セ・リーグのペナントレースが終了し、岡本選手の2年連続2冠王が確定した。本塁打は39本で、ヤクルト村上宗隆選手と分け合う形となった。
ポジション | 内野手 |
投打 | 右投右打 |
身長/体重 | 185cm/96kg |
生年月日 | 1996年6月30日 |
経歴 | 智弁学園高 |
ドラフト | 2014年ドラフト1位 |
岡本選手は2014年のドラフト1位で25歳。全試合で4番を守った上での今年の成績は、立派だと言える。
2018年との比較
岡本選手は高橋由伸前監督時代に頭角を現し、その年に打率.309、本塁打33本、打点100を記録し4番を任されるようになった。このころ令和初の3冠王を狙える素材と讃えられることが多かったが、その後打率.280を超える年はない。
年度 | 試合 | 打席数 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 塁打 | 打点 | 盗塁 | 盗塁刺 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 死球 | 三振 | 併殺打 | 打率 | 長打率 | 出塁率 |
2015 | 17 | 31 | 28 | 2 | 6 | 0 | 0 | 1 | 9 | 4 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 4 | 3 | 0.214 | 0.321 | 0.290 |
2016 | 3 | 10 | 10 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.100 | 0.200 | 0.100 |
2017 | 15 | 35 | 31 | 2 | 6 | 1 | 0 | 0 | 7 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 10 | 0 | 0.194 | 0.226 | 0.286 |
2018 | 143 | 616 | 540 | 82 | 167 | 26 | 0 | 33 | 292 | 100 | 2 | 1 | 0 | 0 | 72 | 4 | 120 | 11 | 0.309 | 0.541 | 0.394 |
2019 | 143 | 628 | 555 | 84 | 147 | 29 | 0 | 31 | 269 | 94 | 3 | 0 | 2 | 3 | 62 | 6 | 132 | 15 | 0.265 | 0.485 | 0.343 |
2020 | 118 | 500 | 440 | 79 | 121 | 26 | 0 | 31 | 240 | 97 | 2 | 0 | 0 | 0 | 55 | 5 | 85 | 10 | 0.275 | 0.545 | 0.362 |
2021 | 143 | 592 | 521 | 71 | 138 | 19 | 1 | 39 | 276 | 113 | 1 | 1 | 0 | 7 | 57 | 7 | 108 | 16 | 0.265 | 0.530 | 0.341 |
通 算 | 582 | 2412 | 2125 | 320 | 586 | 102 | 1 | 135 | 1095 | 410 | 10 | 2 | 2 | 10 | 252 | 23 | 461 | 57 | 0.276 | 0.515 | 0.357 |
四球の少なさ
本塁打39本、打点113でキャリアハイを記録したが、フォアボールを57個しか選ぶことが出来ずに出塁率は.341で2018年以来最低だった。ライバルに成長した村上宗隆選手が106個のフォアボールを選び、出塁率が.408を超えたのと対照的になってしまった。鈴木誠也選手もフォアボールは87で出塁率は.433と、岡本選手よりも相手への威圧感があったのかもしれない。鈴木選手は同じ右打者として、岡本選手の目標となる偉大な打者だ。
鈴木選手はMLBへの移籍が噂されていますが、村上選手とはライバル関係が続きますね。ポジションも同じで闘志が表に出る村上選手に、負けないで欲しいですね。岡本選手は、もう若手とはいえません。
ライト方向への意識
ライト方向への長打が魅力とされる岡本選手だが、ライト方向への打率は良くない。
レフト方向 | センター方向 | ライト方向 | |
打率 | 0.379 | 0.426 | 0.215 |
打数内訳 | 44.3% | 22.9% | 32.8% |
本塁打内訳 | 48.7% | 23.1% | 28.2% |
安打内訳 | 50.0% | 29.0% | 21.0% |
レフト方向 | センター方向 | ライト方向 | |
打率 | 0.447 | 0.484 | 0.259 |
打数内訳 | 50.4% | 22.5% | 27.1% |
本塁打内訳 | 63.6% | 18.2% | 18.2% |
安打内訳 | 55.7% | 26.9% | 17.4% |
2021年はライト方向の打球は打率.215、2018年は打率.259でセンター方向やレフト方向よりもかなり悪い。2018年は27.1%がライト方向への打球だったが、2021年は32.8%と若干上がっている。本塁打は2021年がレフトへ48.7%でライトは28.2%。2018年はレフトへ63.6%でライトは18.2%となっている。数字だけを見ているとライトへ無理に狙う必要はないと思うが、逆に言えばアウトコースで打ち取られている傾向が続いているのかもしれない。インコースの攻めが厳しく、アウトコースを捉えて切れていないとも考えられる。センターへの打率が2018年は5割近くあり、2021年も4割を超えていることから、無理に右へ打つよりもセンター方向への意識を強くしたほうが良いのかもしれない。バックスクリーンへも十分に叩き込めるパワーが有るので、苦手の甲子園などでも浜風と喧嘩するのではなく、センター方向への打撃を意識した方が、打率も本塁打も上ってくるのではないだろうか。
大きい好不調の波
月名 | 打率 | 試合 | 安打 | 本塁打 | 打点 |
3・4月 | 0.234 | 30 | 26 | 5 | 24 |
5月 | 0.279 | 22 | 24 | 9 | 20 |
6月 | 0.291 | 22 | 23 | 9 | 28 |
7月 | 0.316 | 11 | 12 | 4 | 8 |
8月 | 0.333 | 15 | 18 | 5 | 8 |
9月 | 0.242 | 25 | 23 | 6 | 18 |
10月 | 0.207 | 18 | 12 | 1 | 7 |
岡本選手はスランプに陥ると長い。今年も4月までは打率.234で調子が上がらず心配された。6~8月は逆に絶好調で、秋風が吹き出す9月以降に不調になっている。岡本選手の成績とリンクするように9月以降はチーム全体が沈んでしまい、岡本選手の存在の大きさを証明する形になってしまった。
何故巨人は失速したのか 原全権監督の憂鬱 来季の続投は有るのか
昨年も好不調の波が大きかったが、今年は更に大きくなってしまった。前後のバッターの調子や自身の体調や体重など、原因は色々とあるかもしれないが、原因がつかめないと来年も同じことを繰り返してしまう可能性が高い。このあたりはチームの分析班の責任範囲ではないだろうか。怪我など原因がはっきりしていれば、対策は立てられると思うのだが・・・
更にもう1ランク上のステージに成長して欲しいですね。
岡本選手が安定して活躍できないと、ジャイアンツの優勝はないかもしれません。存在は大きくなりましたね。