9月7日のDeNA戦でジャイアンツのエース菅野投手が4回1/3で7失点、108球を投げて今季7敗目を喫した。春先の不調から、前回の登板で立ち直りの兆しを見せたようだったが、今回は打ち込まれてしまった。
菅野投手の投球内容
高速インターネット(Wi-Fi付き)+専門チャンネル月額1,750円〜【J:COM(ジェイコム)】5回途中で108球という投球内容は、非常に苦しい内容だった。
防御率 | 投球回 | 打者 | 被安打 | 被本塁打 | 奪三振 | 与四球 | 与死球 | 失点 | 自責点 | 投球数 |
3.97 | 4 1/3 | 26 | 7 | 0 | 7 | 3 | 2 | 7 | 7 | 108 |
コントロールに定評のある菅野投手であるのにフォアボールが3つ、デッドボールも2つ記録している。菅野投手は自分の投球スタイルについて、三振を多く取れるタイプではないとコメントしているが、13のアウトのうち7つを三振で記録しているので、打たせて取ることができなかったようだ。
投球の内訳(データーは報知新聞の記録参照)
ストレートが31%と一番多く、その次が22%のフォークボールだ。スライダーとカットボールがほぼ17%で並んでいる。
前回の投球の内訳と比べてみると、ストレートは28%とあまり変わらず、フォークボールは9%。スライダーが20%でカットボールが28%と非常に多い。投球数は前回も108球で、8回を投げきっている。そして24のアウトのうち8つが三振だ。
ここで判るのは、前回はカットボールを多く使って、打たせて取ることができていたのではないかということだ。今回の復帰の前に投げたイースタンの試合で、菅野投手はスライダーをほぼ封印してカットボールを非常に多く投げていた。
投球の印象
前回はストレート、変化球ともにコントロールが悪く、抜け球が多かった。時折、菅野投手らしからぬインコース高目への抜け球もあったので、打者が驚いていたこともあった。そのためか逆球でも空振りを取ったりすることができて、投球に粗さがあった。
今回はストレート、変化球ともにコントロールが良く、本来の菅野投手の投球に見えた。
初球からスライダーなどでアウトローギリギリにカウントを取りに行く投球で、隙きのない投球だったと思う。しかし初球からアウトーローにスライダーをきっちり決められたら、打者は手が出せない。そしてカウントを整えたあとに粘られて、決め球に苦労し、フォークボールで三振を取りに行く、といったケースが多かったように思える。
打者は抜群の切れ味のスライダーを既に見ているので、決め球のスライダーはカットする。ストレートで空振りを取れるほどの球威を温存していないので、フォークも見逃されるという悪循環が菅野投手を苦しめているのではないだろうか。
これからの投球
打たせて取る投球がすぐにできれば良いのだが、敵チームも菅野投手の攻略法をある程度積み上げてきているので、難しいかもしれない。
ここはもう少し相手の意表を突くピッチングを、志向しなければいけないのではないだろうか。
谷繁さんや達川さん里崎さんなどの捕手OBは、「ど真ん中で見逃しが取れるようなリードが理想だ。」とコメントしている。
谷繁さんは真中付近からボールを動かして打ち取ることができれば、ピッチングが非常に楽になるともコメントしている。
もちろんこれらのコメントは序盤での話で、終盤の勝負所の話ではないだろう。
菅野投手は完璧な投球を目指す余りに、苦しい高いハードルのピッチングを自らに課しているのではないだろうか。
序盤のソロホームランなどはある程度は覚悟して、ゴロアウトを重ねる投球を心がけなければならない時期に来ているのではないか。
菅野投手ほどのコントロールと球威、変化球の精度があれば、それはさほど難しいことではないだろうか。
菅野投手が序盤からそういう投球で力をセーブできれば、終盤にギアを上げて完投に近いイニングを喰えるようになるのではないかと思う。
投球のモデルチェンジは、どの投手も加齢によって経験することですよね。
巨人の捕手陣の成長
菅野投手と新しいピッチングスタイルを模索することで、小林誠司捕手や大城卓三捕手はリードの面で、一段階成長できるのではないだろうか。
この事によって巨人の捕手陣が成長すれば、菅野投手のレベルまで行かない投手も育てることができるようになるのではないかと、期待してしまうのは楽観的すぎるだろうか。
菅野投手もここでもう1ランク上の投球術を身につければ、指導者としてもその経験を、活かせるようになるのではないでしょうか?