開幕直前、今年のジャイアンツはやっぱり弱い? 戦力が上がってない

オープン戦も残り5試合で、ジャイアンツの開幕1軍メンバーはほぼ見えてきました。報知新聞を筆頭に、読売グループに親密なメディアは、外野手争いや投手陣の争いに競争激化などと銘打って今年のジャイアンツの戦力充実を訴えていますが、本当にそうでしょうか。私は特に疑い深いとは思いませんが、選手の総合的な実力は、昨年と大きく変わったようには見えません。現時点でポジション別に見ていきたいと思います。

キャッチャーは横這い

正捕手は大城卓三捕手で決まりでしょう。守備に大きな破綻がなく、打撃は現役の捕手では両リーグ随一と言えるでしょう。(森友哉捕手は、捕手のできるDHと言って良いと思います。)控えは岸田行倫捕手、山瀬慎之助捕手、日本ハムから移籍した郡拓也捕手の争いが予想されますが、大城捕手との差は大きいと思います。捕手2.5人制と言って郡捕手を持ち上げる御用メディアもありますが、2.5人制って何が良いのか良く理解できません。郡捕手が打てるなら別ですが、通算6年で25安打の選手に大きな期待は持てません。

内野は昨年と大きな変わりは無し

内野の守備力は鉄壁のジャイアンツですが、ファーストとサードの控えはかなり寂しいものがあります。

ファーストの控えを期待された秋広優人選手は、課題の守備力が問題で、打撃も大きな成長が見られず、開幕は昨年同様2軍が有力視しています。本来は外野手の萩尾匡也選手がファーストの守備を始めているのを見ると、秋広選手は奮起が必要なようです。せっかく球団が中田翔選手を放出してポジションを空けてくれたのに、首脳陣の期待を裏切ってしまったようです。

ショートのレギュラーを約束されている門脇誠選手は、守備力においては問題ないと思いますが、打撃は今年は少し苦労しそうです。各チームはインコースを今年は遠慮無く攻めてくると予想され、そこを打ち返す、またはファールで粘ることができそうかが課題になりそうです。

セカンドの吉川尚輝選手は、毎年飛躍を期待されていますが、厳しい練習をできないようで、長丁場のペナントレースを耐えきれるかどうかが問題となっています。体つきも大きくは変えることができないでしょうから、昨年並みの戦闘能力と見ておくと良いかもしれません。

ファーストの岡本和真選手はポジションが固定されることによって、打率が更に上がってくることが期待できます。岡本選手はまだ上がり目がありそうです。

サードの坂本勇人選手が一番上がり目があるのではないかと思います。サードに変わって体も少し大きくなったような気がするので、今年は本塁打を期待しても良いのではないかと思います。下半身の疲労による不安がなくなれば、2度目の40本塁打も期待してしまいます。

結局内野手は坂本選手の本塁打の上積みと、岡本選手の打率だけが上がり目で、大きな戦力アップはないと思います。

外野手も横這い

激しいレギュラー争いが報じられていますが、本当のところはどうでしょうか?

ライトのオドーア選手は、開幕してみないとわからないといったところでしょう。昨年丸佳浩選手が主にライトで、打率.244,18本塁打でしたが、果たして上回る事ができるかどうかだと感じています。

レフトを守ることになる丸選手ですが、35歳になるシーズンで大きな上がり目は無いでしょう。通算成績をみれば、きれいな右肩下がりです。レフトのポジションをガッチリ守れるほどのパフォーマンスは難しいと思います。萩尾匡也選手、長野久義選手、梶谷隆幸選手との併用になると思いますが、大きな上積みを期待された秋広選手が誤算と言って良いのではないでしょうか。

センターは佐々木俊輔選手と松原聖弥選手の闘いになりそうですが、いずれにしても守備力のうえでは大きな上積みだと思います。特に広い甲子園やマツダでの極端な苦戦は、外野の守備力の弱さが大きく影響したと個人的には推測しているので、ここはこの二人のいずれかを使って欲しいと思います。新人に大きな期待を寄せるのはどうかと思いますが、佐々木選手は昨年のドラフトではヤクルトに指名された渡会選手に次ぐ評価を得ています。期待せずにはいられません。

佐々木俊輔選手の指名時の記事はこちらから

課題のリリーフ陣は決め手無し

オフに大量に補強したリリーフ陣ですが、結局勝ちパターンに入れるのは大勢投手と中川皓太投手に西舘勇陽投手になりそうです。西館投手は大きな戦力になりそうですが、1シーズン乗り切れるかどうかは大きな課題です。大勢投手も故障との相談になりそうなので、フル回転は難しいでしょう。トレードや現役ドラフトで補強した投手は、勝ちパターンに入れるほどではありませんでした。もといた球団からの評価通りということでしょう。そんなに旨い話は転がっていないというところでしょうか。

大きな飛躍が期待された堀田賢慎投手や直江大輔投手は、今年やらなければそろそろ危ない状況です。オープン戦をみていると、大きな飛躍を期待できるようなパフォーマンスはありませんでした。

こうやって見ていると頭数は増えましたが、勝ちパターンを担える投手がドラフト1位の西館投手というのでは寂しい状態です。疲れの出てきたリリバーを抹消して入れ替えることが出てきたところだけが、大きな差でしょう。

先発陣も大きな上積み無し

期待の新戦力は見当たりません。ドラフト1位の西館投手がローテーションを奪ってくれるほどではなかったのが残念です。大きな飛躍を期待できる投手が一人もいないのは、よくて昨年並みと考えたほうが良いのかもしれません。昨年の阪神のように突き抜けた成績を出してくれそうなニューフェイスが見当たらないのが残念なところです。

ソフトバンクから移籍してきた高橋礼投手に頼らなければならないようでは、ジャイアンツのファームの育成能力を問われても仕方がないと思います。

今年の一番の補強は阿部慎之助監督

戦力は横ばいですが、充分に優勝争いはできる戦力だと思います。一番変わったのは監督の戦略とマネジメント能力だと思います。阿部監督の考える野球が実践できれば、長丁場のペナントレースは取れるのではないかと思います。

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