グリーンベイ・パッカーズが第1シードにも関わらず、49ersに負けてしまった。
第1シードのバイウイーク明けで、絶対的有利のホームアドバンテージが有りながらの敗退だ。これだけの有利な要因が揃ったため、ゲーム前の予想はパッカーズの有利が大方の予想だった。ゲーム開始直後のESPNでは、62.6%がパッカーズ勝利を予想していた。何故ロジャースは勝てないのだろうか。
ロジャースはランボーフィールドが苦手?
NFLでトップのパサーの地位を確立しているロジャースは、スーパーボウルに1度しか出場していない。2008年にブレット・ファーブから先発の座を奪ってから8回地区優勝しているのに、2010年の1度しかスーパーボウルに届いていない。8年の敗退のうち4回はランボーフィールドで負けている。昨年のバッカニアーズに対しての敗戦と、今年の49ersとの対戦は戦力的にも有利が伝えられていただけに、衝撃的な敗戦だった。2011年は第1シードでありながら、9勝7敗で第4シードのジャイアンツに37対20で敗退している(その後ジャイアンツはスーパーボウルを優勝)。
皮肉なことに、唯一のスーパーボウル出場の2010年は地区優勝出来ず、NFCチャンピオンシップはシカゴの本拠地ソルジャー・フィールドで勝利している。
こうしてみるとロジャースはランボーフィールドを得意としていないのではないだろうか。
ランが有利な極寒のランボーフィールド
1 | 2 | 3 | 4 | OT | ||
49ers | 0 | 0 | 3 | 10 | 0 | 13 |
Packers | 7 | 0 | 0 | 3 | 0 | 10 |
今日の試合はオープニングドライブで素晴らしいドライブを見せて、タッチダウンを奪ってみせた。しかし良かったのはその一本だけで、あとはフィールドゴール1本に抑えられてしまっている。特に雪が降り出し気温が下がってからは、全くドライブできなかったといっていいだろう。極寒にも関わらずロジャースは29回で225ヤードを稼いだが、相手QBのジミー・ガロポロは19回でたったの131ヤードだ。
Player | CP/ATT | YDS | TD | INT |
J. Garoppolo | 11/19 | 131 | 0 | 1 |
Aron Rodgers | 20/29 | 225 | 0 | 0 |
対照的に49ersはランで29回106ヤードを獲得しているが、パッカーズは20回で67ヤードにとどまっている。極寒のプレイオフではランで確実に稼ぐチームが有利と言われているが、その通りの展開となっている。パスプロテクションをするよりも、ランブロックをするほうが疲労が少ないので、終盤になるに従ってランオフェンスは効いてくる。
CAR | YDS | AVG | TD | LONG | |
Aaron Jones | 12 | 41 | 3.4 | 0 | 14 |
AJ Dillon | 7 | 25 | 3.6 | 1 | 6 |
Equanimeous St. Brown | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 |
TEAM | 20 | 67 | 3.4 | 1 | 14 |
CAR | YDS | AVG | TD | LONG | |
Elijah Mitchell | 17 | 53 | 3.1 | 0 | 8 |
Deebo Samuel | 10 | 39 | 3.9 | 0 | 9 |
Kyle Juszczyk | 2 | 14 | 7 | 0 | 13 |
TEAM | 29 | 106 | 3.7 | 0 | 13 |
パッカーズはあまりにロジャースのパスに頼りすぎるために、ランオフェンスの強化が常に課題となっている。
ロジャースのサラリーが重荷のパッカーズ
ロジャースのベースサラリーは、$26MでNFLでは最高峰だ。パッカーズはロジャースのサラリーが高いため、WRへの資金投下をあまりしないチームだった。しかし、最近はロジャースがチームのドラフト方針などに注文をつけているため、WRなどのオフェンスにも資金投下をするようになっている。昨年オフにはチームの強化方針と対立し、トレードを要求していたようだ。今年のオフもWRアダムスを引き止めるため、大きな資金を使わなければならないだろう。こうなるとランオフェンスまで資金が回らないのが、当たり前の話だろう。よほどドラフト下位で良いOLの選手を獲得できない限りは、ランオフェンスの向上は望めないのではないだろうか。
ロジャースがスーパーボウルをもう一度制覇するために
ロジャースが今の高額サラリーのまま、スーパーを制するためには温かい気候か、室内のフィールドをホームにするチームで、投げまくって勝ち切るしかないと思う。いくらロジャースが万能で素晴らしいパスを投げきっても、WRの手は寒さでキャッチの能力が落ちる。弾いてインターセプトを喫する可能性も多い。長いプレイオフの戦いの中で、わざわざ極寒のランボーフィールドで戦うのは、ロジャースにとっては有利とは言えないと思うのである。
トム・ブレイディが勝てる理由
ブレイディは温かいタンパを移籍先に選んだ。年齢的なものも有り、温暖な土地を選んだのだろう。今のところは正解のようだ。
ブレイディはロジャースほど、パスに頼るオフェンスを展開しない。脚力がないのでオフェンスラインの助けを必要とする。そのためブレイディのオフェンスはランブロックも強力になり、極寒の地でも機能することになる。シーズンが深まりプレイオフへとランが必要な季節になるほど、ブレイディのオフェンスは強さを発揮するのである。最大のライバルのロジャースが負けてしまい、今年もNFCの覇者はブレイディになるのだろうか?