巨人坂本勇人選手のショートからコンバート問題 ポジションと時期は

坂本選手が来年もジャイアンツのキャプテンを務めることが報道された。今回は本人の希望もあってとの伝え方で、今年の結果に対しての悔しさの顕れではないかと推察される。報道の中で、原監督が“少し楽な状態で野球をやらせるのもいいかなというのもあって”と、コメントしている。今年の坂本選手の成績などを踏まえた中で、巨人の首脳陣の中には坂本選手への負担を軽くしたいという考えもある事が伺われた。

スカパー!プロ野球セット

坂本選手の成績

ポジション内野手
投打右投右打
身長/体重186cm/86kg
生年月日1988年12月14日
経歴光星学院高
ドラフト2006年高校生ドラフト1巡目
年度試合打席打数得点安打二塁打三塁打本塁打塁打打点盗塁盗塁刺犠打犠飛四球死球三振併殺打打率長打率出塁率
20074331100012100000000.3330.3330.333
2008144567521591342418184431051512829820.2570.3530.297
2009141640581871783331827162537444410180.3060.4660.357
201014467660910717135431307851441074738360.2810.5040.332
2011144624568691492721622859811033769130.2620.4010.313
20121446195578717335214254691611253969050.3110.4560.359
20131446205547314733112218542444355487110.2650.3940.334
2014144616545821522901622961235955528830.2790.420.344
2015130558479501292131219268104956507950.2690.4010.353
2016137576488961682832327175133168106760.3440.5550.433
20171426145398215730015232611461368385160.2910.430.372
201810950244187152272182376795006108340.3450.5370.424
20191436395551031732604031994533277212390.3120.5750.396
202011547941264119281192066541146208590.2890.50.379
202111748742453115260191984623225819040.2710.4670.359
通算19028220727611002118402222613347911158488450777331250910.2910.460.36
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坂本選手は来年が、16年目33歳のシーズンとなる。今年はデッドボールによる骨折が有り、出場試合が少なくなった。また、オリンピックへの参加もあったため他の選手と違ってオリンピック開催期間に休養が取れず、疲労が蓄積してしまった可能性が強い。その厳しい状況の中でも打率.271を記録しており、ショートを守る選手としては十分な成績だ。しかし首脳陣やファンの間でも坂本選手のコンバートは、時間の問題だと見る向きが多いようだ。坂本選手はショートへの拘りが強く、“これ以上体を大きくできない”とコメントしているようで、できるだけショートで続けたいという意思があるようだ。

2人の名ショート

坂本選手のコンバートが話題になる原因として、宮本慎也さんと鳥谷敬さんの存在がある。二人とも2000安打を記録したレジェンドだ。そして二人とも守備力の衰えや、打撃への悪影響を考慮して三塁にコンバートされている。その結果、宮本さんはショートで6回、サードで4回、鳥谷さんはショートで4回、サードで1回ゴールデングラブ賞を受賞している。

年度試合打席打数得点安打二塁打三塁打本塁打塁打打点盗塁盗塁刺犠打犠飛四球死球三振併殺打打率長打率出塁率
19956757501311200134311060900.220.260.304
1996682702382765821801360811943930.2730.3360.336
1997115432387441091531133331656331537110.2820.3440.34
1998114402368289510111102553612435140.2580.2990.308
1999131572501601241411143241144502334060.2480.2850.285
2000136536476391432443184551351953154970.30.3870.346
2001125578477741291501147171166712765780.270.3080.317
20021145194645313521151732562400946450.2910.3730.31
20031406435437815420171974411350538778100.2840.3630.336
200490390346521041211115126611801886960.3010.4360.349
20051356085477114519271894752221261288100.2650.3460.312
200673290270298211121013431518629100.3040.3740.337
2007131514464421391835178393123022555160.30.3840.338
2008116482422471301103150323327226552100.3080.3550.354
200912850546943138264518746321241645860.2940.3990.32
2010129517468421292224167392218127331100.2760.3570.319
2011136518474301431712168352119217637140.3020.3540.333
2012110394356199550310923101611653890.2670.3060.307
20131042592371363100641710611412880.2660.270.308
通算2162848675578042133271276226445781114240829398929091530.2820.350.325
宮本慎也通算成績

宮本さんは2008年~2009年の38歳の頃にコンバートされ、鳥谷さんは2017年36歳の頃にコンバートされている。宮本さんは打撃の衰えも見られなかった頃にコンバートされており、主に守備面での衰えも考慮されていたのかもしれない。

年度試合打席打数得点安打二塁打三塁打本塁打塁打打点盗塁盗塁刺犠打犠飛四球死球三振併殺打打率長打率出塁率
200410126123528591303811722202136660.2510.3450.32
20051466465728215927192155255104536115110.2780.3760.343
20061466095436515728215234585340602111100.2890.4310.362
2007144642565671541941021143748163510680.2730.3730.35
2008144605523661471761321580475568485100.2810.4110.365
2009144617538841553122025075775465583130.2880.4650.368
201014465157598173316192731041332566393140.3010.4750.373
2011144590500711502875207511633578472100.30.4140.395
2012144624515621352268193591545894291120.2620.3750.373
201314464353274150304102186515712104465120.2820.410.402
2014144644550961722828228731061487280140.3130.4150.406
20151436465516915521462024296238917780.2810.3670.38
2016143533449491061617145361331675280120.2360.3230.344
201714357048857143233418441871277262130.2930.3770.39
201812126122015511101652211333413760.2320.2950.333
2019741059291931024410101201620.2070.2610.298
20204239365520076010012800.1390.1940.205
2021326153793001220000801100.170.2260.279
通算2243874775371004209935349138296483013169545210554812581610.2780.3930.368

鳥谷さんは2016年に打率を.236と大幅に落としている。2017年は打率.293へと復活しているだけに、コンバートは一定の成功を見せたかもしれない。鳥谷選手はその後成績を急激に落としてしまい、今年引退となった。宮本さんはコンバート後も活躍を続け、サードで4度のゴールデングラブ、698安打を記録している。宮本さんはコンバートによって選手寿命が伸びたと考えていいだろう。

坂本選手の場合

坂本選手はまだ次のシーズンは33歳であり、二人と比較してもまだ早いと考えることができる。しかし問題はそれほど単純ではない。

大型ショート

宮本さんは176cm、鳥谷さんは180cmとプロ野球選手としては大きくない。MLBのでも活躍した松井稼頭央さんも177cmでそれほど大きくない。大型ショートと言われた池山隆寛さんも183cmで、ショートとしての実働は約10年だ。その中で坂本選手の186cmは一際大きい。長くショートで活躍した選手で、坂本選手ほどの大型ショートは存在しないのだ。東京ドームは改善されているとは言え人工芝で、守備での負担は大きい。腰に持病を持つ坂本選手のコンバートが早くから議論されるのは、そういった背景もあるからと考えられる。

3000本安打への期待とコンバートの時期

坂本選手は32歳の時点で2118安打を記録し、3000本安打への期待が高まっている。残り882安打を記録するためには守備の負担を軽くさせたいという、周囲の考えもある程度あるかもしれない。まだ32歳で先の二人のコンバートの時期より未だ早いことから、できるだけショートでという本人の希望も考慮すると、その時期を決めるのは難しいだろう。かつて池山さんは、宮本さんの台頭によってコンバートを受け入れている。坂本選手も二岡智宏さんの怪我による離脱によってポジションを奪ったように、巨人に坂本選手のポジションを奪える選手がでてくるかが、一つの要因だろう。少なくとも昨年の離脱期間には、若手はポジションを奪えることができなかった。

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坂本選手の打棒に対する期待

坂本選手は大型ショートであり、その長打力にも魅力がある。通算本塁打は261本で、今後打撃に徹して体を大きくすればキャリアハイの40本超えを狙えるだろう。金本知憲さんは35歳の時から長打を意識してバッティングを変えたとコメントしており、坂本選手がこれから400本塁打を目指すことは十分にできるだろう。もし坂本選手が長打力に重きを置き、3割40本が狙える選手になれば、守備の負担のないポジションで40歳以上までレギュラーを張ることは十分に可能だ。広島時代の34歳まで244本、その後の阪神で232本の本塁打を記録した金本選手の例から見ても、坂本選手が打撃に徹すれば三冠王も狙えると思ってしまう。

ファンです
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坂本選手の華麗な守備も見たいけど、豪快な本塁打も、もっとみたいですね!

岡本和真選手との兼ね合い

若き4番岡本選手はサードの守備にこだわりを持っている。ショートを守っている坂本選手のコンバート先と予想されるサードに岡本選手がいる限り、坂本選手のサードへのコンバートは難しいかもしれない。セカンドは難しいポジションであり、決して守備の負担が減るとは思えないので、ファーストへのコンバートが落ち着き先かもしれない。そうなったときには坂本選手のコンバートは遅れてしまうかもしれない。

孤軍奮闘の岡本和真選手と坂本勇人選手の復帰

ショートでの2000本安打は大変な記録ですが、これからは選手生命を伸ばす意味でも本塁打に拘った打撃を見てみたいですね。

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