ジャイアンツ若手の育成は難しい 秋広優人と中山礼都の差

オープン戦が残り少なくなり、2025年シーズンの開幕が近くなってきました。これからは主力選手の出場が多くなるため、結果を残せなかった若手選手は、徐々に振り落とされていくことになります。入団当時から若手の野手としてジャイアンツファンから期待されていた中山礼都選手と秋広優人選手も、激しい競争の中で結果を残し、なんとか1軍にしがみつくよう頑張っています。どのようなメンバーでジャイアンツは開幕を迎えるのでしょうか。

ボーダーラインの秋広優人選手

5年目を迎え徐々に時間がなくなってきている秋広選手ですが、今年も突き抜けるような成長は見られませんでした。2mを超える身長でありながら、体重があまり増えず体格を活かしたバッティングが確立できないでいるようです。秋広選手を見ていると、かつて駒田徳宏さんが王貞治さんに長打力を求められながら、ホームランバッターにはなりきれずに横浜に放出されたことがダブります。

ともに長身でファーストとしてはピッタリだと思うのですが、駒田選手はゴールデングラブ賞を受賞できる守備力があったのに対して、秋広選手はまだまだ守備力が足りない部分があるようです。オープン戦で取れそうな1塁線のゴロに飛びつかずに批判を浴びていたようですが、2mの体を投げ出すためには相当な筋力がないとできないのではないかと推察します。

秋広選手を見ているとまだまだ細身で、NBAに入ってもその細さは目立つと思います。同じ2mでもジャッジ選手のようなバランスが感じられず、その意味ではまだ体ができあがっておらず、まだまだ伸びしろがたくさんあると言っていい状態でしょう。

バッティングは相変わらずテニスのスライスを打つフォームのようで、時にはドロップショットのような打球まで飛ばしてしまいます。何処に問題があるのかはいろいろと指摘されているようですが、150Kmを超えるボールに対してレベルに振らず、極端なダウンスイングで捉えるとなると、非常にコンタクトが難しく、高身長が災いしている部分があるのかもしれません。そういった意味でも、まだまだ覚醒途上にあるようです。

ホームランを望まず、アベレージで良いならばある程度の成績は残せると思うのですが、ポジションと守備力、走力を考えると、アベレージヒッターのままでレギュラーを取るのは極めて難しい状況だと思います。

もう少し力をつけて代打で勝負ということも考えられますが、まだ5年目の成長途上の選手には不向きなポジションと言わざるを得ず、もう1年ファームで体を作り、守備力と走力も鍛えて、外野も標準以上に守れるようにすることも考えるべきかもしれません。

もっとスケールの大きい選手に育ってもらうためには、ファームでしっかりと体を作り、体幹を鍛えるべきなのかもしれません。それほどのポテンシャルを持った選手だと思いますので、中途半端な形で育成をして欲しくないとファンとしては考えてしまいます。

もう代謝も落ちてきているはずなので、この1年が勝負ということなのかもしれません。

中山礼都選手は確実に成長

中山選手は高校時代から空振りをしない選手として有名だったと記憶していますが、プロに入ってからはスピードの違いを感じざるを得なかったと予想します。当てるだけでは飛ばない木製バットの影響も、中山選手には大きかったのではないでしょうか。

ただ秋広選手とは違い、ここ1年で大きく体づくりが進んだようです。スイングスピードは確実に上がっており、右方向への打球に力強さがでてきています。本人も違いが自覚できているようで、引っ張る打撃が若いカウントでは目立ってきています。

ただ守備については体が大きくなった副作用なのか、大きな成長は見られないようです。ショートの守備力はチーム内では上位ではなく、だんだんとショートでの起用が減ってきてしまいました。ただセカンドは破綻なくこなせるようなので、使い勝手は良い選手で、ファームにおいておくと勿体ないという段階だと感じます。

派手さはなくても楽天の浅村選手やDeNAの牧選手のような打撃型のセカンドとして、吉川尚輝選手の次を狙えるのではないかと予想します。やはり守備力がある選手は打席数をもらえる機会が増えるので、打力もだんだんと対応力が上がるのが普通です。このあたりは秋広選手との違いとなるのではないでしょうか。

長野正義選手と小林誠司捕手

ベテラン二人は開幕2軍の危険性が大きくなってきたのではないでしょうか。昨年と違い外野手には若手のプロスペクトが犇めいています。もし今年も長野選手に頼らなければならないようでは、ジャイアンツは危険水域にあると言っていいでしょう。ここ一番の代打で勝負する年になってほしい、と考えます。

小林捕手はもっと厳しい立場に追い込まれています。甲斐拓也捕手の存在はあまりにも大きく、代打で出場するチャンスもないので、かなり出場機会は少なくなるでしょう。もしかしたら将来のコーチとして、ファームで若手の教育役を請け負っているのかもしれません。なんといってもドラフト1位の生え抜きですから、将来の幹部候補であることは間違いないでしょう。新しいデータ処理を活かすような立場になってくれると面白いと思うのですが、考えすぎでしょうか。

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