東京五輪で侍ジャパンが、初戦でドミニカ共和国代表をサヨナラ勝ちでくだした。
序盤に巨人在籍のメルセデス投手を打ちあぐみ、リードを許す展開だったが最終回に坂本勇人選手の中越打で、逆転サヨナラ勝利を収めた。
メダルラッシュに湧く東京五輪で、侍ジャパンに対する期待は高まる一方だが、初戦は苦しい展開だった。
ボールの違い
高速インターネット(Wi-Fi付き)+専門チャンネル月額1,750円〜【J:COM(ジェイコム)】明らかに飛ばないボールで、打撃陣は苦しんだ。何処からでも本塁打が期待できる打線を組んで初戦に臨んだが、普段から対戦経験のあるメルセデス投手に苦しんだ。飛ばないボールを意識しすぎてしまったのか、終盤までヒットもあまり出なかった。終盤に来て繋ぐ意識で打席に入ったことと、メルセデス投手以降のピッチャーがメルセデス投手ほどの投球ができなかったことが、逆転につながったと思われる。
投手については青柳投手と栗林投手以外はボールにも慣れていたようで、シーズン中とあまり変わらない投球だったと感じる。栗林投手はシーズン中の疲れがあるのか、初戦で緊張したのか、彼らしくない投球だった。
首脳陣にかかる重圧
選手は実績十分の選手が多く、初戦の勢いで調子を取り戻すと思われる。投手も田中将大投手が残っており、心配する必要があまり感じられない。
しかし、首脳陣は課題が残った。稲葉監督は経験不足を指摘されているが、そもそも五輪の野球監督は他の競技と比べても重圧が半端ではない。他の種目は選手を送り出してしまえば、後は選手交代とハーフタイムの指示などがあるだけだ。野球のように投手交代がその後の展開を大きく左右したり、1つのサインプレーが勝敗を決してしまったりすることはあまり考えられない。
しかし、野球は違う。日本国民は野球に対して、非常にリテラシーが高い。スポーツを好む人であれば、野球の経験がある人はとても多い。ソフトボールなどは授業で行われることも多く、全く経験のない人は少ないだろう。またプレーをしない人でも、観戦経験は非常に多く、素人でもプロの采配を評価できる知識を持っている。そんな国民が見つめる中で金メダルを期待される選手たちや、首脳陣にかかるプレッシャーは計り知れない。特に首脳陣は投手交代や、サインプレーによる作戦選択、3塁コーチの走塁指示など、瞬時に決断を迫られるケースが多い。
この重圧に耐えることはプロ野球の監督経験者でも、辛いことだろう。近年小久保監督、稲葉監督と代表監督がプロ野球監督未経験なのも、なんとなく理解できる。失敗を恐れずにやれるのは実際にプレーする選手だけで、首脳陣の決定的な失敗は許される雰囲気ではないのだ。
昨日も青柳投手の交代、3塁ベースコーチによる山田哲人選手の本塁憤死など、采配に疑問が投げかけられている。また、相手投手のモーションが大きいのに山田選手に盗塁のサインが出せなかったことなど、首脳陣の消極的な姿勢にも一部に批判がある。2戦目以降首脳陣が十分な準備をして相手チームのデーターを分析し、ゲームに臨むことを希望したい。
他チームも置かれている状況は同じ
他の代表も完璧な指示を首脳陣ができることはないと予想できる。ある程度の采配のミスを受け入れた中で、最後は選手の頑張りにかけるしか無いのだ。その意味では初戦の最終回の選手の粘りは、さすがに侍ジャパン代表選手だった。すべての選手が、ミスなく期待に答えた攻撃だった。
侍ジャパンの選手たちは素晴らしい活躍でした。今後も接戦が続くと予想されますが、思い切ってプレーして欲しいです。