巨人は今年も失速 長期的戦略で失敗?意外な事実

DeNAに3対2で惜敗し、引き分けに終わった阪神とヤクルトとのゲーム差が0.5開く結果となった。

9月に入って2勝7敗3分けと大失速。昨年も終盤の失速で最後までもつれたが、昨年の9月14日までの9月の成績は、10勝1敗1分で好調を維持していた。昨年は日程が後ろ倒しになっていたので、単純な比較はできないが、昨年10~11月は13勝18敗4分。今年は残り31試合を大きく勝ち越さなければ優勝は困難な状況になってきた。

打線の不調

得点圏打率の低下

 打率内安打率得点圏打率出塁率
2020年0.2558.10%0.2690.328
2021年0.2465.50%0.2410.312
0.0092.60%0.0280.016

今年と昨年を比較すると、チーム打率は昨年が.255で今年は.246で約1分悪化している。

打率と同様、出塁率も1分6厘悪化した。

深刻なのが得点圏打率だ。2分8厘の悪化はかなり大きい。しかも得点圏打率が通常の打率を下回っており、チャンスに弱いことを証明している。ランナーが出てセットポジションに投手がなるのにも関わらず、打率が悪化しているということは何が影響しているのだろうか。

意外な選手の不調

得点圏打率が打率を下回る、主力選手は下記の通り。

 打率内安打率得点圏打率出塁率
松原聖弥0.2689.80%0.1900.323
坂本勇人0.2793.50%0.2600.380
吉川尚輝0.2899.10%0.2590.336
大城卓三0.2381.50%0.2030.299

得点圏打率でよく指摘されているのが松原聖弥選手だ。得点圏打率.190は確かに良くない。

しかし好調時は3番も任されていた吉川尚輝選手も.259で、チャンスには弱い。

松原選手と吉川選手は内野安打が多く、チャンスメーカーとして1番2番で結果を出させなければいけない選手だと思われる。1番2番を打つ特殊な選手としての、教育を徹底してほしい。

また、好機に強い印象があった坂本勇人選手も、得点圏打率は.260と意外に良くない。昨年の坂本選手の得点圏打率は.337で今年の不振がかなり大きい。

坂本選手の場合は東京五輪の疲労があるためか、後半戦に調子を落としている。東京五輪にチームから参加した選手が他にいないので、疲労を言い訳にしていないだろう。原監督も坂本選手ならば乗り越えてくれるだろうとの期待のもとか、特別扱いしないとのコメントがあった。しかし成績は確実に低下しており、心身のケアーをチーム挙げて取り組まないと酷な状況だと思う。

後半戦白星スタートの巨人 心配な選手 坂本勇人選手と小林誠司捕手

走力の低下

 内安打内安打率
阪神636.80%
ヤクルト9110.10%
巨人505.50%
中日778.70%
DeNA757.80%
広島949.90%

もう一つ打線で顕著なのは内野安打が減っていることだ。リーグでも最下位で、走力が劣っていることは明確だ。FAで獲得した選手も全盛期は走力があっても、加齢によって走力は確実に衰える。丸佳浩選手や梶谷隆幸選手も例外ではない。FAで獲得した選手や坂本選手の加齢による走力の衰えは、故障のリスクや打撃への影響も大きいだろう。

FAで獲得した選手は多少不調でも、使い続けなければならない事情もあり、打線の中に2~3人そういった選手がいれば、作戦面での柔軟性もなくなっていく。脚部に不安があったり疲労が蓄積したりした選手がランナーの時に、エンドランは仕掛けにくい。

丸佳浩選手の不調

2軍落ちを経て復調した丸選手の打撃が、再び不調に陥っている。

加齢による成績の劣化はデーターのとおりだが、今年は不調の期間が長い。

後半戦勢いのつかない巨人軍 その理由

これだけの選手の場合、指導できるコーチは少なく、前回は長嶋終身名誉監督が直接指導した。

特に丸選手の場合は大きくヒッチする特殊なバッティングで、タイミングのとり方も独特だ。始動が遅く差し込まれていることは、数多く指摘されているが、その独特のタイミングのとり方は本人にしか理解できず、簡単にはコーチも手を付けられないだろう。

加齢による体の衰えや疲労から、始動を早くしていくことは必要であるが、シーズン中に大きな改造に踏み切ることは難しいだろう。

不振の巨人打線 丸佳浩選手の苦悩

このまま復調を待つのは、あまりにも無策ではないだろうか。守備の負担の少ないレフトにコンバートして、ウィラーと併用するなどの対策は考えられないだろうか。

年齢は高いが選手層は厚いので、野手もローテーションを組めば復調できるかも!

※内野安打率・内野安打数は独自集計のため、カウント間違い有る可能性があります。このサイトにより生じた責任については一切負いません。

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