好調の巨人もすべて接戦 原監督の手腕にかかる選手の疲労

4月20日現在でジャイアンツは、2位広島に2ゲーム差を付けて首位に立っています。原監督はチームの現状を謙遜まじりながら、最下位の阪神までチームの地力は紙一重であるとコメントしています。昨年後半に地獄を見ている原監督は、慎重な発言ではありますが、本音でもあるのではないでしょうか。

接戦が多く大勝できない原因

ここまでジャイアンツは、22試合で15勝を挙げて早くも貯金8を記録しています。ゲーム数が22試合と少ないため勝率は.682です。しかし接戦が多く、15勝のうち翁田大勢投手が1勝11Sを記録しています。つまり3点以内のゲームが多く、大勝できていないチーム状況が判ります。接戦を制することが出来るのはチーム力がある証拠で、首脳陣の采配も適正であるといえます。しかし大勝するゲームが少ないのは、打線が爆発しないということが原因で、後々影響することになります。チームの得失点差を見ると巨人は+11で、広島の+28と較べて大きく見劣りがします。チーム打率も巨人は.251でセ・リーグの第3位です。今年は投高打低と両リーグと言われており、セパ両リーグでの傾向となっています。春先で投手のへばりが来ていないことを考慮しても、打線の援護が少ない現状というのは間違いありません。

大勝ができないことの影響

一方で大勝できないということは、チーム内に疲労が蓄積することになります。大勢投手の登板数に現れるように、勝ちパターンのリリーフ投手には疲労が早く蓄積することになります。また、大勝ゲームではベテラン選手を早目に休ませることができますが、接戦が続けば主力選手を交代させるわけにはいきません。特に巨人はベテラン選手が多いので、大勝ゲームを作らなければ、シーズン後半に影響を残すことになります。

ジャイアンツの辛さ

ジャイアンツはかつて球界随一の人気球団で、テレビ中継や観客のため、捨てゲームを作ることが許されませんでした。プロ野球である限り、あまりだらしないゲームを作るわけにはいきませんが、中盤で勝ち目がなくなった時に、怪我勝ちの選手などを休ませることがやりにくくなっています。原監督も指揮官としてそのあたりの遺伝子を引き継いでいるようで、大敗ゲームで主力を早目に下げることはできないと思います。

以前投手陣の疲労を考慮して野手の増田大輝選手を投げさせて、ジャイアンツOBを中心に批判があったのは、記憶にあたらしいところです。

原監督の苦悩

ジャイアンツだけではなく、何処の球団も選手に疲労を溜めないような采配が必要になっています。かつては連続試合出場がもてはやされましたが、MLBの影響もあり、適度な休養を入れながら選手を起用するケースが増えています。しかしベテランが多いジャイアンツは、休養を必要とする選手が多くいます。

負担が大きいショート坂本勇人選手

プロ野球ファンの殆どが注視しているのが、坂本選手の疲労です。今年は序盤から守備の破綻が見えており、その劣化についての解説者のコメントも、多く見られるようになりました。現状でもジャイアンツ内だけではなく12球団でも上位の守備力ですが、そろそろ適度が休養な選手と言えることも事実だと思います。年齢はまだ33歳ですが、大型ショートで負担も大きく、疲労からの腰痛も心配な点であり、原監督も最も悩んでいる点ではないでしょうか。

負担の大きいキャッチャー大城卓三捕手

大城捕手も疲労によりパフォーマンスが落ちる選手と言えるでしょう。特に長所の打棒が、疲労によって落ちてくる懸念があるため、小林誠司捕手との併用を徹底しています。しかし序盤に向上が見られた小林捕手の打撃が、落ちてきてしまい、小林捕手の先発機会が減ってきてしまいました。打率は大城捕手が.260,小林捕手が.143と差があるため、貧打の傾向にある現状のジャイアンツ打線では、小林捕手を使いづらくなってしまっているのかもしれません。今年背番号が27に替わり、非常に期待された岸田行倫捕手が、2軍で打率.182と不振に陥っていることも、原監督の誤算かもしれません。

最も疲労が心配なセカンド吉川尚輝選手

今年ジャイアンツファンを狂喜させているのが、吉川選手です。今年の吉川選手の活躍を見ていると、ジャイアンツファンでなくても目を奪われることがあるのではないでしょうか。打率が.354で出塁率も.411と好調ジャイアンツを坂本選手と二人で、攻守において引っ張ってくれています。もともと超人的な守備力を垣間見せていましたが、今年の守備では感動してしまうほどのプレーを見せてくれています。また、坂本選手との併殺は素晴らしい精度で完成するため、ジャイアンツファンを安心させてくれます。坂本選手の守備での負担を吉川選手は、確実に減らしてくれていると言えるでしょう。

レフトの守備は坂本選手の負担を大きくしているかもですが・・・

ずっと課題であったジャイアンツの1番に最適解であることは、以前より確実視されていましたが、今年の活躍はもう外すことのできない選手になっています。原監督も当然現状を把握しており、吉川選手の疲労を考慮してシーズン序盤であっても、先発で使わない試合を作っていました。しかしこれだけ接戦が続いていれば、吉川選手の打撃力と守備力を外すことはできません。もともと腰痛などの故障歴もあり、原監督のマネジメントが最も難しい選手かもしれません。

原監督のリスクマネジメントが注目されるシーズンですね。

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