巨人来季若手野手注目株 キャンプイン時で決まる 阿部監督の厳しさ

秋季キャンプ終了時に阿部監督は、キャンプインまでの期間の大切さを強調していました。新人も含めた中で、2月のキャンプインまでにどのような課題を持って努力してきたかを見極めるという強いメッセージだったと思います。

秋広優人選手には明確な課題

来季本当に飛躍が期待されるのは、間違いなく秋広選手だと思います。その期待の大きさがうかがえるのは、阿部監督が秋広選手のキャンプ2軍スタートもあり得るとコメントしたことに現れていると思います。この時期に名指しでコメントしたのは、期待の表れと同時に、秋広選手を入団時から身近に見てきた阿部監督だからわかる心配事があるからなのでしょう。最近の野球選手で活躍できるのは自分に厳しくできる選手です。昭和の時代のように自己管理が甘い選手は、今の時代では活躍が難しくなっています。オフの練習も昭和の時代は本当にオフだったようですが、今は年間を通して体を動かし続ける選手が主流です。特にオフの間はウェートなどによる体つくりがメインとなっている選手が多く、冬の間に体つきが変わるのは高校生でさえも顕著です。

秋広選手は202cmという身長でありながら、体重は100kg前後と足りない状況が続いています。毎年体づくりが課題と言われながら、出来上がってこないのはなにかが足りないと判断されても仕方がないでしょう。実際にスイングスピードも足りないので、速球を引っ張ることができません。バットの先端は遠心力が働くので、リーチのある秋広選手はヘッドのスピードは出ると思いますが、体の軸の安定感が足りないのでタイミングが遅れがちになるのだと推測できます。もう少し体の軸が強くなれば、体幹の回転スピードが上がると思うのですが、それは冬の間に解決できる問題です。守備においても体幹が弱いと走る時に安定感がでず、打球を見ながら走るとスピードが上がらないと思います。来季は外野での起用が殆どになるはずですので、守備力の向上は絶対条件です。センターは無理だとしても、ライトを任せられるような守備力が付けば、打席数は絶対に増えるはずです。

阿部監督が2軍スタートもあり得るとコメントしたのは、素振り一つ、走っている姿一つ、もっと言ってしまえば、体つきを見れば、何をしてきたのか、どれだけやってきたのかを阿部監督は見極められるからだと思います。

秋広選手がライトに収まってレギュラーを確保できるようになれば、ジャイアンツ打線の骨格はほぼ決まります。それほど来年のジャイアンツの期待の若手だと考えていいでしょう。

若手とは言えない吉川尚輝選手

もう一人阿部監督から厳しい目で見られているのは、中堅の吉川尚輝選手だと思います。ファースト岡本和真選手、サード坂本勇人選手、ショート門脇誠選手は秋季キャンプで来季のレギュラーとして指名されました。ショートに指名された門脇選手は348打席に終わったのに対して、吉川選手は478打席と規定打席を超えています。打率は.256とやや物足りないですが、守備の要のセカンドとしてリーグトップクラスの守備力を誇っています。にも関わらずレギュラーとしての指名がなかったのは、何故なのでしょうか?

ここでも阿部監督の吉川選手に対する厳しい見方があるのだと思います。吉川選手はそのポテンシャル通りの働きができない印象が強くあります。打撃についてもコーチによる指導の一貫性のなさが指摘される中で、自分を確立できていない現状があります。来年29歳になる吉川選手に対して、もうワンランク上の選手になりきれない事を、阿部監督は厳しく見ているのだと思います。もっといえば、努力が足りないと言う見方をしているのではと、推測もできます。

吉川選手はここまで、体が弱くなかなかシーズンを通して活躍できていません。怪我をおそれるためか、能力に比べて盗塁などが極端に少ないのは、首脳陣として不満があるのは当然のことでしょう。しかし、吉川選手にはここまで強烈なライバルがいませんでした。ファン目線で見ても、怪我がちで打撃が安定しない吉川選手から、レギュラーを奪えるような選手はいなかったと言っていいと思います。体調さえ万全ならば吉川選手がセカンドのレギュラーという状況が、吉川選手の成長を妨げていたと見ることは、間違ってはいないと思います。あえてセカンドを競争のポジションとし、ドラフト4位で即戦力と言われる泉口友汰選手を指名したのは、吉川選手の奮起を促しているのでしょう。

若手とは言い難いですが、来季のジャイアンツの優勝のキーマンの一人として、吉川選手のキャンプインが注目されます。

最大の注目はセンター

阿部監督が一番の補強ポイントと考えているのは、間違いなくセンターでしょう。できれば日本人でとコメントしている時点で、ジャイアンツの若手には最高のチャンスでしょう。候補としてあげられるのは、浅野翔吾選手、萩尾匡也選手、ドラフト3位新人の佐々木俊輔選手でしょう。阿部監督はセンターには高い守備力を求めるはずで、現時点では浅野選手、萩尾選手は厳しいと言わざるを得ません。このオフで何をやるべきか、ここでも阿部監督は明確な情報を発信しています。2月に両選手がどの様に守備のレベルアップをしてくるかが注目されます。

2月のキャンプインが楽しみですが、私は野手では以上の選手たちがどの様に仕上げてくるかが本当に楽しみでなりません。

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