巨人4年ぶり優勝の影の立役者 浅野翔吾がチームを成長させた

ジャイアンツが就任一年目の阿部監督の指揮下で、見事に優勝を決めました。2年連続のBクラスからの優勝は、見事の一言につきます。優勝の原動力となったのは、フロントと一丸になったチーム力であり、それを見事に活かした阿部監督の指揮に有ることは間違いありません。しかし、ここでは優勝の決め手になった阿部監督の一つの判断に焦点を当ててみたいと思います。

ジャイアンツの優勝は浅野翔吾選手の継続的起用が決め手

ファームである程度成績を残したとはいえ、8月下旬からの優勝争いの大切なところで、先発で起用し続けたところに、阿部監督の信念を感じました。特に9月は24試合中23試合で先発させるなど、徹底した起用は結果的に優勝に結びついた要因だと思います。

8月は打率.348と結果を残したものの、9月は打率.207と成績を落としたのにも関わらず先発起用を続けたのは、いろいろと熟慮の末だったと思います。

守備については時折ファインプレーを見せる時もありましたが、外野手としては致命的なミスも犯していたため、守備重視の阿部監督としては、しっかりとした信念があったからこその起用だと推測できます。

浅野翔吾選手の気迫あふれる打席の姿

小さい体ながら、浅野選手の闘志を前面に押し出した姿勢はジャイアンツでは珍しいタイプです。追い込まれるまでのスイングは、マン振りと言っていいほどで、これは阿部監督が常に求めていたものだと思います。対照的に秋広優人選手が当てに行くスイングで、不評を買ったのとは大きく違ったものでした。秋広選手が確たる状況判断の下で、浅野選手のようなフルスイングを見せていれば、2軍に落とされることもなかったのでは無いかと思います。

状況判断ができる浅野翔吾選手

チャンスや追い込まれたあとなどは、バットを短く持ちノーステップ気味に右へ軽打することなども多く、こういった姿勢は阿部監督の起用に応えるものでした。さらに言えば若い選手にも関わらず、若いカウントでは狙い玉を絞って打席に入っている様で、その絞り方も阿部監督の眼には合格点に映ったのではないでしょうか。ベテランになっても配球が読めずにいる選手がいる一方で、配球を読もうとする努力をしている浅野選手は、2軍に置いておくレベルの選手ではないと阿部監督は確信しているのだと思います。

若手を刺激した浅野翔吾選手

浅野選手の個人の貢献だけではなく、浅野選手がチーム全体に与えた影響が、優勝の決め手になったのだと思います。秋広優人選手や中山礼都選手など若手には当然のように、大きな影響を与え刺激になったことはまず間違いないと思います。期待されながらも結果の出せなかった若手は、あっという間に追い抜かれて首筋が寒くなったはずです。

岡本和真と吉川尚輝を大人にした浅野翔吾

さらに言えば、岡本和真選手や吉川尚輝選手などの中心選手にも大きな影響を与えたと思います。坂本勇人選手や丸佳浩選手のある種の庇護のもとに戦ってきた岡本選手や吉川選手が、浅野選手の出現の結果、1ランクも2ランクも大人になったのではないでしょうか。

19歳の浅野選手が殊勲打を打ち、チャンスで凡退をする姿は、どちらかというと闘志が表に出ない岡本選手と吉川選手に、大きな刺激を与えたと思います。

また、大きなミスをした浅野選手を、カバーしなければいけない立場になり、視野が広がったのではないでしょうか?

実際に岡本選手は9月の打率が.355で、吉川選手の9月の打率が.375とそれまでの不振が嘘のように打ちまくっています。

9月に抜け出した原動力は3番吉川尚輝、4番岡本和真の若いクリンナップであることは間違いなく、その影の要因に浅野選手があったのではないかと推測します。

そんなチーム状況を阿部監督が見逃すはずもなく、素直に直向きに頑張る浅野選手を起用することで、チーム全体が燃え上がったのではないでしょうか?

CSでも浅野選手の起用を望みます

浅野選手が打席に立つと、球場の盛り上がりは凄いものがあります。CSは東京ドームでの開催になりますので、やはり浅野選手はチームの起爆剤として重要なパートを担うことができると思います。浅野選手は打っても守っても、ミスを犯しても、チームが燃え上がる選手であり、短期決戦には絶対に必要なピースになると信じています。

何よりも、闘志が表に出ない選手が多い中で、19歳の浅野翔吾選手がチームに与える影響は、非常に大きく、選手たちをランクアップさせてくれることは、間違いないと思います。

そこまでの副作用を阿部監督ならば、予見して起用していたのだと、信じたいと思います。

若手野手はドラフト前の最後のアピールタイム

CSはドラフト前の最後のチャンスです。ここで活躍して存在感を出せば、ドラフトで強力なライバルが指名されることが無くなる可能性があります。逆に言えば、ここでアピールできなければ、ポジションの被る選手が上位指名される可能性が大きくなります。もしドラフト1位で同じポジションの選手が指名されれば、大幅に出番が減ることが確定します。特に野手の場合はポジションは一つしか無いので、本当に重要な試合になることを、再認識して試合に臨んでほしいと思います。

頑張って!

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