原監督の功罪 スマートなエリート監督

原監督といえば若大将などといわれ、苦労を知らない恵まれた選手というイメージがつきまとう。しかし原監督は厳格な父親に育てられ、東海大相模に進学してからは親子の縁を切ったような状態で野球に取り組んでいたと言われる。

原監督の現役時代

東海大相模、東海大学と野球人としてのエリート街道を歩んできた原監督。東海大相模の頃はその人気は異常だった。原監督は4番を津末選手に譲っていたが、人気は勿論ダントツであった。東海大からプロ入りする際にも、クリーンな形で巨人に入団した。当時江川卓投手がプロ入り時の経緯からダーティーイメージをマスコミに植え付けられたのとは、対照的なプロ入りの経緯だった。

プロに入ってからも打点王に輝くなど、順調な成績を残していったが、歳を重ねるにつれて、難しい問題に直面することになる。

巨人の4番に君臨するも、かつての長嶋茂雄選手と比べられることが宿命とされ、物足りないと評されることが多くなった。チャンスにポップフライを打ち上げる姿がクローズアップされるなど、ネガティブなマスコミの取り上げ方も多くなった気がする。

実働15年で1675安打、382本塁打は大学卒の打者としては十分な数字を残した、もし叶うのであれば、吉村禎章外野手が怪我さえしなければ、相乗効果でもっと原監督の成績は伸びたと想像してしまう。かつてのONに匹敵するだけの主砲コンビが、長く活躍できたのではないかと思う。強運続きの原監督ではあったが、この部分は原監督にはアゲインストであった。

現在の原監督の影響

今も原監督はスマートでエリートのイメージが有る。1回目の解任時に涙を流して星野監督に抱きつくなどの出来事があったが、長嶋監督の1回目の解任と比べると、少しひ弱なイメージが残ってしまう残念な出来事だった。

今は監督としてのキャリアを積んで名監督との評価を受けているが、原監督のスマートなイメージは時としてマイナスに働く。

昨年の日本シリーズにおいて東京ドームで開催ができずに、京セラドームを使うこととなった。

これだけでも不利なのに、工藤監督からの提案で全試合DH制を受け入れてしまった。

これで負ける言い訳は万全だ。チームに弱気の虫が蔓延する。ここはいくらみっともなくても、勝ちにこだわりDH制を断ってほしかった。工藤監督に良いように操られてしまった。原監督の弱点を見事に突いた工藤監督だ。

原監督には工藤監督のような策略はとれない。格好悪いからだ。力もないのに横綱相撲をとってしまい、2度目の4連敗となった。チームはソフトバンクに勝てない言い訳があったのだが、あまりの無抵抗ぶりに力負けの烙印が押された。

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今の現役選手に与える影響

泥臭いプレイを原監督は好む。練習熱心で努力を惜しまない選手を重用する。

しかし原監督自身は今もスマートで、どんな手を使っても勝つという執念が感じられない。

それは主力に送りバントを命じることではない。投手に中4日を強いることではない。

監督がみっともなくても、勝ちにこだわるという姿勢が感じられないということである。

侍ジャパンに不調と闘う菅野投手が指名される前に、なぜ断れないのか。調子の上がらない中川投手の指名をなぜ断れないのか。それは原監督の信条に背くからだと予想する。全日本の前監督として協力することが、原監督の中では正義だと思っているからだと思ってしまう。

巨人の選手は這い上がってくるときは泥臭い選手がいるが、活躍するに従って泥臭さがなくなり消えていってしまう選手が多い。

岡本和真選手は随分とあっさりした三振が増えている。球団のカラーなのかスマートな選手が多く、逆境に弱い選手が増えていく気がする。

チームの和を重視する余り、沈んだチームを一人で打開する強さが欠けているような気がするが、考えすぎだろうか。

原監督には泥を被ってもらいたくない。これは高橋由伸前監督も同じだ。巨人の宝である。

だからこそ参謀役や補佐役のコーチに、泥を被ってもらいたい。

原監督の意向をコーチ陣の総意として、DH制を拒否すると言ってほしかった。

菅野投手と中川投手の侍への派遣を否定することを、コーチ陣は発信してほしかった。

泥をかぶる汚れ役を、誰が今やっているのだろうか。必ず必要な役柄だと思う。

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