阿部監督就任で変わった巨人の体質 リリーフの評価が上昇 球団改革

阿部監督がジャイアンツの監督に就任して、いろいろと変化が現れています。守備力を全面に押し出した方針を掲げた阿部監督ですが、契約更改にもそれが反映されてきました。年俸はプロ野球選手に対する評価ですので、一番大切だと言い切ってもいいでしょう。その年俸にリリーフ投手の評価が、大きく反映された更改が続いています。ジャイアンツは、投手力を、特にリリーフ投手の評価を見直したジャイアンツ投手陣は、今後大きく変わっていく可能性があります。

翁田大勢投手の評価

ルーキーでクローザーを務め大活躍をした大勢投手は、侍ジャパンに選出されWBCの優勝にも貢献しました。しかしその反動からか、シーズン序盤に故障を発症してしまい、27試合14セーブに終わってしまいました。2年目の年俸は5700万円で従来であれば減俸が予想されていましたが、微減の100万円ダウンで更改を終えました。

この更改を終えての報道は、リリーフ陣の評価が高くなったと伝えています。個人的なことを言うと、今年の大勢投手の故障は明らかに昨シーズンの疲労と、WBCのための急仕上げの調整が影響しており、ルーキーの初年度のオフにしては非常に負担が大きかったと思います。できれば現状維持、もしくは微増でも良いと考えますが、まだまだジャイアンツの考えはそこまでは至っていないようです。ただ、報道によると”見栄えの悪い成績でも投げた分やブルペンで肩を作った分をしっかり評価”しているようで、今までのジャイアンツにはなかったことのようです。

登板数を増やした9人が昇給

優勝を逃し厳しい評価が続く中で、リリーフ投手陣は高評価が続いています。高年俸の高梨雄平投手や中川皓太投手なども増額を勝ち取り、ルーキーの田中千晴投手や船迫太雅投手も大幅な増額でした。優勝を逃した年は評価されにくい中継ぎ投手が、正当に評価されようとしている傾向が明らかであり、ジャイアンツのリリーフ陣の士気が上がっていることは間違いないでしょう。選手生命が短く過酷な役割のイメージが強いブルペン陣に、高評価が続くことはチームの改革が続いていることの現れと言っていいでしょう。

球団改革が始まったジャイアンツ

阿部監督が就任したことによってすべてが変わったわけではありませんが、潮目が変わったことは事実です。2年連続Bクラスで低迷が続くジャイアンツに、明らかに違う風が吹いてきました。原監督の下で4年間指導者として働いていた阿部監督は、じっくりと自分の目指すべき野球を練り上げてきたのだと思います。原監督の良いところも悪いところも見てきた阿部監督だからこそ、これだけ素早い改革が可能なのだと思います。

組織力が発揮されるジャイアンツ

やはり組織が長期政権になると、悪い面が澱のように溜まっていくことはプロ野球でも同じことでしょう。所詮はどんな組織も人の集まりです。山口オーナー以下の球団フロントは、今までは経験豊富で功労者でも有る原監督に遠慮する部分があったと思います。しかし、球団フロントも原政権下での良い面も悪い面も、十分に認識できているのでしょう。今回のリリーフ陣の評価も、あらかじめ用意していなければ簡単には出来ないはずです。守りを全面に押し出すと就任早々に言い切った阿部監督と、リリーフ陣の評価を変えたフロントは、同じ方向に向かっていることが見て取れます。新政権の船出としては、非常に良い状態ではないでしょうか。巨大な組織を持っているジャイアンツですが、今ひとつその組織力が活かされているという印象が薄かったと思います。それは良くも悪くも原監督の圧倒的な実績と経験に、周りの人間が力を発揮できなかった構図があったのではないかと、邪推してしまいます。しかし阿部監督になり、組織で戦う姿勢が鮮明になり、ジャイアンツの一番の強みである組織力が発揮できるようになってきたのではないかと思います。

若手の台頭が次の課題

組織力が発揮された次に問題になるのは、若手の育成です。しかも大切なのはこのオフの間の自主練習だと思います。来年の新人もこのオフの間にどれだけ力を蓄えることができるかが、来年のキャンプスタートに大きく影響することは間違いないでしょう。特に今年は即戦力ドラフトを行ったので、このオフにのんびりしているような新人はいないはずです。この状況で、若手や新人に対して適切な練習環境や練習メニューを球団は提供できるかが問題になると思います。まさかベテランと同じ様に自主性に任せるようなことはないと思いますが、どうなんでしょうか?他チームの選手との自主練習もいい経験にはなると思いますが、効果の程はわかりません。その選手にあった練習がオーダーメイドされているとは考えにくく、ある程度の練習メニューは首脳陣によって作成されているべきだと思いますが、どうでしょうか?やるやらないは選手の勝手ですが、考える力が足りない選手も一定数はいるので、オーダーメイドの練習ガイドラインは、渡す必要があるのではと思います。

坂本勇人選手がプロでも考えないでプレーしてる人は多いと言った言葉は、とても重いと思います。

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