巨人が敵地甲子園で連勝し、ヤクルトとのファイナルに駒を進めた。
両チームとも今季の勝ち頭が先発を務めたが、早々に降板する波乱のスタートだった。広い甲子園で一発が無い僅差のゲームとなり、守備力の差が大きく左右してしまった。
巨人選手の集中力
代役4番丸佳浩選手
シーズン終盤と変わらず貧打で苦しいゲーム展開だったが、丸選手の2安打が効いた試合だった。怪我で欠場の岡本和真選手の穴を、見事に埋めた活躍だった。1本目のタイムリーは最多勝の青柳晃洋投手を降板させ、劣勢だった試合の雰囲気を変えることができた。2本目のセイフティーバントは、素晴らしい集中力で決めたものだ。シーズン中にもあまり見せていない中で、良く実行に踏み切れた。中々4番でCSに出来ないものだと思うが、相手投手の出来を見て、打つより確率が高いとの判断だったのだろう。守備でもファインプレーを第1戦より連発しており、チームを攻守に渡って支えた。
報知の報道によるとバンドはサインで、セイフティーにしたのは丸選手の判断のようですが、真偽はどうなのでしょうか。
好守備連発の野手陣
この2戦はファインプレーが多く、失策も0で集中力が高かった。
ライトの松原聖弥選手は守備範囲の広さと肩の強さで、阪神の進塁を抑止していた。松原選手は打撃でも軽打を連発して、シーズン中には無かった勝負強さも見せてくれた。
若林晃弘選手はもともと守備力には不安の有った選手だが、今日は難しい当たりで併殺を完成させた。今季初の救援で苦しむ戸郷翔征投手を助ける好守備で、非常に価値有る守備だった。ファーストのウィーラー選手も、ファーストで再三好守備を見せた。
巨人は坂本勇人選手や岡本和真選手など、主力選手が守備力に拘っており、キャンプ等でも重点的に守備に取り組んでいる。そういった主力選手の姿勢が、全体的な守備力の質に繋がっているのかもしれない。失策45は両リーグの最少で、人工芝の東京ドームを本拠地としているが、評価されてもいいだろう。
惜敗の阪神
高橋優貴投手をノックアウト
両チームとも打撃陣が不調で、守り合いのゲームになってしまったところが阪神には不運だった。慎重になりすぎる高橋優貴投手を早々に降板させたのは、打線の威圧感が有ったからで、1戦目のオーダーよりは機能したと思われる。結果はあまり出なかったが、大山悠輔選手と佐藤輝明選手は長打が有り、投手を慎重にさせる。高橋投手は2回途中で46球を投げて降板しており、試合を優位に運びかけたが、序盤にもうひと押しが欲しかった。
守備の乱れ
打撃戦に持ち込めずに守り合いになって、守備力の差が出てしまった。リードして優位になりかけたところで青柳投手の脚を引っ張ってしまったのは、間が悪すぎた。大切のところでエラーが出てしまい、守備力の大切さを痛感させる試合だった。両リーグワーストの失策86は大きな課題だ。今日も記録になったエラー以外にも、不安定なプレーを連発しており、数字以上に影響が大きい様だ。今年の春のキャンプで川相昌弘臨時コーチを招くなど、手は打っているようだが、不十分というところなのだろう。内野に一人でも守備力の有る選手がいれば、全体が落ち着くと思うのだが、来季は中野拓夢選手を徹底的に強化するべきなのかもしれない。
現役を引退した鳥谷敬選手は、守備力の評価が高かったと思うのだが、阪神へのコーチでの復帰は無いのだろうか。東京出身でありロッテに移籍する経緯が不透明だったが、本来であれば間違いなく幹部候補だろう。
来季に期待
若い芽が息吹いたシーズンであり、来季も期待できることに間違いがない。守備力も走塁も十分に向上が見込めるので、指導者さえしっかり確保できれば、展望は明るいといえる。
できれば川相コーチぐらいの人材を常駐させる事が、守備に対する意識の改革になるだろう。兎に角、二遊間に守備のリーダーが欲しい。
ファイナルは岡本和真選手が戻ってくれば、盛り上がるでしょう。
巨人も相変わらずの貧打なので、打撃戦になると不利かもしれません。
狭い神宮なので、投手戦には持ち込めないかもですね。