巨人の絶対エースではなくなった菅野智之投手の意地 復活できるか

右肘違和感から再登録されたジャイアンツの菅野智之投手が、雨中の横浜スタジアムで6回1失点の好投し、リーグトップの4勝目を挙げました。チームの連敗を5で止める力投で、エースがチームの危機を救いました。

エースの名に恥じない力投

キャプテン坂本勇人選手と攻守の要の吉川尚輝選手が離脱したジャイアンツは、ゴールデンウイーク中に大失速をしてしまいました。ファームで調整していたエースの菅野投手は、責任を感じざるを得なかったでしょう。短期間の離脱とはいえ調整登板もせずに登録後に即先発という流れは、菅野投手の覚悟が窺われたと思います。年々パフォーマンスが下降気味で、故障による離脱の頻度も高くなってきている中で、かつての相手を見下ろした絶対エースのピッチングはできなくなっています。今日は雨が降る悪コンディションで、コールドゲームも視野に入れた中でのピッチングは、細心の注意が窺われました。

バックをカバーするエースの意地が促した中山礼都選手の成長

現状のジャイアンツの守備は殆ど破綻気味で、信頼の置けるポジションはキャッチャー、ファースト、サード、センターだけです。このゲームでもエラー2つを記録していますが、記録に残らないミスは数多くありました。それでもエラーを犯した選手を気遣う姿を見せるなど、今日の菅野投手の振る舞いはエースの名に値すると思います。ショートの中山礼都選手も雨による人工芝の状態に悩まされたのか、危なっかしい守備が続きましたが、徐々に落ち着きを取り戻したようで、これはエースのミスに対する寛容な姿勢と、ミスをカバーする気迫のピッチングが中山選手を支えたと思います。最後のバッターの打球は、バットが折れて飛ぶなど難しい打球でしたが、見事に刺すことが出来ました。今後坂本勇人選手が復帰後も、疲労や再度の故障などの可能性を考えれば、必ず中山礼都選手の成長はチームを支えることになるのではないかと思います。

エースを支えた大城卓三捕手

今日の大城捕手は菅野投手をしっかりと支えました。得意の打撃ではマルチヒットで、ダメ押しの打点を挙げる活躍でした。塁上で明るい笑顔のガッツポーズをする場面もあり、自信を取り戻しているのではないかと思います。守備でも雨の中で難しいワンバウンド処理を何度も行い、菅野投手を助けました。菅野投手も感謝の仕草をするなど、信頼感が増していると感じられる場面でした。リードにおいても粘り強く両サイドを突く配球で、ピンチを凌いでいます。以前は菅野投手が苦笑いでサインに首を振るなど、関係性に疑問符が付きそうな場面がありましたが、今日はあまり見ることがありませんでした。大城捕手に対するチームの信頼感も増しているのかもせれません。貧打が解消されない限りは、暫くは大城捕手を外すことは難しいかもしれません。

エース菅野投手の変化

防御率 投球回 打者 被安打 被本塁打 奪三振 与四球 与死球 失点 自責点 投球数
3.43 6    26 5 0 8 2 0 1 1 100

今日は雨ということもあり、完投を考えずにペース配分をしていたと思います。好調時は完投を目指すペース配分をしていましたが、今はそれを望める状況にはないかもしれません。6回3失点を合格ラインとすれば、菅野投手はまだまだエースの投球ができるのではないでしょうか。今日はピンチを三振で押し切るピッチングが出来ており、久しぶりに気迫のこもったストレートを見ることが出来ました。

  右打者 左打者
2020年 0.177 0.213
2021年 0.168 0.257
2022年 0.222 0.309

今日は右バッターへのツーシームが効果的で、投球の幅が広がっていたと思います。ただ左バッターへの対策は喫緊の課題だと思います。毎年右バッターを完全に近い状況で抑えているので、左バッターへの投球が鍵となっています。今年は左バッターには3割を超える打率で打たれており、ここは大きな課題だと思います。

完投を考えたピッチングよりも、気迫の全力投球が今は良いのではないでしょうか。

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