岡本和真選手の長期離脱が決定的となりました。3ヶ月の離脱となると8月中旬の復帰となり、ペナントレースは大詰めです。そこまでジャイアンツがついていければ良いのですが、現状を見るとタイガースが走ってしまいかねず、そこまでに大勢が決してしまっている可能性は否定できないでしょう。4番が欠場ということでその穴は埋まらないとは思いますが、サードやファーストの穴が埋まらないというのは、少し考えものです。本来であればここがチャンスという形で、2軍で実力がありながら出番に恵まれなかった選手が飛び出さなければいけない状況ですが、全くその兆しはなく、何度もチャンスを与えられながら結果が出ない選手を、代わる代わる使う状況が続いています。
阿部監督もここが若手のチャンスであることを高々と宣言してほしいところですが、代わりに出てくる選手の成績は相変わらずパッとしません。
設備は一流、選手は二流?のジャイアンツファーム
ファームとしては豪華すぎる新球場は、ファンにとっては素晴らしいものですが、選手にとっては両刃の剣といったところでしょうか。意識の高い選手であれば、ファームにいることの危機感が薄れることはないと思いますが、三軍から二軍に上がって満足してしまうような成績に終わる選手が増えているのは、自然の流れでしょうか?
プロ野球の球団は最も激しい競争社会と言っていいでしょう。その激しさは体力的なものではなく、時間的な激しさです。高卒の選手であれば、3~5年で選手寿命が終わるので、一瞬たりとも気が抜けないはずの時間軸です。30年も働けて終身雇用のサラリーマンとは、住んでいる世界が違います。
同じポジションの選手であれば、それは明確な競争相手であり、切磋琢磨などという暇はないというのが3~5年の時間軸ではないでしょうか?競争相手を蹴落としてでも上にあがるというぐらいの、殺伐とした雰囲気になるのが普通だと思います。特にファームであれば、打席数を獲得するため、登板機会を獲得するための努力は不可欠であり、ただ出番が回ってくるのを待っているようでは、いざチャンスが来た時にあらゆる準備が間に合わないと考えます。
ファームの試合を見ていると、高校野球の延長のように楽しそうにゲームをしている選手たちが多くみえ、凡退して貴重な打席で結果を出せなくても淡々としている選手が多く見られます。淡々として見えても心の中は・・・という意見もあるかもしれませんが、本当に一生懸命であれば必ず態度に現れます。淡々としている選手は個性ではなく、やはり真剣味と言うか、危機感というか、そういったものが足りないのだと思います。
もしそういった危機感がベンチに支配的であれば、もう少し殺伐とした雰囲気がチーム全体に出てきてもいいと思います。何度も言いますが、ジャイアンツのファームはアマチュアではありません。凡退しても次頑張ればいいと考えるのはアマチュアで、プロの場合は貴重な機会を失っており、引退に確実に近づいているのです。
桑田二軍監督は供給がファームの一つの使命と答えていますが、今のベンチの雰囲気では1軍の緊張感に耐えられず、普段の実力さえ発揮できない選手がつくられていくのではないでしょうか。この1打席に絶対に結果を出すという気概が見られず、簡単に次頑張ればいいとしてしまう選手が多いように見えます。そんな気持ちでは次も同じことを繰り返すと、引退間際に気がつく選手は本当に多いのだと思います。
練習を頑張るのは当たり前
若くして引退する選手が、全力で練習したので悔いはないというのであれば、全力で練習するのは当たり前で、それ以上の何かがなければ結果を残せないと言うことだと思います。
1軍と2軍の間をエレベーターのように移動して選手生活を終え、真面目な練習態度でジャイアンツアカデミーや球団職員、スカウトになればいいと考えている選手が、ファームに多く混じっているとすれば、本当に上を目指している選手からは、邪魔でしかありません。今のジャイアンツは育成選手を大量に取り、競争を促しています。しかし、本当の意味での競争意識がそこに生まれているのでしょうか?真面目に練習して少しの結果を残せば、球団が面倒を見てくれると考えている選手が、マジョリィティーであるならば、強い競争意識が生まれるはずがありません。
ファームの首脳陣はそのあたり、厳しくできているのでしょうか。もしパワハラなどを怖がってできていないならば、数値目標で厳しく管理するべきです。アマチュアでありながら結果を出し続けている青山学院大学の駅伝は、数値目標で引退を余儀なくされているといわれています。
プロであるジャイアンツのファームは、明確な数値目標を掲げていますか?
サラリーマン社会でも数値目標はあります。
厳しさはそういうところから生み出されるもので、今のジャイアンツのファームはそのあたりの意識が薄いように見えます。
いつまで経ってもスイングスピードが上がらなかったり、体つくりが進まない選手は、首脳陣の管理不足と言って良いのだと思います。そういった数値目標が管理できず、達成できないコーチは、青山学院大学で学び直したほうが良いと考えます。