戸郷投手が1400万円アップの、推定年俸4000万円で契約を更改した。高卒4年目の年俸としては夢のような数字だが、それでも不公平感は否めない。
4K放送スタート!大迫力の映像サービス!【J:COM(ジェイコム)】戸郷投手の成績
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
身長/体重 | 187cm/78kg |
生年月日 | 2000年4月4日 |
経歴 | 聖心ウルスラ学園高 |
ドラフト | 2018年ドラフト6位 |
戸郷投手は2018年のドラフト6位入団で、今年はプロ入り3年目だった。2019年はわずか1勝に終わったが、入団2年目の2020年に9勝を挙げて優勝に貢献した。防御率は2.76で投球回数も107イニングを超えて、期待以上の成績を挙げている。
年度 | 登板 | 先発 | 完投 | 完封 | 無四球 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | ホールド | 勝率 | 打者 | 投球回 | 被安打 | 被本塁打 | 与四球 | 敬遠 | 夜死球 | 奪三振 | 暴投 | ボーク | 失点 | 自責点 | 防御率 | WHIP |
2019 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 34 | 8.2 | 6 | 1 | 3 | 0 | 1 | 11 | 0 | 0 | 2 | 2 | 2.08 | 1.13 |
2020 | 19 | 18 | 0 | 0 | 0 | 9 | 6 | 0 | 0 | 0.6 | 446 | 107.2 | 87 | 12 | 42 | 0 | 6 | 106 | 1 | 0 | 33 | 33 | 2.76 | 1.2 |
2021 | 26 | 26 | 1 | 0 | 0 | 9 | 8 | 0 | 0 | 0.529 | 639 | 151.2 | 130 | 19 | 58 | 2 | 6 | 138 | 3 | 0 | 75 | 72 | 4.27 | 1.24 |
通算 | 47 | 45 | 1 | 0 | 0 | 19 | 14 | 0 | 2 | 0.576 | 1119 | 268 | 223 | 32 | 103 | 2 | 13 | 255 | 4 | 0 | 110 | 107 | 3.59 | 1.22 |
2021年も9勝を挙げたのは高卒3年目としては立派な数字で、防御率は4.27と少し落としたが、投球回は151イニングを超えて、先発も26回とローテーションを1年間守ったと言える。
年俸は3年目に1950万円アップの2600万円になっているが、少し少なすぎないだろうか。
年度 | 推定年俸 | 差額 |
2019 | 500 | 0 |
2020 | 650 | 150 |
2021 | 2600 | 1950 |
2022 | 4000 | 1400 |
戸郷投手は2年目に19登板、18先発をしており、規定投球回数には届かなかったが、107イニングを投げている。登録日数は確認していないが、ほぼ1年を1軍で過ごしていたと言っていいだろう。150日以上を登録されているとすると、1軍最低年俸は1600万円となる。戸郷投手は昨年9勝を挙げて、650万円から1950万円アップとなっているが、ベースの年俸が1600万円としなければならないのではないだろうか。
奥川恭伸投手との比較
ポジション | 投手 |
投打 | 右投右打 |
身長/体重 | 184cm/82kg |
生年月日 | 2001年4月16日 |
経歴 | 星稜高 |
ドラフト | 2019年ドラフト1位 |
年度 | 登板 | 先発 | 完投 | 完封 | 無四球 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | ホールド | 勝率 | 打者 | 投球回 | 被安打 | 被本塁打 | 与四球 | 敬遠 | 夜死球 | 奪三振 | 暴投 | ボーク | 失点 | 自責点 | 防御率 | WHIP |
2020 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 15 | 2 | 9 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 5 | 5 | 22.5 | 4.5 |
2021 | 18 | 18 | 0 | 0 | 0 | 9 | 4 | 0 | 0 | 0.692 | 413 | 105 | 99 | 11 | 10 | 0 | 2 | 91 | 3 | 1 | 38 | 38 | 3.26 | 1.06 |
通算 | 19 | 19 | 0 | 0 | 0 | 9 | 5 | 0 | 0 | 0.643 | 428 | 107 | 108 | 12 | 10 | 0 | 2 | 93 | 3 | 1 | 43 | 43 | 3.62 | 1.1 |
奥川投手は2019年のドラフト1位で、1年目から年俸は1600万円のようだ。報道によると2年目は現状維持の1600万円だったが、今年9勝を挙げて優勝に貢献し、2000万円アップの3600万円に2022年はなるらしい。奥川投手の2年目の成績は戸郷投手の2年目の成績と酷似している。
年度 | 推定年俸 | 差額 |
2020 | 1600 | 0 |
2021 | 1600 | 0 |
2022 | 3600 | 2000 |
投球回数は殆ど同じで、先発回数も同じ18回だ。防御率は奥川投手は3.26で戸郷投手のほうが2.76で勝っている。しかし3年目の年俸は奥川投手が3600万円で、戸郷投手の3年目の年俸より1000万円も多い。通算19勝を挙げている戸郷投手の4年目の年俸が4000万円なのに対し、通算9勝の3年目の奥川投手が3600万円なのは整合性が取れているとはいえないのではないだろうか。同じ高卒の選手でドラフト順位の差によってこれほど差がつくのは、同一労働同一賃金が論議の対象となっている一般社会とのズレがとても大きいと思う。少なくとも戸郷投手の3年目の年俸を決める時に、1軍最低年俸の1600万円をベースに、査定を始めてほしいものだ。
若く実績もない選手の悲哀
一般社会では正規社員と非正規社員の格差が問題となっている。戸郷投手と奥川投手の場合はドラフト順位の差だけで、正規社員と非正規社員ほどの差は考えられない。
球団は下位指名に難色を示す選手に、入団後は実力の世界だと伝えているだろう。中には上位指名並みの条件を下位指名の選手に、提示する場合もあるかもしれない。しかし、あまり強硬に主張すると、その後の球団との関係に悪影響がある場合もあるだろう。選手はそういう事を恐れて、正しい主張を出来ないケースがあるだろう。新人選手にそこまでの主張を求めるのは非常に難しい。
誰のための選手会か
選手会はもっと若い選手や、立場の弱い選手たちの立場を守る活動をしてほしい。選手会幹部になる人達は、スター選手ばかりなので弱い立場の実績のない選手たちに、目が届いていないのではないだろうか。FA等の一部のための選手の権利ばかりを主張するのではなく、若く実績もない選手たちの弱い立場を守る視線も大切ではないだろうか。
日本ハムのノーテンダーや、巨人の大量育成落ちなどルールの不足分について、直ちに要望を出せるような選手会であってほしいと思う。
夢を叶えてプロ野球に飛び込んでくる若者たちを、先輩選手たちは守ってあげてほしいですね。