プロ野球の未来が暗い 明るい展望を描くリーダーがいないのは政治や企業と同じ

日本のプロ野球にアメリカのマイナーリーグ化の波が、押し寄せています。実績を残せていなかった藤浪晋太郎投手が破格の年俸で契約したり、メジャーで通用しなかった筒香嘉智選手が、NPBに高額で迎えられたりと、日米の垣根はどんどん低くなってきています。普通に考えればこれだけの年俸差があれば、挑戦するのは当然であり、更に挑戦に失敗したときもNPBが高額で拾ってくれる前例が増えているので、この傾向は放っておけば強くなるばかりでしょう。

リーダーがいないプロ野球界

今のプロ野球界にはリーダーがいません。創成期には読売グループが、正力オーナーがリーダーとしてリーグを引っ張ってくれましたが、現状ではリーダーと見られる人材はいません。今の現状を憂えて発言する人や、改善を目指して計画を練る人がいないのは、ある意味日本社会の縮図と言えるでしょう。何の展望や計画もなく、リーダー不在のまま時が過ぎていく状況は、とても残念な姿です。FAやDHなどの問題に触れる解説者はいても、球団のあり方や、日米の差を縮小する事について意見を持っている人は見当たりません。野球選手のOB解説者にそこまで求めるのは難しいとは思いますが、球団の経営者にもビジョンがないことは、とても残念だと思います。

日本の経済界もリーダーがいない

日本の大企業にもリーダーがいません。前任者をリスペクトするようなことを言って、何の改革も起こせない経営者が、古いタイプの経営者が、今の古いタイプの企業にはとても多くいます。本来リーダーにはなれない番頭さんタイプが、大企業のリーダーになるのですから、企業の内部留保が膨れ上がっていくのも当然のことでしょう。自分の任期の間は問題を起こさず、大きな決断もせずに先送りしていく姿は、多くの企業で良く見られる状況です。実際に私もそういった企業の経営者をたくさん見てきました。なにか問題があっても、進みもせず立ち止まりもせず、新しいことを始めることも古いことを辞めることも、自分の任期のうちには行わないという経営者はとても多くいます。

なにか大きな物事を決めるのは、問題が隠しきれなくなったときで、判断が遅れたことで責任を問われることが無いのが日本の経済界といっていいのではないでしょうか?

問題が発覚したときに、もっと早く判断して対処しなかった事に問題があるのに、手を拱いてじっと見ていただけのことを、”なんとか立ち直らせようと努力した。”という言い訳で許す日本の株主は、企業と経営者を甘やかしてきたと思います。

そんな経済界が球団の親会社であれば、当然球団の経営者は改革精神がなく、自分の任期の間は大きな決断や新しいことを始めたくないと思いたくなるのでしょう。

政治の世界も同じではないか

日本の政治の問題点は、もう何十年も変わっていません。憲法の問題さえ、何十年も先送りされています。防衛の問題も明らかに対応が遅れていて、アメリカがいなければなにも進まない状況です。

リーダーが政治の世界にも不足しています。日本をどうしたいのかを語れる政治家はいなくなってしまったようです。政治家が官僚のように、ミクロの視点でしか物事を考えられないならば、存在意義がありません。日本をどうしたいのかを語れる政治家はいなくなってしまったようです。

新しいリーダーを潰す日本の社会

日本は新しいタイプのリーダーが出てくると、古い勢力が全力で潰しにかかります。これは政治の世界や大企業のような組織でも一緒でしょう。

日本にも新しいリーダーが出てきそうな時がありましたが、古い勢力が潰した事が何度もありました。

これは大企業でも見られることがあります。企業の経営者の代替わりでよくあるのは、自分よりも力のない番頭タイプを選ぶケースです。自分の功績を否定することなく、そのまま継承する人物を据えることで、自分は院政を引くことができます。

日本の大企業の社長が、会長やOBに気を使っているのは、その地位を支えてもらっているからでしょう。

これは政治の世界でも同じ様なケースがあり、支えてもらっている人たちの言うことを聞かないと、地位が危ないということが原因であると思われます。

アメリカではニューリーダーが次々と現れて、世界を変えていっているのとは対象的で、日本の社会はある意味陰湿であると思います。

プロ野球もリーダーがいないので、問題点さえ明らかになりません。DH制やFAの問題などの小さな問題も決定に時間がかかり、放映権の問題などは問題があることさえ周知されていません。

日米の経済格差は広がるばかりで、プロ野球も経済界も同じ道を進んでいると見ることができます。

大谷選手のことで盛り上がるのは良いのですが、その裏に隠れている問題点を見て見ぬふりをしているのは、日本の世界全体ではないでしょうか。

佐々木朗希投手のメジャー挑戦の問題を、球団と佐々木投手の問題という角度でしか扱わない、メディアや解説者は、不誠実だと思います。

そういう問題を拾って世論を形成できないならば、メディアは役割を果たしていないと思います。

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