いよいよNFLのドラフトが迫ってきました。今年はQBが豊作で、予想サイトでは1巡で6人のQBが指名される可能性さえも指摘されています。今年のカレッジフットボールで全米1を争った2人のQBが、QBとして4番手以下で指名が予想される状況は、ファンにとってたまらない展開となりそうです。ここでは長年見てきたNFLでのドラフトの基本戦略を考えてみたいと思います。
最重要ポジションはQB
これだけは疑いようのない事実です。ここ最近のNFLはパス攻撃が主体となっており、ランとディフェンスで勝つチームが殆どなくなってきてしまいました。直近ならパトリック・マホームズ、少し前ならトム・ブレイディがワンポゼッション差でツーミニッツ前後でボールを持てば、ほとんどのケースで逆転してしまう事を何度も見てきてしまいました。それほど4つのダウンを全て攻撃した場合に、今のエリートQBを止めることは難しいということだと思います。
どこのチームもドラフトでエリートQBを引き当てるために、多くの資産を投じてきました。最後の指名でエースQBブロック・パーディを獲得した49ersも、トレイ・ランスで失敗しています。長らくQBをドラフト上位で指名しなかったペイトリオッツも、ブレイディの引退とHCベリチックの失脚で、今年は全体3位でQBを指名することになりそうです。
QBはバストの可能性が低くなく、チームとの相性もあるので指名がとても難しいのですが、1度エリートQBを獲得できれば、15年から20年はQBに苦労しなくなる可能性もあり、指名のチャンスが有るチームは迷わず指名するべきだと思います。
中には指名を繰り返しても一向に成功しないチームもありますが、プロのチームとしてはピカピカのプロスペクトを迎えることだけでもで、興行的にもプラスが大きく、迷わず行くべきだと私は信じています。
2番目に重要なのはOT
これは意見が分かれるところだと思いますが、OTも非常に重要なポジションです。特にOTはフィジカルの強さと、インテリジェンスも要求されるポジションです。反則をしないことやスキームを覚えることなど難しいことが多く、練習量も必要です。また、フラストレーションが溜まりやすく感情を爆発させる場面も少ないので、落ち着いた性格も要求されます。アスリートにインテリジェンスを要求するのですから、QBと同様に難しいポジションと言っていいでしょう。
ただ、OTは選手寿命の長いポジションでもあります。良いOTを指名することができれば、故障が比較的少ないポジションでもあり、長くチームを支えてくれることになります。毎年のドラフトでその年の有望なOTは、必ず1巡の上位で指名されています。今年もQBが指名された後に上位で指名されるのは間違いないでしょう。
3番目はWR
最近のパスオリエンテッドなオフェンスを支えるのはWRと言っていいでしょう。今年もマービン・ハリソンJr. がQBトップ３の後に指名されるのではないでしょうか。実際トレードでもQBの次に大型トレードとなるのはWRです。タイリーク・ヒルやダバンテ・アダムスなどのWRは、チームの攻撃力を大きく増幅します。ただ、それだけ給料も高くなってしまうので、若い才能をドラフトで引き当てたいと思うのは、どのチームでも当然のことだと思います。
4番目はEDGE
ディフェンスでもっとも注目されるのはEDGEラッシャーと言うことで、いいのではないでしょうか。最近のカレッジも才能あるアスリートをEDGEに起用する事が多いようで、必然的に優秀な選手が増えています。比較的選手寿命も長いポジションであり、優秀なEDGEをローテーションさせるチームが目立ってきています。パワーとともにスピードとテクニックも要求されるポジションは、ドラフトで若い才能を取るべきだと思います。
5番目がCB
もしかしたらCBをもっと重要視している傾向が一般的には強いのかもしれませんが、私は5番目でいいと思います。理由はバストが多いこと。ディフェンスのスキームによって相性があること。スピードと俊敏性が必要とされるので、選手寿命が長くないことが私の評価が低いことに繋がります。あのチャールズ・ウッドソンやロッド・ウッドソンでさえ晩年はCBではなくSにコンバートされていました。旬の時期が短いことがどうしてもひっかかります。
今年のレイダースの指名
1巡の13番目に指名権を持っていますが、3番目まで上がらなければ、お目当てのQBジェイデン・ダニエルまでは届かないようなので、ここは13番目でQBマイケル・ペニックスJr. を指名したいのですが、直前になってQBの人気が上がってしまっているようです。1巡でOTを獲得して2巡でペニックスというのが最高なのでしょうけれども、そこまで上手くいくとは思えません。ただ、今のOLで華奢な新人QBを使うのはリスクが高すぎるのも懸念点ではあります。
