最後の2ポイントコンバージョンが無情にも失敗して、レイダースは開幕3連敗を喫してしまいました。5点差、6点差、2点差と惜敗が続いているように見えますが、実力がありながら不運のため勝利を逃したという雰囲気が感じられない3連敗です。
レイダースのプレーオフ進出確率は2.5%
両チームとも2連敗でのスタートで、早くも脱落しそうなチーム同士の激突でした。結果はタイタンズが前半のリードを守り切り、今季初勝利をあげました。1990年以降で開幕から1勝2敗のチームがプレーオフに進出する確率は25%、開幕3連敗のチームは2.5%とレイダースにとって極めて厳しいデータが出てしまいました。
レイダースの所属するAFC西は強豪ぞろいで、3連敗によって地区最下位の可能性が高くなってしまいました。新HCの就任によってチームが熟成していない要因もあると思いますが、今季熟成が進んでも勝ち越しまで持っていけるかどうか、極めて難しい状況に陥ってしまいました。
1 | 2 | 3 | 4 | OT | ||
Raiders | 3 | 7 | 3 | 9 | 0 | 22 |
Titans | 7 | 17 | 0 | 0 | 0 | 24 |
当初のゲームプランが疑問
タイタンズの看板選手は、RBデリック・ヘンリーです。故障もあって全盛期を超えてしまったかに見えましたが、今日は20回85ヤードと止めきれませんでした。タイタンズのQBタネヒルはエリートQBというわけではなく、それほど怖さがあるQBではありません。レシーバにもWRロバート・ウッズがいるものの、超一流というわけではないので、パス攻撃はラン攻撃に比べてかなり落ちると思います。当然RBヘンリーのランを止めにかかるのかと思いましたが、徹底マークという事もなく自由に走られてしまいました。ヘンリーのランで確実に進められれば、QBタネヒルはあまりプレッシャーを受けることなく、パスを投げられます。本来であれば、QBタネヒルに難しいプレーをさせてミスを誘発しなければならないのですが、RBヘンリーのマークが甘かったために、弱点が出なかったといえるのではないでしょうか。
Player | CP/ATT | YDS | TD | INT | QBR |
D.Carr | 26/44 | 303 | 2 | 1 | 64.3 |
R. Tanehill | 19/27 | 252 | 1 | 1 | 51.6 |
後半のアジャストはできていた
開幕以来後半戦のアジャストができていないように感じていましたが、今日は後半で相手オフェンスを完封することができました。これは今までできていなかったので評価できると思います。しかし、厳しい見方をすれば、戦う前から分かっていたことじゃないのかと突っ込みたくなります。
此処からはQBカーを徹底的に使おう
スーパーボウルを勝ち取れるQBは、必ず勝負強いと思います。何度も修羅場を乗り越えなければ、プレーオフを勝ち抜くことは難しく、QBのここ一番の勝負強さは絶対に必要な能力であると思います。QBカーにはブレイディまでとはいわずとも、パトリック・マホームズやラッセル・ウイルソンのような信じられないほどの勝負強さが、ここまでは見られませんでした。HCが変わったり、OLの能力が足りなかったり、WRに人材がいなかったりとQBカーを庇う要因はたくさんありました。しかし、弱いOLでもスーパーにたどり着いたQBジョー・バロウ、レシーバーに人材を欠くQBアーロン・ロジャース等を見ていると、エリートQBの能力には本当に驚かされます。勝負所で自分だけの能力で局面を打開できる力があるQBが、NFLには間違いなく存在します。先週のQBカイラー・マレーも、同じような能力を発揮していたと思います。
HCジョシュ・マクダニエルはQBブレイディ以外では、好成績を収めた経験がほとんどありません。それだけにQBの能力の大切さは、とてもよくわかっているHCでは無いかと思います。これからシーズンが深まる中で、QBカーがスーパーにたどり着くことができる能力があるのか、見定めていく必要が出てきていると思います。
本来であれば才能ある若い控えQBがいれば、先発QB論争で盛り上がることができるのですが、今は少し残念なロースターです。
REC | YDS | AVG | TD | LONG | TGTS | |
Mack Hollins | 8 | 158 | 19.8 | 1 | 60 | 10 |
Foster Moreau | 3 | 44 | 14.7 | 0 | 22 | 5 |
Davante Adams | 5 | 36 | 7.2 | 1 | 18 | 10 |
Josh Jacobs | 5 | 31 | 6.2 | 0 | 13 | 6 |
Darren Waller | 3 | 22 | 7.3 | 0 | 17 | 5 |
Keelan Cole | 1 | 12 | 12 | 0 | 12 | 4 |
Brandon Bolden | 2 | 4 | 2 | 0 | 6 | 2 |
来年のドラフト
早くもタンキングというわけではありませんが、来年のドラフトでエリートQBになれる素材がいるのかどうかも気になってきてしまいました。今年のドラフトではQBの人材難が早くから伝えられていたので、選択肢がなかったと思いますが、今年はどうなのでしょうか。
あるサイトでは早くもレイダースが全体1位指名権で、アラバマのEDGEウィル・アンダーソンを指名するシナリオになっていて苦笑してしまいました。
各サイトを見ていると今年はQBの当たり年のようです。特にオハイオ州立大学のCJ. ストラウドとアラバマ大学のブライス・ヤングは昨年から活躍しており、今シーズンの出来が楽しみです。
エリートQBの価値がどんどん上がる中で、ドラフトで久しぶりに勝負に出てみるのはどうでしょうか。それはそれで、とても楽しめる事になると思います。
ちょっと悲観的になってしまいましたが、それだけ今週の負けは実力の足りなさがさらけ出された敗戦ではないかと思います。
QBカーの能力とHCマクダニエルの戦略が噛み合うことが有れば、戦力的には十分だと思えるだけに、残念な出だしとなってしまいました。