇退が既に発表されているのに、後任の発表がないのは現役監督がその後任だからではないかという可能性がでてくる。原監督がもし侍ジャパンを引き受ける場合は、全日程が終了してからではないと筋が通らない。
高橋由伸前監督が侍ジャパンの監督を引き受けるのであれば、すでに発表されている可能性が高い。巨人の後任監督と侍ジャパンの監督を天秤にかけるようなことは無いと思われるので、高橋由伸前監督が侍ジャパンの監督を引き受けることはないのではないかと予想する。
何故巨人は失速したのか 原全権監督の憂鬱 来季の続投は有るのか
現状の分析
日本シリーズ制覇の可能性が無くなるまでは、辞任の発表はないと思われる。しかし各チームの組閣は既に始まっており、監督交代の場合はスタッフの確保が遅れる場合が考えられる。特に高橋由伸前監督が再登板する場合には、今度こそ自前のスタッフで采配したいという思いは強いだろう。井端弘和さんをヘッド格などで招集する意向があっても、立浪和義新監督に抑えられてしまう可能性があり、出遅れてしまう。
水面下で動いても情報は漏れる可能性が多い。例えば中日が井端さんを誘った際に断れば、何処からかオファーがあったと疑われるだろう。報知新聞という大本営の発表機関を抱えている巨人はそれは許されないだろう。
阿部前二軍監督が就任する場合は、現行のスタッフをかなりの部分で引き継ぐかもしれない。その場合は情報漏れが発生する可能性は少なく、球団としては理想的だ。若手の台頭の部分も阿部前二軍監督は責任の一端を担っており、原監督も禅譲しやすいのではないだろうか。
引き止める声は盛り上がるのか？
西武の辻監督は辞任の意向を固めたようだが、球団は引き止めに努力するとの報道が出た。ネットの反応などを見ていると、続投に好意的なファンの意見が多い。ファンあってのプロ野球などと各球団、選手は口にするが、本当にファンを大切に出来ている球団は何処なのだろうか。最近のファンはマスコミの大本営発表を、鵜呑みにすることは少ない。
最近のファンはマスコミの大本営発表を、鵜呑みにすることは少ないですね。
