現役でありながら既に巨人のレジェンドと言っても言い過ぎとは言えない、坂本勇人選手が離脱してしまいました。最近は度々離脱していますが、その度に存在の大きさが確認される状態です。ただ例年と違うのは、守備面では全く見劣りしない選手が、今のジャイアンツにはいます。
守備だけならば坂本勇人より上かもしれない門脇誠選手
ドラフト4位で創価大学から入団した門脇誠選手は、セカンド、ショート、サードを高いレベルで守ることができる、貴重な選手です。ゴールデングラブ賞の常連である坂本選手に見劣りしない門脇選手の守備力は、仮にレギュラーで出場を続ければ、サードとショートではゴールデングラブ賞を受賞できるレベルだということは、野球ファンなら同意できるのではないでしょうか。坂本選手は脚部の不安から守備範囲などが狭くなってきており、現時点で門脇選手の守備範囲は、セ・リーグでNo.1と言えると思います。
脚力もあり強肩で球際に強い
俊足を生かした守備範囲と強肩は認知されており、球際に強くファインプレーにおいても送球のブレが少ない印象があります。惜しいプレーが少なく、完結したファインプレーを連発してくれるのは、内野の要として頼もしい限りです。セカンドの吉川尚輝選手との併殺プレーは、華麗で素晴らしく、見る価値のあるプロのプレーだと思います。打率2割に満たない門脇選手を原監督が使い続けるのは、原監督が内野手でセカンドの経験も少なからずあるからだと思います。
投手の防御率が良くなったのにも貢献
今のジャイアンツの内野守備は、鉄壁に近いと思います。ファーストの中田翔選手とサードの岡本和真選手の前後左右の動きに緩慢さが見られますが、他球団の守備力に比べれば十分上位であることは間違いないでしょう。二人ともハンドリングと送球は素晴らしいと思います。
これだけの守備力が内野陣にあれば、投手はゴロを打たすピッチングに集中できます。三遊間のヒット性の当たりでゲッツーが取れる守備力は、間違いなくチーム防御率の向上に寄与しているはずです。昨年までは坂本選手が離脱すると、内野陣が一気に不安定になったので、投手陣も辛かったと思いますが、今年は一変していると言っていいでしょう。
それだけ門脇選手の出現は、今のジャイアンツのディフェンスを支えていると思います。
門脇選手の課題のバッティングは方向性がおかしい
大学時代には首位打者になり、シュアなバッティングができていたようですが、プロに入ってからは大振りが目立ちます。キャンプ時に大久保コーチに”吉田正尚になっちゃった。”と言われて自分を見失ったのか、体格以上の大きなバッティングを繰り返しているように見えます。
強く振ることを否定するわけではありませんが、振り過ぎは問題です。
門脇選手のバッティングを見ていると、下半身が浮くような振りが散見されます。内角のボールを打つときなどは、ジャンプして打っていることもあり、完全に足が浮いてしまっています。
これはゴルフスイングにも共通すると思いますが、下半身主導で売っていれば絶対に足は浮きません。畑岡奈紗選手などがジャンプするような切り返しをしていますが、完全には浮きませんし、今は確実性を増すためにジャンプを抑える方向に向かっているようです。
門脇選手は脚力もあり、出塁することで相手の脅威になれる選手なので、無理に長打を狙う必要はありません。強く振ることは将来的にプラスになるとは思いますが、それも上半身と下半身のバランスを失うほど振る意味はないと思います。
コンタクト力はあるはずなので、内野の間を抜くゴロが打てれば、もう少し打率は上がるのではないでしょうか。どれだけ強振しても、現状は本塁打1本の打率.172です。今より悪くなることは考え難いので、自分のバッティングを取り戻してもらいたいと思います。
秋広優人選手に自分のバッティングを取り戻させた二岡二軍監督
キャンプで結果が出なかった秋広選手に、自分のバッティングを取り戻させた二岡二軍監督の話は有名です。長打を求める大久保コーチに対して、期待に答えられなかった秋広選手は、ファームで時間を与えられました。その際、二岡二軍監督は自分の思う通りのバッティングを奨め、野球日誌による報告だけを求めたようです。
秋広選手のその後の活躍は大変なもので、3番を任されるようにまでなっています。本塁打はまだ6本ですが、少しづつヒットの延長が伸び出しているようにも感じられます。選手とコーチは間違いなく相性がありますので、秋広選手には上手く二岡二軍監督のやり方が、ハマったというところでしょう。
門脇選手もここまで結果が出ないのであれば、少し考え方を変えたほうが良いのではという所まで来ていると思います。当てに行くような弱い振りはいけませんが、下半身が浮くほどの上半身による強振は、今の門脇選手には必要はないのではないでしょうか。経験を重ねた上で吉田正尚選手のようなバッティングを、身につけられる時が来るかもしれません。しかし、吉田正尚選手は大きなスイングアークですが、下半身主導のスイングで、下半身は絶対にブレていません。
”振り過ぎ注意です”
