巨人桑田2軍監督の素晴らしさ 早い時期の選手の見極め 令和の指導

ジャイアンツの2軍監督である桑田真澄さんのインタビュー動画が、上げられていました。理論家でありソフトな人あたりの桑田2軍監督に対する巷の評価は高かったのですが、私は少し懐疑的に見ていました。しかし今回のインタビューを視聴して、あらためて桑田2軍監督の素晴らしさを確認することができました。

とても冷酷な桑田真澄2軍監督

ソフトなイメージとは反対に、非常にプロフェッショナルである、言い換えればドライな指導者と言って良いのだと思います。昭和の時代に育った桑田2軍監督ですが、考え方は現役の頃から一貫性があるようです。

プロである限りやらされる練習は必要ではなく、やりたい練習を自分で見つける事が必要であり、その手助けをするのか指導者の役割であると、かなりきっちりとした考え方を持っていることがわかりました。一般社会で言えば、考えもなく効率の悪い仕事をして、ただ残業時間だけを稼ぐ社員ではなく、自分で仕事を工夫し、効率のいい仕事をして、家族に使う時間や心身の健康を保つための時間を確保するという社員を求めているといったところでしょうか。

選手は毎年入ってくる

桑田2軍監督の言葉で印象に残ったのは、「選手は毎年入ってくる。」という言葉です。やる気のない選手はアマチュアではないのだから、辞めてくださいという方針は、まさしくプロに対する姿勢で正しいと思います。ここまで言い切ってくれるのは、選手生命の短いプロ野球選手にとってはありがたいことだと思います。特にドラフト下位や育成契約の選手には時間もなく、チャンスも少なくなることをハッキリいってくれる指導者は令和の時代には必要になるでしょう。チャンスが平等だということは無いと言ってくれるのも、甘い指導しか受けてこなかった高校生には良いことだと思います。短ければ2年で首になっている現状は、そういった球団の姿勢を反映しているのだと思います。2年では短すぎるという意見もあるかもしれませんが、早く見切りをつけてくれるのは以後の人生にはプラスに働く可能性が高いと思います。

自分に甘い選手は生き残れない

令和の時代は首脳陣が厳しくすることがなくなりました。ただそれは、システムが厳しくなることの裏返しになります。ジャイアンツも編成と現場がきっちりと切り分けられましたので、戦力外通告もドライにやれる状況になりました。もちろん桑田2軍監督をはじめとする首脳陣の意見は重視されると思いますが、1軍の登録人数、支配下の人数、2軍戦に出場できる育成契約の選手数は、ルールでキッチリと決められています。つまり今はチャンスさえ貰えない選手が数多く出てくる現状です。極端に言えば2軍戦にさえ出場できずに戦力外になる選手が、数多く出てくるということでしょう。そういう現状で、育成選手が無駄にできる時間はありません。練習は効率的に行い、心身のコンディションを整えるために休息を取り、効率的に栄養を摂取して体を作る。入団が決まってからこのレースは始まっていると言えるでしょう。しかも短ければ2年で終わってしまう競争の中で、1日無駄にしてしまえばそれを取り戻すための時間をさらに無駄にしてしまいます。令和の時代は自分を律することができなければ、脱落してしまう時代になり、昭和の時代よりも明らかに厳しい競争がはじまっていると言えます。

頭のいい選手しか生き残れない

私の好きな言葉に”努力は過大評価され、判断は過小評価される。”という言葉があります。桑田2軍監督の指導方針は、まさにこのとおりだと思います。”考えなしに練習をしてるプロ野球選手が多い。”とコメントしていたのは坂本勇人選手ですが、桑田2軍監督の言っていることは同じことだと言えるでしょう。一般社会でも、ただただ業務を機械的にこなしている、言い方を変えれば体を動かしているだけの社員と、常に問題意識を持って業務に取り組んでいる社員とでは、仕事の効率や出来上がりに大きな差が出ます。そしてそれは、業績であったり昇進であったりと目に見える評価に繋がります。

トライ&エラーはある程度は必要ですが、あまり回り道する時間はプロ野球選手には多くありません。できるだけ最短距離をしかも効率よく行わなければ、チャンスはどんどん少なくなります。最近ではドラフト1位の選手でさえ長い目では見てくれません。ドラフト1位であれば5年ぐらいはと考えがちですが、与えられるチャンスは年々少なくなります。無駄にして良い時間はまったくないと言って良いような状況です。

また最近はデータ解析が凄まじく、数字の重要性が増しています。さらに言えば運動は物理です。体をどう動かせば、回転スピードやエネルギーが発生するのかを、考えなければなりません。頭で理解せずに経験値で練習を進めるのと、頭で理解して試行錯誤するのでは、効率に大きな差ができるのは、最近の投手の出力アップで既に証明されています。

頭を使うことを阿部監督、桑田2軍監督がとても重要視するのは、当然の流れでしょう。

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