いよいよ2月1日のキャンプインが近づいてきました。各チーム自主トレの様子が報じられている中で、若手の台頭が気になる季節です。
坂本勇人選手は、毎年インフルエンザやコロナで調整が狂わされ、満足なシーズンを最近は送れていません。今年もコロナは各チームの選手の調整に、影響を与えています。丸佳浩選手はコロナでシーズン序盤に調子が上がらず、不本意な1年となってしまいました。
この季節の調整は意外に後々響くことが多いようで、菅野智之投手の昨年の不振も、MLBとの交渉などの影響で調整が不十分になったからではないかと、推測されます。
これほどの実績を誇る3選手ですが、加齢による衰えは隠すことが出来ません。
菅野投手は今オフに大きく減俸され、再度MLBを狙うことが出来るか正念場の年でしょう。
丸選手も広島時代からパフォーマンスは下がり続けており、巨人というチームにおいてレギュラーが確約されている立場ではないのが、原監督より表明されています。
坂本選手は今年もキャプテンを引き受けることからレギュラーに近い選手と思われますが、34歳になることもあり、守備力の衰えは顕著になってくるのではないでしょうか。
スカパー!プロ野球セットショートというポジションの大切さ
原監督が坂本選手を抜擢したのは有名な話ですが、そこには二岡選手の怪我が起因しているということはファンの皆さんならご存知のことと思います。しかし、怪我と同時に二岡選手の衰えも、原監督の決断の大きな要因だと思われます。二岡選手の場合は30歳の頃から下半身に不調を抱えるようになり、10年目に坂本選手にレギュラーを奪われます。その後日本ハムにトレードされますが、ショートでの出場は殆ど無く、代打やDHでの起用が多くなりました。二岡選手は180cmで当時は大型ショートとして評価されることが多く、2003年には29本塁打を放つなど、長打力も魅力の選手でした。
坂本選手は186cmと二岡選手よりももう一回り大きな体格です。坂本選手はストイックな鍛錬を積み重ねており、33歳になっても軽快な守備を披露していますが、それがいつまでも続かないのは当たり前の話です。
原監督の頭の中ではいつ坂本選手をコンバートするかが、大きな課題となっているのではないでしょうか。もちろん坂本選手のモチベーションが大切ではありますが、チームの勝利のために原監督はコンバートの時期を伺っていることと思います。
そして原監督は坂本選手の晩年には、スラッガーとしての長打力を期待するのではないでしょうか。
その時期は確実に迫ってきており、若いショートが出てくればその時期は早まるでしょう。原監督が岡本和真選手以外はレギュラーが白紙としたのは、こういった計画も含まれているのかもしれません。
兎に角守備力で坂本選手を凌駕できる選手が出てくれば、原監督の決断は意外に早いと思います。
時期を逸した吉川尚輝選手
ポスト坂本として一番期待されていた吉川尚輝選手ですが、どうやら時期を逸してしまったようです。大卒6年目になる吉川選手は、過去に2020年の1度しか規定打席に達していません。入団時より体力不足が指摘され、好調時が長く続かず、ある程度の休養が必要な選手です。大学進学時には厳しい練習で知られる亜細亜大学を取りやめて、中京学院大学に進学しています。体の強い選手を求める原監督が、26歳で体力に不安がある吉川選手を激務のショートに据えるとは思えません。仮にここでショートに据えたとしても、後何年ショートを守る事ができるか長くは期待できません。
湯浅大選手と中山礼都選手
現状の選手ではこの二人が候補となるでしょう。昨年のドラフトでショートの選手を取らなかったことも、原監督の期待が現状の選手にいるということの証左になるのではないかと思います。
守備と足が売りの湯浅選手
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
身長/体重 | 172cm/70kg |
生年月日 | 2000年1月24日 |
経歴 | 高崎健康福祉大高崎高 |
ドラフト | 2017年ドラフト8位 |
湯浅選手の守備力は定評があります。また2020年はイースタンの盗塁王でも有り、俊足は折り紙付きです。打撃が課題ではありますが、パンチ力も有り1軍で打率が.250を超えるレベルになれば、十分に可能性を持った選手です。背番号が00ということで、背番号のイメージを大切にする原監督からは、サブの選手というイメージがあるのかもしれません。しかし、キャンプインからブレイクすることができれば、今年は1軍に常に帯同できる選手でしょう。
年度 | 所属 | 試合 | 打席数 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 塁打 | 打点 | 盗塁 | 盗塁刺 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 死球 | 三振 | 併殺打 | 打率 | 長打率 | 出塁率 |
2020 | 巨人 | 13 | 9 | 7 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0.000 | 0.000 | 0.125 |
2021 | 巨人 | 33 | 13 | 13 | 6 | 5 | 1 | 0 | 0 | 6 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0.385 | 0.462 | 0.385 |
通算 | 46 | 22 | 20 | 9 | 5 | 1 | 0 | 0 | 6 | 0 | 3 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0 | 0.250 | 0.300 | 0.286 | |
2018 | 二軍 | 18 | 18 | 15 | 6 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 4 | 0 | 0.133 | 0.133 | 0.235 |
2019 | 二軍 | 67 | 259 | 225 | 29 | 54 | 9 | 1 | 2 | 71 | 15 | 4 | 5 | 5 | 2 | 20 | 7 | 57 | 2 | 0.240 | 0.316 | 0.319 |
2020 | 二軍 | 74 | 266 | 224 | 37 | 56 | 5 | 0 | 3 | 70 | 23 | 22 | 5 | 8 | 1 | 29 | 4 | 52 | 5 | 0.250 | 0.313 | 0.345 |
2021 | 二軍 | 57 | 203 | 172 | 32 | 42 | 4 | 1 | 5 | 63 | 14 | 2 | 2 | 6 | 0 | 22 | 3 | 38 | 1 | 0.244 | 0.366 | 0.340 |
通算 | 216 | 746 | 636 | 104 | 154 | 18 | 2 | 10 | 206 | 54 | 31 | 13 | 20 | 3 | 71 | 16 | 151 | 8 | 0.242 | 0.324 | 0.332 |
本命の中山礼都選手
背番号: 40 |
ポジション: 内野手 |
身長 / 体重:182cm / 80kg |
生年月日:2002年4月12日 |
投打:右投左打 |
この選手の1年目の活躍を見て、今年のドラフトでショートを取らなかったのかもしれません。故障で出遅れてイースタンの打席数が175と少ないですが、打率.309は立派な数字です。身長が182cmと大型ショートですが、本塁打が0だったのが残念です。しかし、930グラムの重いバットを使用していたようで、今年は900グラムに変更し長打も期待できるとの本人のコメントも報道されています。1年目の坂本選手が打率.268で本塁打5本だったことからも、十分に今年の活躍が期待できます。
年度 | 所属 | 試合 | 打席数 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 塁打 | 打点 | 盗塁 | 盗塁刺 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 死球 | 三振 | 併殺打 | 打率 | 長打率 | 出塁率 |
2021 | 二軍 | 42 | 164 | 156 | 20 | 47 | 8 | 2 | 0 | 59 | 11 | 4 | 4 | 1 | 0 | 6 | 1 | 23 | 5 | 0.301 | 0.378 | 0.331 |
同期の秋広優人選手の背番号が55に変更されたのに、中山礼都選手が据え置きだったことから、未だ時間がかかると判断されているのかもしれません。しかし今年の活躍次第では先番号7が見えてくるのではないでしょうか。
昨年は体の細さが目立った中山選手ですが、2月1日の体つきである程度の活躍の予測がつくかもしれません。
今年こそ提灯記事ではない若手の活躍が、報じられて欲しいですね。