菅野智之投手は完全復活か?

首位攻防の巨人-ヤクルト戦で菅野投手が、131日ぶりに今季3勝目を挙げた。

8回を108球1安打無失点8奪三振の内容で、復活をアピールできる内容だった。

しかしインタビューに応じた原監督は、「復活という言葉を、まだ使えない状況だと思いますよ。」とコメントしている。

菅野投手のピッチングの変化

プレートを踏む位置

昨日の菅野投手はプレートの真ん中を踏んでいた。従前はプレートの3塁側を踏んで角度を付けたストレートとスライダーを外角に投げ込んでいたが、今年になって1塁側を使うピッチングを試していた。右打者の内角へのツーシームなどを使うためとされていたが、体調にも関係があったのではないかと推察していた。

菅野投手離脱~予測されていた状況~

しかし、なかなか結果が出ずに体調の変化などがあった中で、昨日はプレートの真ん中を使っていた。詳しい体調や調整の段階などは秘匿されている中で今は推察するしか無いが、1つの変化であり今後その詳細が明らかにされることが期待される。

カットボールの多用

プレートを踏む位置が変わったからなのか、カットボールを多用するためなのか原因と結果が判別できないが、スライダーよりもカットボールを多用する組み立てになっていた。これは2軍で復活登板をした時にも感じたことだが、スライダーを封印してカットボールを中心にピッチングを組み立てていた。曲がりの大きいスライダーに相手打者が慣れたのか、曲がりが早くなってしまい打者に見極められるようになってしまったのか、最近はスライダーを決め球にできなくなってしまった。2軍では曲がりの小さいカットボールを試すために、スライダーを封印していたのかと思ったのだが、どうやら本格的にスライダーよりカットボール中心のピッチングを模索していたのかもしれない。

イースタンで菅野智之投手が復帰登板 復活なるか?

ストレートの球威とコントロール

球速も出ていたし、投球数が増えたあとでも150Km超の球威を維持できていた。ストレートで空振りも取れていたので、ある程度の球威が復活したと見て良いのではないかと思う。

しかし今日はストレートのコントロールが本来のものではなかった。立ち上がりはストレートが引っかかり気味で、菅野投手としては珍しくスライダーをひっかけて青木選手にデッドボールを与えていた。その後もストレートの逆玉はかなりあり、右打者の内角に抜けていく球もあったと思う。菅野投手といえばコントロールの良い投手で、デッドボールの危険性が少ない。右打者のインコースには低目にツーシームを投げ込むことが多く、高目で仰け反らせるようなことは余り見られなかった。打者は怖がらずに踏み込める投手だった。しかし昨日は時折抜ける球があり、打者も怖さを感じていたのではないかと思う。中村捕手がインコースに投げられたスライダーに、大きく腰を引いていた場面も、多少荒れていたピッチングのためではないかと思われる。今後も外角を活かすためにも右打者のインコース高目を攻める必要が有るのではないかと予想する。

加齢からくる変化

古い話になるが江川卓投手はアマチュア時代からプロ入り後も、内角にストレートに投げることは殆どなかった。しかし晩年はインコースのストレートを投げなければ抑えられないと、少しずつインハイに投げることが増えた。江川投手にとってはある意味でプライドを捨てたということではないだろうか。

菅野投手もそろそろ、そういう時期が来たのでは無いかと思う。逆に言えばまだまだ勝てるピッチングができる投手だと思う。

まだまだ勝てる投手だと思うので、インハイも攻めてください。

次回のピッチングが楽しみですね。

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