坂本勇人選手の3000本安打の可能性 何故ショートに拘るその理由

33歳ですでに2118安打を記録して3000本安打も視野に入れている坂本選手ですが、そろそろ難しい岐路に差し掛かっています。昨年もゴールデングラブ賞を受賞した坂本選手ですが、守備の衰えを恩師でもある宮本慎也さんに指摘されるようになりました。宮本さんは補給時の右足の踏み込みが弱くなっているとのことで、そこをやり直せば、まだまだ坂本選手はショートでやっていけるとのコメントでした。坂本選手からも宮本さんに調節連絡が有り、問題点を確認したとのことです。さすが坂本選手ですね。2000本を超える安打を放ち、すでにレジェンドと言っていいほどの記録を残していますが、向上心は衰えを見せていないようです。

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衰えが見え始めた打撃

坂本選手はここ2年間で、打率は3割を割ってしまっています。2019年には40本塁打を放つなど、キャリアハイを記録しました。しかし、コロナ禍等の影響もあるのかもしれませんが、ここ2年は下降線をたどっています。守備での衰えを指摘された坂本選手ですが、打者としての衰えも見え始めているのかもしれません。坂本選手はショートとしては大柄で186cmもありますが、体重は86kgに抑えています。長打を打つためには体重は必要ですが、坂本選手はショートに拘りがあるため、これ以上は体を大きくできないとコメントしています。関節などの負担を考えると、怪我のリスクを抑えるためにもショートを担うためには体重を増やせないということでしょう。

ショートへのこだわりの理由

ヤンキースのデレク・ジーター選手は193cmありましたが、88.5kgと体重を抑えてショートとして現役を全うしました。そのため3465安打を積み重ねることができましたが、本塁打は260本に終わっています(坂本選手は261本)。

ショートという肩が強く、俊敏性が最も問われるポジションで守ることができる選手は、プロの正解でも限られています。ショートを守るという事に誇りを持つことが、とても大きいという事実が、ジーター選手と坂本選手の拘りでわかると思います

ジャイアンツ坂本選手の3000本安打へのこだわり

まだ坂本選手の口からはハッキリと言われませんが、当然遠い目標としてあることは間違いないでしょう。そのために坂本選手が取り組んでいるのが、ショートとしての守備をもう一度磨くということではないでしょうか。ショートとして出場し続けることが、3000本安打への近道だと考えているのではないでしょうか。通常ショートでの守備に衰えが見え始めると、サードやファーストまたはレフトなどへのコンバートが考えられます。宮本慎也さんもショートからサードへ転向して、4度ゴールデングラブ賞を受賞しています。しかし、坂本選手は宮本さんとは置かれている立場がかなり違います。まずサードには岡本和真選手がいます。そのためサードにコンバートというのはかなり難しいと思われます。

出場機会を得るためのショートへのこだわり

仮にショートからファーストやレフトにコンバートされたとすると、競争相手はホームランバッターが予想されます。坂本選手は元来ホームランバッターではないため、かなりの肉体改造が必要になるでしょう。筋肉量の増大などは関節や靭帯に負担をかけてしまいます。30代半ばからの増量となると、怪我のリスクが増えてきます。そして肉体改造などによって、バッティングのバランスを崩してしまうことも考えられます。いかに坂本選手とは言え競争に打ち勝てるかどうか、疑問符がつくようになります。

巨人というチームの厳しさ

  打率 安打 本塁打 打点
長嶋茂雄 0.288 108 15 55
王貞治 0.236 105 30 84
落合博満 0.301 113 21 86
  歴代4番打者の巨人での最終年成績

ジャイアンツは常勝を目指しているため、戦力補強に怠りが有りません。逆に言えば力の衰えたベテランがレギュラーを張り続けることが、極めて難しいチームということになります。長嶋茂雄さんや王貞治さんは他チームであれば、現役は続行と思われましたが、レギュラーを張ったまま引退しました。落合博満さんは4番として十分な働きをしていましたが、清原和博さんを獲得した巨人から日本ハムへ移籍しています。サードやファーストなどでは中途半端な成績ではレギュラーを守ることはできません。

原監督の決断

原監督は厳しい監督です。原監督の敬愛する藤田元司監督も、厳しい監督でした。

原監督は1988年に打率.300、本塁打31本、打点81を上げていましたが、アキレス腱痛等の影響でレフトへのコンバートを藤田監督から説得されています。原監督は高校時代よりサードを守っており、人一倍サードへのこだわりがあったと思いますが、優勝を狙う巨人としては原監督の守備は、放置できなかったということでしょう。チームのために原監督はレフトへコンバートされ、成績はその後下降線をたどってしまいます。怪我の影響が大きかったとはいえ、チーム優勝のためにこだわりを捨てたともいえます。

その原監督は坂本選手に対しても、同じ様な判断をすることになると思います。坂本選手もその事は十分に解っているのでしょう。そのためのショートへのこだわりが強くなっていると考えるのは、考えすぎでしょうか。

バッティングよりも守備に価値

歴代の4番バッターよりも坂本選手が優れているのは、外国人やFAでは補強することが難しいショートを守れるということです。坂本選手の守備力が衰えてコンバートされた時に、坂本選手がポジション争いで勝つことが約束されているわけでは有りません。直近の打撃成績を見ていると、打撃に特化したポジションでレギュラーを張れるだけの長打力は現時点では有りません。坂本選手の今後についてどちらの方向に進むのか、坂本選手のコンディションなどにも影響されると思いますが、決して坂本選手のためにポジションが約束されていないことは、事実です。

坂本選手がジャイアンツでレギュラーを張り続けるためには、ショートに拘るというのは一番確率の高い方法ではないかと思います。

坂本選手は体を作りさえすれば、長打力を強化することは可能です。今後セ・リーグもDHを導入するとすれば、坂本選手の活躍の場も広がるかもしれません。しかし、坂本選手は体の続く限りショートに拘り続けることは間違いないでしょう。大きな怪我さえ無ければ、晩年まで坂本選手は守備を第一に、ショートを守ろうとするのではないでしょうか。

ショートで3000本安打となれば、日本球界では唯一無二の金字塔と言っても過言ではないと思います。

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