いよいよオープン戦で、ジャイアンツのレギュラー争いが本格的に始まります。特に今年は外野手争いが激烈で、現時点ではライトのオドーア選手ぐらいしか開幕スタメンは決まっていません。昨年ブレイクして今年最も期待されている秋広選手ですが、スタメンの可能性はどうなのでしょうか？
ジャイアンツファンも首脳陣も期待の秋広選手
ジャイアンツの55番を背負う秋広選手は、55番の先輩でもある松井秀喜選手を上回る２ｍの身長があり、ファンだけではなく、首脳陣の期待を背負っています。まだ高卒4年目の選手でありながら、30本以上のホームランを期待される逸材です。入団当時から見てきている阿部監督の期待も大きく、それだけに厳しい態度で接しているようで、マスコミを通してきついコメントも発信されています。
ファンの中にはスタメンで固定を望む声もあるようですが、現時点ではベテランの丸選手とスタメンを争う立ち位置に置かれています。
２ｍを超える体格は他のチームメイトから見れば別格で、今のうちから固定して経験を積ませるべきという意見もあるようですが、阿部監督にはその様な考えは全く無いようです。
何故スタメンに抜擢しないのか
秋広選手は器用な選手で、ミート力も認められており、昨年も一時は3番を打っていたのですが、シーズン後半に疲労と相手チームの研究により失速してしまったようです。今年は課題とされている体つくりと守備力強化に改善が見られれば、スタメン確定かと思ったのですが、レフトに丸佳浩選手を競争相手として阿部監督はもってきました。
今シーズンが始まる前に、阿部監督はサード坂本勇人選手、ファースト岡本和真選手をレギュラーとして起用する旨を表明して、レフトとファーストの候補であった中田翔選手を自由契約としました。中田選手が残留すれば、秋広選手とポジションが被ることになり、中田選手の放出は、秋広選手のレギュラー獲得への追い風となったはずです。丸選手がレフトに異動してこなければ、レフトのレギュラーはかなりの確率で取れていたと思います。しかし、ここに来て強力なライバルとなる丸選手を競争相手に持ってきたことで、首脳陣は秋広選手の成長を促そうとしていると推測できます。
逆に言えば、阿部監督は秋広選手の成長速度に満足していないということでしょう。
進まない肉体強化
秋広選手の優先課題は肉体強化です。体重は入団時の100kgから増減を繰り返して、大きな変化は見られません。オフの中田選手との自主トレでも、中田選手にフィジカル面では追いつけませんでした。阿部監督も”キャンプ前は少し体重を増やしていたようだが、今は萎んできているのではないか。”と厳しいコメントをしています。実際に体の厚みは増していないようで、入団時とは大きな違いは見られません。他の高卒選手は入団から3年目までに大きく肉体改造をしている選手が大多数で、秋広選手は進捗が遅い方に分類されるのでしょう。早い選手は入団から1年で、体つきが大きく変わっています。秋広選手について色々と原因はあると思いますが、肉体改造において結果がでていないのは数字が物語っています。
阿部監督のティーバッティング
秋広選手に対する阿部監督によるティーバッティングの動画が再三にわたり拡散しています。今年は秋広選手以外は、新人の佐々木俊輔選手と泉口友汰選手が悶絶している動画が配信されました。選手が悶絶する姿は動画としては面白く、軽々とこなしてしまっている動画が需要が無いのは当然のことでしょう。岡本和真選手や大城卓三選手が軽々とこなしている動画も配信されましたが、”流石にレギュラーを取る選手は違う。”という感想しか出てこない動画でした。逆に言えば3年間プロで過ごしながら、まだ秋広選手は阿部監督のティーで悶絶する姿の動画を供給することとなってしまっています。阿部監督が秋広選手に厳しいのは前述のとおりですが、それでも要求レベルには達していないという現状なのかもしれません。
抜擢されるだけの選手に成れているか
実力がある程度伴って、練習態度も十分良ければ、若手を抜擢することもあるでしょう。しかしそのためには、チームから認められる選手にならなければ、チームが崩壊してしまいます。秋広選手はその域に達しているのでしょうか？村田真一捕手を開幕から控えに追いやった阿部慎之助捕手。二岡智宏選手の復帰後もポジションを渡さなかった坂本勇人選手。彼らほどの信頼を今の秋広選手は、チームメイトや首脳陣から勝ち得ているのでしょうか？競争相手はベテランとはいえ丸選手です。丸選手を控えに追いやるだけの選手として、チームメイトや首脳陣から認められる、実績も信頼も今は無いので、阿部監督も競争と言わざるを得ないのではと推測できます。
将来のジャイアンツを担う選手として、経験を積ませたい気持ちはあっても、そこまでの選手に肉体と人間性が成長していないのならば、チーム内に不協和音をもたらしてしまいます。今の秋広選手は微妙な立ち位置にいるのではないかと考える事ができます。
チーム内で誰もが秋広選手ならばと思われるところまで成長し、阿部監督の信頼を勝ち取ることが、ポジションを奪い取ることに繋がるのだと思います。
