巨人の絶対エースでは無くなった菅野智之 18番のプライドと引退

年々明らかに衰えている菅野投手。勝ち星が減っているという事実とともに、投球回が激減しているのが、なんとも寂しい限りです。2019年にジャイアンツの右のエースの代名詞でもある18番を背負ってから、2020年に14勝を挙げた以外はエースの働きができていません。原監督はまだ復活を信じているようですが、以前のような絶対エースの輝きを求めるのは、非常に酷なことだと思います。あまり期待値を下げても衰えが加速する懸念があり、叱咤激励の言葉なのかもしれませんが、他の選手への影響も考えれば、マスコミを通じてはコメントするようなことではないかもしれません。

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フィジカルの衰えが顕著な菅野投手

菅野投手は大きな故障こそしていませんが、コロナの影響で短縮シーズンとなった2020年以外では、18番を背負ってから規定投球回数に到達していません。これは、毎シーズンのように起こる故障による離脱が原因です。奪三振率も大きく落としており、フィジカルの衰えは隠しようもありません。

菅野投手ほどの選手ですから、体さえ万全であればこれほど急激にパフォーマンスが落ちるとは考えられませんが、今年は肘に張りが出て、開幕から長期離脱してしまいました。

打者のように多少の故障や不調を抱えながらシーズンを戦うことは、投手には難しく、今も菅野投手の肘が万全ではないのかと推測できます。

菅野投手の体が万全であれば、渾身のストレートを勝負所で連発することも可能だと思いますが、今はそれもできない状況なのではと思います。

狙われているスライダーや、落ちの良くないフォークなどを痛打される姿は、ファンとしては痛々しいものがあります。

エースの扱いは重荷になるだけ

菅野投手といえば完投能力があるというイメージがありますが、今はもうそれを求めることは難しいと思います。菅野投手は球威があり、コントロールも抜群で、決め球は大きなスライダーというイメージですが、その総合力の高い投球は何と言ってもストレートの勢いと精度に基づいたものです。そのストレートで押せなくなったのは、18番を背負う前からだったのではないかと思います。

今のストレートの勢いでは完投は愚か、3巡目の打線を抑えることも難しくなってしまうでしょう。カットボールを最近は衰えたストレートの変わりに使っているようですが、それも対応されてきてしまっているようです。

7月25日の試合で阪神の佐藤輝明選手にインハイのカットボールを痛打されましたが、これは菅野投手の球威の無さの証左になってしまったと思います。インハイのボールが苦手な佐藤選手にライト線に打たれてしまうようでは、ヤクルトの村上宗隆選手などには、もうまともな勝負ができないのではと思ってしまいます。

これだけフィジカルに問題がある菅野投手は、年齢も今年で34歳になり若くありません。

もうエースとして重荷を背負わせるのは実力的に厳しく、ベテラン投手としてエースをサポートする役割に位置づけてあげるほうが良いのではと思ってしまいます。

右本格派投手の限界

左投手はベテランになっても息が長く、40歳を過ぎてもローテーションを守れる場合が散見されます。しかし右の本格派の場合は、球威の衰えとともに急激に成績を落とす投手が少なくありません。

絶対エースとして君臨していた田中将大投手も、絶対エースとしてのパフォーマンスはできなくなっています。田中投手は菅野投手の1つ先輩ですが、あのレベルの投手でさえ右の本格派の衰えは顕著になってしまうようです。

シュートでイメージチェンジを

菅野投手ほどの本格派であれば、打者の胸元をついて仰け反らせるような投球は、プライドが許さないのかもしれません。球威のある投手ほど外角ストレートや高めのストレートはプライドを持って投げ込めますが、内角高めは投げたくないのかもしれません。しかしもともと球威のない投手は、遠慮無く胸元を攻め込みます。菅野投手の場合も、空振りを取れなくなったストレートを自認し、えげつない内角攻めをプライドを捨ててやらない限りは、このまま徐々にパフォーマンスを落としていくと予想します。

2000本安打と200勝の難易度を論ずるまでもなく、投手の寿命は伸びていません。とりわけ右の本格派の場合は、以前よりも全盛期の期間が短くなっているような気がします。

球威がなくても抑えるためには、内角を攻める気持ちとコントロールが必要になります。右投手の場合、右打者のアウトローは繰り返し練習していますが、インハイを練習することはあまりありません。ぶつけてしまう危険性もあり、技術に自信がなければ、相手打者の大きな怪我にも繋がってしまいます。

また最近の打者はプロテクターを付けているためか、遠慮なく踏み込んできます。以前のシュートピッチャーも難しい状態かもしれません。

ただプロテクターを装着していても、右打者の内側に沈むシュートは、自打球の可能性も高く、打者は嫌がります。そういった相手が嫌がることができないならば、プライドの高いエースとして、選手寿命を終えてほしいと思います。それもジャイアンツの18番かもしれません。堀内恒夫さんも桑田真澄さんも、最後まで外角ストレートとカーブの投手だったと思います。

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