NFLの新しいシーズンが3月12日に始まります。実際は3月10日からタンパリング期間が設けられており、その前に各チームはサラリーキャップの枠を広げるために、パフォーマンスの落ちたベテランたちのリリースやトレードが活発に行われています。ドラフトの指名権などについてもトレードの下交渉は水面下で行われていると推測され、ネットでは様々な噂や予想で溢れています。
ジェッツはQBアーロン・ロジャースとWRダバンテ・アダムスを放出
2023年にスーパーボウルを狙う最後の一手といった感じで、パッカーズから獲得したQBロジャースですが、2023年シーズンは僅か数分の出場、2024年も期待されたパフォーマンスを見せられず、2025年の構想から外れてしまったようです。2025年シーズンには42歳になろうとしているQBに、新しい体制になるチームが長期目線で頼るというのは考えづらく、ジェッツの再建は一からやり直しとなってしまったようです。2023年までにドラフトの成功などで若手選手が活躍し、どうしても埋まらなかった最後のピースとして獲得されたQBロジャースですが、どうもジェッツはQBが上手く機能しません。それまでもQBジーノ・スミスやQBサム・ダーノルド、QBサック・ウイルソンなどドラフト高順位でプロスペクトを獲得してきたのですが、失敗が続きました。QBスミスやQBダーノルドなどは他チームで大活躍するなど皮肉な展開が続いています。そんな状況下で最後のワンピースとして、出来上がったQBであるアーロン・ロジャースを獲得したのですが、結果が出ませんでした。
さらにシーズン途中にQBロジャースのためにWRダバンテ・アダムスを、レイダースからドラフト3巡指名権で獲得したのですが、これもチーム浮上に繋がらず放出となり、貴重な指名権を使ってしまいました。
ニューヨークの厳しい環境
ニューヨークというマスメディアが厳しい環境下で、ジェッツとジャイアンツではQBという責任の重いポジションの選手たちは、なかなか厳しい結果が続いています。フランチャイズQBになりかけたジャイアンツのQBダニエル・ジョーンズも結局は放出されてしまいました。ニューヨークの両チームはフランチャイズQBが長い間決まらず、低迷が続いてしまっています。ジェッツのQBといえばブロードウェイジョーと呼ばれたQBジョー・ネイマスまで遡らないといけないぐらい、QBが安定しません。同じようにジャイアンツもQBフィル・シムズあたりまで遡るので、ニューヨークという土地柄はQBにとっては鬼門と言えるでしょう。
2025年のドラフトではジャイアンツが全体3位、ジェッツが全体7位の指名権を有しており、ともにQBは指名が予想されています。
ただ、ニューヨークのチームに1巡指名されることで、大きなプレッシャーが今から掛かるのではと、心配になってしまいます。
2025年のレイダースは久々に期待できる
ここまで迷走を続けてきたレイダースですが、このオフは豪華な首脳陣に決まりました。HCピート・キャロルの年齢は確かに気になりますが、OCにオハイオ州立大学のチップ・ケリーを獲得できたことは、非常に大きな動きだったと思います。今までは迷走状態に見えてきたレイダースの動きですが、トム・ブレイディがマイナーオーナーに加わってから流れが変わったと言えると思います。
HCキャロルはディフェンスを中心としたチーム作りで、ランオフェンスを重視します。デフェンスの強化は時間がかかりませんので、今シーズンのレイダースの鍵はQBとランニングプレイだとわかりますが、オフェンスラインとRBをどうするのかが、QBの獲得とともに非常に注目されます。まずは3月12日の第一報でレイダースがどのQBをFAで獲得するのかが非常に注目されます。
さらに新GMのスパイテックが、豊富なドラフト指名権でどんな動きをするのかがとても重要でしょう。
若さが必要なCBをドラフト中位以下で上手く指名できれば、それだけでチームはかなり浮上すると思います。レイダースはCBアソムガ以降にシャットダウンコーナーを獲得できていないので、ここはスパイテックの手腕とHCキャロルの相馬眼が期待されます。
チーフスを倒したイーグルスのデフェンスラインが評価されていますが、イーグルスは両CBが非常に優秀で、QBマホームズが嫌がっていたのは、両CBだったのではないかと思います。それを避けたためにリリースが遅れ、中央のパスをインターセプトされてしまったのだと、個人的には考えています。
レイダースはデフェンスラインは優秀なので、CBにタレントが欲しいところで、HCキャロルは必ず強化してくると思います。
スーパーボウルは終わったばかりですが、再建チームはスーパーボウル以前から大きな動きでファンを楽しませてくれます。オフの間もファンを飽きさせない工夫は素晴らしいものがあり、日本のプロスポーツも少しは見習って欲しいところです。