プロ野球のファン拡大のため コアなファンだけを見ていたら人気凋落

プロ野球の人気低下が指摘されています。かつては地上波の稼ぎ頭でしたが、令和の時代は地上波では、殆見ることができません。ただこれは野球だけに限ったことではなく、スポーツ中継がそもそも少なくなっています。

プロレスもサッカーも地上波無し

かつてプロレスは、ゴールデンタイムに週3回の放送がありました。ジャイアント馬場の全日本プロレス、アントニオ猪木の新日本プロレス、ラッシャー木村の国際プロレスと、3団体がそれぞれのファンを獲得していました。当時の小学生は、休み時間にコブラツイストや卍固めを掛け合うなど、人気は相当なものでした。

サッカーもJリーグによって人気が盛り上がるかと思われましたが、地上波での放送は殆見ることがありません。それぞれのローカルのチームが一定の人気を保って運営されていますが、全国区のチームは無くなってしまいました。Jリーグが始まる前は、日産対読売クラブなど注目のライバル対戦がありましたが、チームが多くなったために人気が希釈されてしまった気がします。

今もプロレスやサッカーは一定の人気が保たれたスポーツコンテンツですが、一部の熱心なファンの物になりつつあります。

にわかファンを軽視してはいけない

スポーツのファンであれば、そのスポーツが人気を博することは喜ぶべきだと思います。全く注目されないスポーツが、資金難などで競技自体を行うことすら難しいのに、サッカーや野球は固定ファンが存在し、プロリーグもあるなど恵まれた環境にあります。

ワールドカップやWBCなどで所謂にわかファンが多く出てきたと思いますが、何処かにわかファン自体を自虐的に称することが多く、違和感を感じます。

テレビのコメンテーターなどが「私はにわかファンなので・・・。」と自嘲気味に話すことがありますが、ファン拡大のためにわかファンはとても重要で、にわかファンをコアなファンに取り込む事が、継続的にできなければ人気は低下してしまうことは間違いありません。

プロ野球ファンの減少

日本では間違いなく人気No.1の野球ですが、人気に陰りがあることも事実です。WBCで一時的に盛り上がりましたが、プロ野球を取り巻く環境は決して良好ではありません。かつては多くのファンが軟式野球やソフトボールなどで野球に親しみましたが、今はほとんどの人が野球をプレーした経験がないでしょう。公園や神社、河原などでは安全のため、野球が禁止されているところが殆どです。かつては道で親子や兄弟がキャッチボールをしていましたが、今は見ることは稀です。プレーした人が少なくなれば、プロ野球の人気に陰りが出るのは当然のことでしょう。

ファンを大切にすることの意義

プロ野球のファンには贔屓の球団の不甲斐なさや、運営方針の方向性に疑問を持ち、ファンを離れる人が一定数います。ある程度の離脱は仕方がありませんが、あまりに多いようでは球団も考え直さなければなりません。ファンあってのプロ野球という呪文はいたるところで聞きますが、本当にファンの声を拾うつもりがあるのか疑わしい球団もあります。

ファンの中には「もうファンをやめようと思う。」というコメントに、「そんなファンはいらない。」、「本当のファンなら、そんな事は言わない。」などというコメントが良く見られます。しかし、球団からすれば、コアなファンだけを大切にしていれば、人気は凋落していきます。ライトなファンを取り込み、いつかコアなファンに育てなければ、人気の低下は避けられないでしょう。

コアなファンというのは球団にとってはありがたいものですが、コアなファンばかりを大切にしてライトなファンをおろそかにすれば、純化されてしまいライトなファンや新規のファンは参入しにくくなります。

これは政党などもそうですが、主義主張が純化されて先鋭化していくと、広い支持を取り付けることが難しくなり、政党自体が小さくなっていってしまいます。自民党が良いとは思えませんが、コンサバティブからリベラルまでウイングが広いので、今の党勢になっているのだと思います。自民党と差別化しようとすると、先鋭化する方向に行ってしまうので、野党の弱体化が進んでいるというのが、実態ではないでしょうか。

プロ野球と政治を同じ目線で見ることに無理があるかもしれませんが、少なくとも色々なレベルのファンを幅広く持つことは、持続的なファンを維持するためには必要な施策だと思います。

にわかと言わせないファンの支持

にわかの対極にはコアなファンが存在すると思います。何故かコアなファンは、にわかファンを下に見がちです。知識量の差などからその傾向は出てくるのだとは思いますが、その知識の少なさを指摘して排除するような動きは避けていただきたいものです。マイナーなスポーツにはそのような事はほぼ皆無だと思いますが、野球やサッカーにはそういった感覚があるのは事実だと思います。

にわかと言わずライトなファンが、十分に楽しめるような環境をプロスポーツは常に構築していく必要があると思います。

コアなファンも新規のファンを、大切にしてほしいですね。

意見が合わないファンも、ライバルチームのファンも、同じスポーツのファンとして、お互いにリスペクトしてほしいものです。

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