巨人が強くなるために必要 フロント主導強化戦略 原監督に任せすぎ

ジャイアンツのFAによる補強が、今年も不発に終わりました。Bクラスに終わった戦力の大きな積み増しは、現状ではありません。今後は外国人の補強や若手野手の底上げが大切になりますが、それだけで一気に優勝を狙える戦力になることは、とても難しいでしょう。

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FAによる戦力補強の限界

もういろいろなところで指摘されるようになりましたが、FAでの戦力補強が全くできないようになりました。そもそもFA市場にどうしても取りたい目玉選手が出てこなくなりました。本当の目玉選手はMLBを目指してしまうので、国内FA市場ではかつての様に超一流選手の争奪戦が無くなりました。

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森友哉選手の場合

今年も森友哉捕手が目玉と言われていましたが、ジャイアンツの場合昨年の成績を比べてみると、打撃三部門すべてで、大城卓三捕手が上回っています。ディフェンス面では大きな差はなく、大城捕手29歳、森捕手27歳と経験値でも似ています。課題とされるリード面は二人とも発展途上の選手で、抜きん出ているという評価は難しいでしょう。

打率本塁打打点
大城卓三0.2661343
森友哉0.251838

そんな状況下で森捕手のオリックスへの愛着が報道され、ジャイアンツの劣勢が伝えられました。原監督は”ジャイアンツ愛”というものにこだわりが有り、早々に獲得競争から離脱したようです。

原監督はジャイアンツ愛や、WBC監督時代に繋がりがあった選手を重用する傾向が強く、中島宏之選手や松田宣浩選手はその流れの中での獲得だと思います。

外国人選手の獲得

海外にスカウトを配置するなど積極的に手を打っていますが、なかなか結果に繋がりません。昨年もポランコ選手やウォーカー選手などを獲得しましたが、守備面が壊滅的で、成長が見込めないポランコ選手は退団となっています。投手陣もデラロサ、ビエイラ、メルセデス等の残留組が機能せず、新外国人のシューメーカーやアンドリースも期待外れでした。シーズン終盤にクロール投手をとるなど必死の努力を続けましたが、勝ちパターンを任せられる力量がなく、退団となっています。

メジャーリーグを見ていると、力の落ちたベテラン選手はあっさり戦力外になり、選手の新陳代謝が激しくなっています。また、優勝の可能性が無くなったチームは、主力選手を放出して若手選手を獲得してきりかえるため、若手選手の力量の見極めもシビアになっており、優良な期待株を見過ごすことがないようです。

日本に来る選手で期待できるのは、以前は力の落ちたベテラン選手でした。しかし現状はその様な選手ではなく、日本で成長が期待できるような選手が、求められる人材ではないでしょうか。

しかし、それも長期的なチームの戦力としては計算できません。現状では日本で成長した選手は、MLBでの成功を目指して戻っていくからです。若くして来日し、力をつけた選手が、MLBで活躍する例が増えています。MLBのプレイオフでも阪神の守護神を務めていたスアレス投手など数多くの選手がMLBで成功しています。今年もヤクルトの守護神マクガフ投手がMLBへの移籍を目指していると報道されています。日本でのプレーは、確かな成長ルートになりつつあります。

若手の成長がすべて

こうなるとドラフトで有望選手を獲得し、じっくりと育成してチームを作り上げていく体制が必要になります。そして一流選手はいつかはMLBや他球団に移籍する可能性が強いので、一流選手を育成し続けることが必要になります。今それを実践している代表がライオンズとカープということになるでしょうか。そしてその対極に位置するのがジャイアンツという構図になると言っても良いと思います。

全権監督の否定

こうなると戦力の強化戦略はフロント、スカウト、ファームが一体となって行わないと機能しません。もはや監督が全権を握り、チーム強化の責任を一人で取れる状況ではないのです。そして必ずフロント主導でチーム強化を行わなければ、組織が機能しなくなります。

権限と責任を明確にするために、一般社会の組織では業務分掌が存在します。ごく小規模の組織を除いて、業務分掌のない組織はありません。たとえ文書になっていなくても、組織内での了解が有るはずです。ところが今のジャイアンツはどうでしょうか。本来各々の組織が果たさなければいけない権限と責任を、全権監督に集めているとしたら、いかに原監督が名将であっても手が回りません。原監督の人脈とジャイアンツのブランドでチームを強化できる時代は、とっくに終わっているのです。

強化戦略大幅見直しの好機

ジャイアンツの資金力には陰りが見えます。親会社の構造不況も大きな原因になっています。この様な状況下ではジャイアンツの得意としたところの、マネーゲームも限界があります。その上急激な円安で、外国人選手はますます取りにくくなっていくでしょう。

もう現場主導の強化戦略で、常勝軍団を作るのは夢物語です。今年のBクラス転落は、その事を理解できる絶好の機会だと思ったのですが、全く理解されていないようです。

高いところからの目線で、球団強化戦略を考えることの出来る人材が、今のジャイアンツには必要です。それは現場の原監督ではなく、球団フロント、もしくは長期的目線で考えるGM原辰徳氏かもしれません。

原監督に期待すること

原監督には次のステージで活躍してもらいたいと、常々思っています。現場の方が良いからと言って、後進に道を開けないのでは、晩節を汚してしまうかもしれません。あえて一歩踏み出してほしいところです。

ジャイアンツに期待すること

プロ野球を取り巻く環境は、短い時間の中で激変しています。今までは特別な世界であり、一般社会から隔絶されていた部分が多かったのですが、次第にその隔絶はなくなり、一般社会の常識が通用する世界になっています。早く環境の違いを受け入れて、新しい体制にしていかなければ、常勝軍団はおろか、お荷物球団にもなりかねません。過去の成功体験にとらわれるのではなく、新しいカタチを目指して欲しいと思います。プロ野球は伝統芸能ではないのですから・・・

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