ジャイアンツの勝ち頭、高橋優貴投手が1680万円増の3600万円(推定)で契約更改をした。
これまで入団以来の2年間は通算で6勝と、ドラフト1位の真価を発揮できていなかった。
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
身長/体重 | 178cm/82kg |
生年月日 | 1997年2月1日 |
経歴 | 東海大菅生高 – 八戸学院大 |
ドラフト | 2018年ドラフト1位 |
しかし今年は11勝を挙げて大きく評価を上げた。特に4月は5勝を挙げ、7月までに9勝を挙げるなど、ジャイアンツの前半戦への貢献はとても大きかった。しかし8月以降は2勝に終わり、課題も残った1年間だった。
年度 | 登板 | 勝利 | 敗北 | セーブ | H | HP | 完投 | 完封勝 | 無四球 | 勝率 | 打者 | 投球回 | 安打 | 本塁打 | 四球 | 死球 | 三振 | 暴投 | ボーク | 失点 | 自責点 | 防御率 |
2019 | 18 | 5 | 7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.417 | 395 | 93 | 70 | 14 | 48 | 5 | 89 | 1 | 0 | 34 | 33 | 3.19 |
2020 | 8 | 1 | 3 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0.25 | 101 | 23 | 22 | 2 | 12 | 0 | 23 | 3 | 0 | 12 | 11 | 4.30 |
2021 | 27 | 11 | 9 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.55 | 598 | 140.2 | 125 | 18 | 61 | 2 | 76 | 2 | 0 | 57 | 53 | 3.39 |
通算 | 53 | 17 | 19 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0.472 | 1094 | 256.2 | 217 | 34 | 121 | 7 | 188 | 6 | 0 | 103 | 97 | 3.40 |
終盤の失速
初めてローテーションで回り続けた1年で、後半戦の失速はある程度は理解できる。中5日のローテーションに慣れなかったことも原因があるかもしれない。来年も中5日が導入されるようなので、準備は怠らないでほしい。首脳陣の要求に応えるための体力強化は当然必要で、オフの体力強化は必須だろう。問題は他球団の研究が進んだために対策が徹底されて、終盤の不振の原因となっていた場合は、来年は苦戦を免れない。今年は右打者の内角を突くストレートの信頼度が増して、決め球のスクリューの効果があったようだが、来年はもう一つ速球のランクを上げないと、難しい局面が続くと思われる。
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打者 | 被打率 | 被打数 | 被安打 | 被本塁打 | 奪三振 | 与四球 | 与死球 |
右打者 | 0.224 | 272 | 61 | 12 | 44 | 45 | 0 |
左打者 | 0.258 | 248 | 64 | 6 | 32 | 16 | 2 |
右打者は打率.224で抑えているが、左打者には.258を打たれている。高橋投手はコントロールが纏まっているので、デッドボールが右打者には0、左打者には2を与えている。高橋投手も多分理解しているだろうが、左打者にスクリューを投げられないことが課題なのではないだろうか。スクリューはコントロールが難しく、大きく左打者側に抜けるケースが多い。そのため左打者に対して内角を攻めるボールが少ないので、左打者に踏み込まれていると思われる。左打者の内角ストレートで空振りを取れるほどの威力がないので、ツーシームのような球種が1つ増えると、左打者対策になるのではないだろうか。もちろんストレートの威力をまして、空振りを取れるようになれば、外のスライダーでも空振りを取れるようになると思うのだが、どちらの方向で強化を試みるのかが注目される。
得点圏打率
条件 | 打率 | 打席 | 打数 | 安打 | 2塁 | 3塁 | 本塁 | 三振 | 四球 | 死球 | 犠打 | 犠飛 | 出塁率 |
得点圏 | 0.127 | 143 | 118 | 15 | 2 | 1 | 1 | 22 | 18 | 0 | 3 | 4 | 0.23 |
無し | 0.263 | 340 | 304 | 80 | 19 | 2 | 10 | 41 | 34 | 2 | 0 | 0 | 0.341 |
1塁 | 0.306 | 115 | 98 | 30 | 3 | 0 | 7 | 13 | 9 | 0 | 8 | 0 | 0.364 |
高橋投手はランナーを背負ってからの粘りの投球が、持ち味の投手だ。被打率.127は秀逸で、本塁打も1本打たれたのみで、非常にピンチに強い投手だ。しかし逆にランナーなしや1塁では被打率が上がってしまう。特にランナー1塁ではランナーが気にかかるのか、被打率が.306に跳ね上がってしまう。またランナー無しではフォアボールが1割有る。さらに、被本塁打は18本中、17本をランナーなしと1塁で喫している。球数が増えイニング数が伸びないことも、この辺りに課題があるのではないだろうか。これほど極端にデーターが偏ることは何か必ず原因が有るはずで、分析班との打ち合わせのもと、来年はぜひ改善してもらいたい。
本当はシーズン中に改善しなければならないと思うんですけどね。
球場別の成績
ここでも高橋投手は極端な結果を残している。
球場 | 防御率 | 登板 | 先発 | 完投 | 完封 | 無四球 | QS | 交代完了 | 勝利 | 敗戦 | ホールド | HP | セーブ | 勝率 | 投球回 | 打者 | 被安打 | 被本塁打 | 奪三振 | 奪三振率 | 与四球 | 与死球 | 失点 | 自責点 | QS率 | 被打率 | K/BB | WHIP |
東京ドーム | 5.2 | 10 | 9 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 3 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0.429 | 45 | 205 | 50 | 8 | 30 | 6 | 24 | 0 | 27 | 26 | 33.3 | 0.286 | 1.25 | 1.64 |
神宮 | 4.35 | 4 | 4 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0.5 | 20.2 | 90 | 23 | 6 | 13 | 5.66 | 10 | 0 | 10 | 10 | 50 | 0.295 | 1.3 | 1.6 |
横浜 | 3.18 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | – | 5.2 | 24 | 4 | 1 | 3 | 4.76 | 3 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0.19 | 1 | 1.24 |
バンテリン | 0.53 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0.667 | 17 | 68 | 10 | 0 | 10 | 5.29 | 7 | 0 | 4 | 1 | 33.3 | 0.172 | 1.43 | 1 |
甲子園 | 0.72 | 4 | 4 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 25 | 92 | 10 | 1 | 12 | 4.32 | 7 | 1 | 2 | 2 | 75 | 0.122 | 1.71 | 0.68 |
マツダ | 2.08 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0.5 | 17.1 | 72 | 14 | 0 | 7 | 3.63 | 7 | 0 | 4 | 4 | 66.7 | 0.222 | 1 | 1.21 |
東京ドームの防御率が一番悪く5.20、次に神宮の4.35が続く。逆にバンテリンで0.53、甲子園で0.72と球場の広さで極端に成績が変わる結果となっている。本塁打もドーム8本、神宮6本で、甲子園とバンテリンは合わせて1本だ。被打率やWHIPも極端な数字が残っており、大きな課題だ。特に本拠地の防御率が悪いのは対策が必要だ。被打率もドーム、神宮で3割近くを打たれており、甲子園、バンテリンの1割台と対照的だ。ホームラン以外は被打率は関係ないので、本塁打を恐れるあまり、投球が窮屈になっているのではないだろうか。精神的なものが原因と括るのではなく、分析班とバッテリーコーチとの、より一層の対策作りが来季の成績につながると思われる。広い球場で極上の成績を残しているのだから、投手コーチ、バッテリーコーチの指導が必要だと思う。厳しい言い方をすれば、この辺りがコーチングできないようでは、能力が疑われても仕方がないのではないだろうか。
高橋優貴選手は何故勝てなくなったのか 杉内コーチと桑田コーチの違い
コーチ・スタッフの能力の見せ所ですよね。来年注目です。