巨人の若手投手陣の成長は桑田コーチの指導次第 手腕に賭けた原監督

昨年投手陣が崩壊し、終盤に失速してしまったジャイアンツ。今年は投手チーフコーチが宮本和知さんから桑田真澄さんに変わって立て直しが出来るのでしょうか。

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対照的なコメントだった宮本コーチと桑田コーチ

2018年に第三次原体制が始まった時に、チーフコーチに就任した宮本さんは全投手に球速3kmアップを指令しました。その結果が不十分であったことは、ある意味昨年の成績で証明された形になってしまいました。

対照的に桑田コーチはコントロールの向上を課題として、新体制をスタートさせています。

桑田レーンと呼ばれている、1~2m短くしたブルペンを導入して、制球力のアップに取り組んでいます。桑田コーチの現役時代は決して球威が無かったわけではありませんが、それよりもコントロールの重要性に重きを置いている現状です。

外角低めを徹底した桑田コーチ

桑田コーチはとにかく外角低めの制球力を、基本としていたとコメントしています。外角低めに何時でも投げられることがピッチングの基本であるとして、今回の桑田レーンの導入も一貫性があります。現役時代の抜群の制球力で勝ち星を重ねた桑田コーチの考えは、当然説得力があります。

杉内俊哉投手コーチはライン重視

桑田コーチの外角低めを兎に角極める考えと、対照的な考え方を示したのは杉内投手コーチでした。外角低めの制球力を強調する桑田コーチのテレビ番組のVTRに対して、スタジオの杉内コーチはいつも外角低めに投げることは難しいとコメントしていました。杉内コーチはコーナーを攻めるのではなく、外角や内角のラインをとって、そこを外さないように投げ込む攻め方をその番組で強調していました。この時点では桑田コーチと杉内コーチの育成方針には差があるように感じられました。

意外に柔軟性がある桑田チーフコーチ

2022年のキャンプでは投手によって違った育成のアプローチをとっていることを、明らかにしています。球威よりもキレで勝負するタイプの高橋優貴投手には、コーナーを突くことの出来るコントロールを求めて、桑田レーンを経験させているようです。

しかし対照的に球威がある戸郷翔征投手には、150kmを超える球威があるのでコーナーを突く投球は不要であるとコメントしました。そしてテレビ番組内で杉内コーチがコメントしていたライン取りによるピッチングを、戸郷翔征投手には適切であるとしたのです。

現役時代の桑田コーチは野球に対しては求導師のようで、自身の考え方を貫くタイプのように見えていましたが、戸郷投手に対するコメントを見ていると、選手にあった指導法も柔軟に取り入れていけるコーチのようです。

PL学園から読売巨人軍と野球エリートの道を進んできた桑田コーチですが、東京大学や独立リーグでのコーチ経験や、大学での学業等の経験から幅広い考え方を獲得したのかもしれません。頑固な求道者は現役時代までで、コーチとしては現代に合わせた柔軟なコーチングが出来る名コーチになるのかもしれません。

原監督の全幅の信頼

キャンプイン後に原監督が開幕投手の決定について、“桑田投手コーチに一任している”とのコメントをして周囲を驚かせました。毎年開幕投手については原監督が大きく関与していると思われていまいしたが、今年は桑田コーチに任せたようです。毎年菅野智之投手が当たり前のように指名されてきた最近ですが、今年はそれも未だ含みを持たせています。落合中日監督が森投手コーチに投手起用に関してはほとんど一任していた様ですが、今年のジャイアンツもそこに近づくかもしれません。

原監督は全権監督として、その責任範囲が年々広くなっています。指導者の育成も原監督の目標の中に含まれており、桑田投手コーチは原監督のお眼鏡にかなっている現状の現れかもしれません。

今年のジャイアンツ投手陣の成長に期待

ここまでのジャイアンツ投手陣に関する情報を整理すると、手術明けの投手やドラフトでの有望株を桑田投手コーチが育成することによって、大きく成長するきっかけを掴むことが出来るのではないかと、期待が膨らみます。

原監督と桑田投手コーチが尊敬する藤田元司監督時代以来の投手王国の再建に、ジャイアンツファンの期待は篤くなりますね。

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